ハネビロトンボの続き。
進化の方向性に沿って形質を発達させたグループもいる一方、方向性とは別ベクトルの形質が発現するグループも現れる。
例えばこんな感じ。
仮に和名を「チビハネビロトンボ」、学名を「
Tramea pygmaea」としよう。
「翅が長く、大きくなる」というハネビロトンボの方向性とは別の方向性に進化したもので、こうして見ると、
「ハネビロトンボらしさ」が殆ど失われてしまっている。これは様々な原因が考えられるが、「長距離移動する必要がない」
ということが大きいだろう。
大移動をした先で、安住の地を見つけた結果の形なのかもしれない。
実際に、ミナミヤンマ科
Chlorogomphus属では形態のバリエーションが豊富で、様々な方向に進化が進んでいることを感じる。
このように、進化は決して一方向ではないことも、また面白いところだ。