この時期の黄昏の主役は、ヤブヤンマ。
茜色に染まる谷津の上を、すらりとしたシルエットが優雅に舞う。
成虫はヤンマ科の中では最大級の大きさの部類に入るくせに、
バスダブ程度の水たまりでも、ヤゴが生育できる。
同じような環境に棲息するクロスジギンヤンマやマルタンヤンマなどと共に、
都市環境に順応したヤンマといえる。
ヤブヤンマ雄:体長88mm
よく見ると、なかなかお洒落な配色、複眼も美しい。
ヤンマ科の中でも、美麗種に入れてもいいくらいだ。
しかし、黄昏の谷津でネットに入ると、なぜかがっかりしてしまう。
数が多いせいもあるが、どことなく全身の雰囲気が粗雑というか、
繊細さが感じられないせいもあるかもしれない。
まあ、当のヤブヤンマにしてみれば、大きなお世話もいい所だが、、。