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トンボの日々

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2010年 10月 08日

産地の興亡・その3

栃木県某所のハネビロエゾトンボ。

林の中を流れる何の変哲もない流れなのだが、ここはハネビロエゾトンボが豊産する。
特にハネビロエゾトンボが保護されているわけでもなく、特に景観が優れているわけでもなく、
地元の人も殆ど知らないような場所だ。

この場所に通い始めて数年たち採集もしているが、減ったような印象はまったく無く、いつも満足感で満たされて帰途につく。
期待を裏切らないポイントだ。
トンボ屋の一部では知られた場所で、それなりに毎シーズン採集者が入っているはずだが、一向に減る気配がない。

前記事のマダラヤンマも採集禁止になる前から有名なポイントで、
各地から多数の採集者が入っていたはずだが、数が多かったのは前述の通り。

岸たんぼのマルタンヤンマもそうだが、採集禁止を含む管理をすることにより、
その数が減ってしまったとすれば、それは皮肉な話だ。
だからといってどんどん採集すれば良い、という短絡的な話でもないが、
「減った」状況をしっかり分析する必要があるように思う。

こういう経過を考えるとき、それほど危機にあるわけではない種の、
ある地域における「採集圧」とはどういいうものなのか?
ということを考えてしまう。

by brunneus | 2010-10-08 16:42 | Comments(2)
Commented by at 2010-10-14 00:43 x
こんにちは、「フツーの公園になっちゃた」のは悲しいですね。
環境的要因で逃げ場の無い種については、保護で納得。

お話にもある、あそこのヤンマは4桁クラスいるんじゃないと思うほどの多産地でしたが、言われているとおり、めっきり姿が減っていると私も思います。(一桁減?)
タイミングが偶然あっただけなのかもしれませんが、1例だけではないのが気になりますね。

多産地で数が減ってしまう原因で考えられるのは、環境の変化(悪化)だけでしょう。
とりあえず、周辺の草木を大胆に伐採したり、水量減、水質悪化に結びつくような、安易なポイントの整備、改変はよろしくない気がしますね。
逆に、シンプルに数を増やすような保護施策が必要ってところですか。。。難しいのか知りませんが
Commented by brunneus at 2010-10-15 00:55
Jさん
コメントありがとうございます。
Jさんもマダラヤンマ減少を実感されていましたか、、。
ある種のトンボを保護する、ということは、相当の慎重さが求められると思います。採集を禁止にすれば安心、という話ではありませんよね。
保護する行政側も、地元対策も含め、個体数が減少以前の水準に回復するまで、最後まできちんと時間とお金を持って実行して欲しいものです。


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