森が点在する水田地帯は、カトリヤンマの天国だ。
農薬を使っていなければ、の話だが。
先日のハネビロエゾトンボのポイントの周囲も水田に囲まれていて、
林縁にはカトリヤンマが沢山いる。
探すまでもなく、ちょっとした林に踏む込むと、
足元からこのヤンマがワラワラと飛び出してくる。
林に入らずとも、道ばたから竿でさーっとブッシュを撫でると、
出てくることもある。
しかし、これは発生初期の晩夏だけに見られる現象。
夏が終わり成熟が進むと、各地に広く浅く分散し、林縁では見かけなくなる。
この時期ならではの個体がこれ。
カトリヤンマ雌:体長70mm
何がこの時期ならではなのかというと、、、。
腹端の尾毛に注目。
この個体の尾毛は完全だが、それはこの個体に産卵経験が無いため。
成熟して産卵を始めると、ほぼ全ての雌の尾毛が途中から折れてしまう。
発生初期のこの未熟な時期だけの、完全な尾毛なのだ。
しかし、、、。
産卵に邪魔なこの尾毛、そもそもこんなに長い必要なんて、無いんじゃないだろうか。
熱帯に分布するこの仲間には、尾毛がばかでかい種もいるらしいが、、。
これも進化の摩訶不思議。