先日、環境省が新たなレッドリストを発表した。
ニュースでは「カワウソが絶滅」がクローズアップされ、ふうん、という感想だったが、
環境省のサイトでよく確認してみると、密かに衝撃的な種がリスト入りしていた。
それはトビイロヤンマ。ランクが絶滅危惧IB類。
絶滅危惧IB類と言えば、オオキトンボやハナダカトンボ、ヒヌマイトトンボと同じカテゴリーだ。
今までは選外だったが、いきなり絶滅危惧II類であるアサトカラスヤンマや、オキナワミナミヤンマ
を飛び越えてのランク入り。
10年ほど前には、やんばるの海沿いの水田地帯で、視界を覆うほど群飛する光景を見た日もあった。
確かに、水田が多かったかつて(何十年も前)よりは減少しているとはいえ、
まだ「いる所にはいる」ヤンマだと思っていた。
ここ数年は10年前のような群飛を見ることはなかったが、
たまたま日が悪いのかな、という程度にしか考えていなかった。
だが現地で感じた減少は一過性のものではなかったようだ。
深刻な減少の原因はわからない。
環境の外見はあまり変化はないが、
かつては沢山見られたアオビタイトンボ、コシブトトンボも同時に減少していることから
推測すると、耕作作物の肥料や農薬、除草剤などの変化が原因なのだろうか。
西日本の水田でのアキアカネの激減、東北でのカトリヤンマの壊滅との関連も匂わせる。
前回(2011年)訪れた時はアメイロトンボがかつてなく多産していたが、
移動力の強いこの種が、飛来した先の競合種のいない環境で個体数を増やした、
と考えることもできる。
まあ、きちんと土壌や水質の調査をしたわけでもなく、
経年的に個体数の増減を調べたわけではないので、
所詮妄想の域を脱しないのだが、、、。
南西諸島の平地の水辺は、想像以上に深刻な事態になっているようだ。