数日前の豪雨を境に、関東はすっかり気温が下がり、空気ががらっと秋に変わってしまった。
このひんやりとした空気にふれるとまず思い浮かぶのがルリボシヤンマ。
秋色の湿地を音もなくホバリングする光景を思い出す。
まだ今年は埼玉の産地ではまともに姿を見ていないが、
先日の北関東と、ついこの間、青梅でその姿を見た。
ルリボシヤンマ雄:体長84mm
かつてはこのトンボは山岳地帯にしか棲息していないと思い込んでいて、
はるばる八ヶ岳の高原まで採りに行っていた時期もあった。
確かにその産地はカラマツに囲まれた湿地で、典型的な棲息環境に違いはなかった。
しかしその後知識が増えるにつれ、
山麓部のクロスジギンヤンマや、ヤブヤンマが棲むような小さな池に普遍的に見られることが
分かり、一気に身近なヤンマになった。
高温が苦手なルリボシヤンマは、
暑い時期は山間部の涼しい環境へ移動するらしく、山麓の池には全く姿を見せず
秋になり気温が下がると、どこからともなくフラッと池にやってくる。
盛夏に高原で元気よく飛び回っている個体とは対照的だ。
アキアカネが舞う水辺を飛び回る秋のヤンマ。
そろそろ埼玉の産地の様子を見に行ってみよう。