南方遠征では、トンボ以外にも心惹かれるものがある。例えばバッタ、キリギリスなどの直翅類。
いちばんよく見かけるのがこれ。
ダイトウクダマキモドキ雄:体長約40mm
ちょっとした住宅の植え込みにも棲息し、夜に街灯に飛来する個体も多い。
今回、初めて出会ったのがこの種。
ナカオレツユムシ雌:体長約40mm
一見するとダイトウクダマキに似ているが、こうして見てみると色調や全体のフォルムがかなり異な
る。こちらのほうが緑色が鮮やかで、体型もなんとなくシャープで引き締まった印象。内地には分布
していないグループなので、密かに憧れていた種だ。今回は山あいの林道などで時々見かけた。それ
ほど珍しい種ではないようだが、今まで出会わなかったのは気付いていなかっただけなのだろうか。
そして毎度気になる存在。
オキナワキリギリス?雄:体長約50mm
今回も、海沿いの国道脇の貧相な草地から沢山鳴き声が聞かれた。図鑑によると少ない種類のような
ので、人里離れた草深い環境に棲んでいるイメージを勝手に持っている。貧相な環境に加え、僅か数
百メートルの限られた範囲でしか見られないので内地のキリギリスの逸出個体の子孫ではないかと疑
っているのだが、、。
内地産との違いは、体が大型なこと、翅が長い傾向があること、鳴き声が多少異なることくらいしか
分からない。
もっとじっくり観察したいのだが、生息地は日陰も無い灼熱地獄で、しかもポイントを移動する途中
ということもあり、今回も、もやもやは解決できなかった。
そういえば、いつもは至る所で見られるオキナワヘリグロツユムシが少なかったこと、タイワンクツ
ワムシの鳴き声が一度も聞かれなかったことが印象に残った。同じような風景でも、訪れる度に生き
物の出現状況が変化するところが、遠征が面白い一番の理由だと思う。