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トンボの日々

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2011年 08月 13日

関東のエゾ

エゾトンボは、その名の通り東北地方北部や北海道が本拠地の北方系のトンボ。
(昨年も同じようなことを書いた気がするが、、)

北海道にはゴミのように飛んでいるらしいが、温暖な関東地方では稀種となる。
とくに東京や埼玉など南部ではさらに少なくなり、産地での個体数も少ない。

これでは出会うのは運まかせになってしまうので、
数年前から北関東の産地へ通っている。

この仲間の雄は一見するとどれも同じような姿をしているが、雌が特徴的で面白い。
北関東に棲んでいるものは、かつて「オオエゾトンボ」と呼ばれたタイプで、
雌の腹部がずんどうで、体も大柄になる。

エゾトンボ雄:体長60mm
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エゾトンボ雌:体長65mm
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しかし、比較的数が多いとされるこの地でも、雌を見ることは多くはない。
雄に比べ不活発というのもあるが、産卵を含め、生態をよく理解していないからだろう。

そんなわけで、雌と出会うチャンスは摂食飛翔の時となる。
この時はゆったりと上空を旋回しながら飛ぶので、採集は比較的楽だ。
(長い竿があれば、の話だが)
その特徴的なシルエットで、一目見れば雌と分かる。(前記事二番目の写真)

しかし、その摂食飛翔も数は少なく、例年は汗だくで走り回ってもふたつかみっつ、
という程度だったが、今年は違った。
広大なアシ原の上を、西日を受けて多数の雌が群飛していたのだ。
ここは北海道?と一瞬目を疑ってしまった。

今年は多分当たり年なのだろう。
このトンボは2〜3年で一世代を繰り返すので、
今年が多いということは、来年は少なくなるのだろう。そしてまた数年後にピークが来る。

滅多に見られない光景に出会えて、往復7時間の長旅の疲れも吹き飛んだ。

by brunneus | 2011-08-13 01:20 | 茨城 | Comments(0)


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