今年は関東のあちこちで南方のトンボ、ハネビロトンボが目撃されているらしい。
10年以上前(まだ僕がトンボ採りを始める前)に、これまた南方のヤンマ、オオギンヤンマが
全国に大挙してやってきて、
「オオギンフィーバー」なんて言われたことがあったらしいが、
さしずめ今年は「ハネビロフィーバー」とでも言うのだろうか。
最近、都内の谷津で、日没後の真っ暗な時間帯に草地の上を行き来していたヤンマ。
小柄な体に、この翅の褐色帯は、、、。
奄美諸島に棲息するヒメミルンヤンマ、、、?
であるわけなく、フツーのミルンヤンマの雌。
南日本産のミルンヤンマの雌と、奄美諸島に分布するヒメミルンヤンマの雌は、
翅の前縁にミナミヤンマのような褐色の帯が入るらしいが、
東日本のミルンの雌も、未熟なうちは、上の画像のように褐色の帯が発現する。
しかしこの帯が見られるのは未熟期だけで、成熟すると何の変哲もない透明な翅になってしまう。
以前の記事で紹介した、オニヤンマの雌もこのパターンだ。
オニヤンマも八重山以南のものは、成熟しても翅のオレンジ班が残るという。
このあたり、何か進化の秘密が隠されていそうで、
秋の夜長の考え事にはもってこいかもしれない。