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トンボの日々

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2013年 09月 04日

帳消し

9月。ついにトンボのシーズンも終盤戦に入ってしまった。

8月末の悪い流れを変えるべく、多摩の谷津へマルタンを見に行く。
はるか南海の台風の影響か、森の木々は強風に揺れ、目まぐるしく変化する空からは時おり雨粒が落ち
てくる。ポイントまでは最寄り駅から徒歩40分の道のりだが、辛うじて天気は持ってくれた。

そしてポイント。有り難いことに雲の隙間から西日が射している。荷物を地面に置こうとした時、意識
が視界の隅にヤンマの影を捉えた。褐色の翅に引き締まった胴体。マルタン雄!

帳消し_a0126535_22155279.jpg


この日はこの個体を皮切りに、ひっきりなしにマルタンヤンマの雄が池の上を飛び交う大当たりの状況
となった。秋にマルタン雄がこれほど飛ぶのを見たのは10年振りだ。

大盛況のまま終了するかに思えたが、よく見ると池の背後の草地の上をヤンマとは違う黒いトンボが徘
徊している。なんだろう。あたりは既にかなり暗く、視界は殆ど効かない。明るい草地の上に飛び出し
て来た所を目がけてあてずっぽうで竿を振ると、手応えがあった。ネットの中身を見ると、なんとエゾ
トンボの雄。どうやら今年も発生していたらしい。

エゾトンボのオマケもついて、もう思い残すことはない、と帰り支度をしていると、今度は池の岸辺を
黒いヤンマが旋回している。あたりは殆ど真っ暗だ。大きさはギンヤンマやミルンヤンマと同じだが、
飛び方が違う。なんとか正体を確かめるべく竿を構えてチャンスを伺うが、なにしろ暗いので、草間の
空を背景にした瞬間を待つしかない。
そしてチャンスは来た。ギンヤンマに絡まれて、飛ぶコースが変わった瞬間に振る。快音。ネットの中
を見ると、なんとマルタンヤンマの雄だった。
これほど暗い時間帯に雄が飛ぶのは初めて経験した。個体数が多い日ならではのことなのだろう。

この日の主役たち。
上左:マルタンヤンマ雄 同右:マルタンヤンマ雌 下:エゾトンボ雄
帳消し_a0126535_22304068.jpg


久々の成果に、8月末の惨敗は文句無しの帳消しだ。

by brunneus | 2013-09-04 22:32 | 東京 | Comments(1)
Commented at 2013-09-06 02:02
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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