人気ブログランキング | 話題のタグを見る

トンボの日々

brunneus.exblog.jp
ブログトップ
2014年 09月 11日

オオルリ祭り

公共交通機関と徒歩のみという、環境に優しい採集スタイルを基本としている身には、オオルリボシヤ
ンマは、なかなか手の届かないトンボだ。
それは「駅近」のポイントが無い(知らないだけかもしれない)からで、このヤンマが好む池が山間部
に集中する関東南部では、徒歩での出会いは絶望的だ。
昨年は長野のメガネサナエの帰りに産地に寄ったが、ポイント到着が日没ぎりぎりで、辛うじて雄がひ
とつ採れただけで終わってしまった。

9月上旬。
久々にしっかりと姿を見たくなり、雨続きから晴天に変わった予報を信じて、思い切って長野の産地へ
遠征してみることにした。今回は午前中にポイントに到着する時間設定。

朝、家を出た段階では、見上げた空は低く灰色の雲がたれ込め、北風が吹いている。この時点でモチベ
ーションが下がるが、現地はきっと晴れている!と自分に言い聞かせて電車に乗る。


午前10時、ポイント着。予報は見事に外れ、東京とまったく同じ寒々とした風景が広がっていた。


オオルリ祭り_a0126535_0183578.jpg


ここは標高1000m。風景だけでなく、実際に気温が低い。ため息をつきながら池を眺めていると、
白っぽいヤンマが水面に舞い降りてきた。オオルリボシだ!
気温が低いせいか、飛び方がやけに素早い。普段なら採れる雰囲気のパターンではないので諦めるとこ
ろだが、この個体が今日最初で最後になるかもしれないので、慎重に間合いを測り、なんとか採集成功。
もう来ないだろうな、と諦めて座り込むと、視界に再び白っぽいヤンマ。また来た!
その後は、雄がぽつり、ぽつりとやってきては、忙しなく池を旋回し、時に激しく縄張り争いを演じて
いる。
この寒々とした風景に似合わない池の活況ぶりに、少し戸惑う。

11時すぎ。待望のシルエットが岸の茂みに飛び込むのが見えた。雌だ!
雌を見るのは二年振りだ。高鳴る心臓を抑えつつ、じっとチャンスを待つが、やがて雌はオニヤンマに
追われて池の外へ、、。オニヤンマに憎悪の視線を送る。
そこで足元の茂みから大きな羽音。雌?と思い覗き込んでみると、なんと草に翅を絡め取られて、オオ
ルリボシヤンマの雌がもがいていた。そして取り出して見た姿に仰天。青色型雌!!
この直後から、示し合わせたかのように次々に雌が池に飛び込んできた。竿を手に、岸辺をかけずり回
る。そしてその上を、何匹もの雄が旋回、、。

正午前後まで、どんより曇った高原の池はオオルリボシヤンマのお祭りと化していた。

オオルリ祭り_a0126535_0353611.jpg

上:オオルリボシヤンマ雄 中:同通常型雌 下:同青型雌

そういえば今年は撮影用に青型雌を狙いたい、、とは考えていたが、ポイントは車必須の場所なので諦
めていた。青型雌はもちろん、雌を手にすること自体、二年振りだ。

8月下旬以来の低温悪天に悩まされ続けていたが、ようやくスカッとする採集結果を手にすることがで
き、非常に満足。

by brunneus | 2014-09-11 00:47 | 長野 | Comments(0)


<< 金緑色・仕上げ      赤・青・緑 >>