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トンボの日々

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2013年 04月 24日

いそうでいない

数日振りに晴れた日の午後。

自転車で駅へと向かう路上に、西日を浴びて大きな昆虫が横たわっているのが見えた。
急ブレーキをかけてよく見ると、それは大きなツチイナゴ雌だった。

ツチイナゴ雌:体長50mm
いそうでいない_a0126535_1202165.jpg


ひなたぼっこでもしていたのだろうか。こんな道路の真ん中でじっとしていたら、車に轢かれるのは
時間の問題だ。国立に越して来てからずいぶん経つが、ツチイナゴを見たのは初めてだ。

ツチイナゴは、クビキリギスと共に、成虫で越冬する大型の直翅類の一種。
クビキリギスは、鮮やかな緑色(褐色型もいるが)と、夜になると聞こえる大きな鳴き声で存在感抜
群だが、それと対照的なこの地味な色。鳴くこともないので、普通種の割に見る機会が少ない。
見つけたのは住宅地のど真ん中だったので、近くの家の庭先で越冬していたのだろうか。

ツチイナゴは昆虫図鑑では定番だが、新宿で育った子供時代には見たこともなく、大型昆虫というこ
とも相まって、憧れのバッタだった。
トンボを採りはじめてからは、春先にポイントでよく見かけるようになったが、街中では未だに殆ど
見かけたことがない。いったい、彼等はどんな場所をホームグラウンドにしているのだろう。

身近な環境に棲む虫ほど、生態は謎に包まれていると思う。

by brunneus | 2013-04-24 01:34 | 東京 | Comments(0)


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