徳島に行ってきた。
もちろん狙いはミナミヤンマだが、そうそう仕事を休めるわけではないので、日帰りの強行スケジュー
ル。梅雨まっただ中だけに、天気の動向には神経を使う。前日までぎりぎり様子を見て、当日の晴れマ
ークを確認してゴーサイン。
しかし現地に着くと、待っていたのはこんな風景。
これは反則だ。不運としか言いようがない。それでも希望は捨てずに歩き回るが、飛ぶのはウスバキト
ンボばかりで、大型のトンボのシルエットは皆無。
歩き始めて30分。突然頭上をミナミヤンマの雌が狂ったように舞い始めた。薄暗い背景に紛れたシル
エットに翻弄され、結局外す。
これから天候が回復すればチャンスはまだまだあるはず、、、と希望を捨てずに探索を続けるが、天候
は悪化の一途。ミナミヤンマの姿さえ拝めずに無念の時間切れとなった。
せめてご当地のトンボを、とシコクトゲオトンボを求めて沢に入るが、姿は無い。泣きそうな心境で最
後に訪れた沢で、やっと手にすることができた。
シコクトゲオトンボ 左:雄 右:雌
このトンボがいたのはこんな環境。
当初はやみくもに沢に入っていたが、この写真の向かって左側、本流に向かって流れ込む僅かに水が流
れる支流の周辺に限って、高密度で見られた。そういう生態なのか、それとも時間帯によるものなのだ
ろうか。
写真では明るいが、曇天のせいもあり、実際は懐中電灯が必要なほど暗かった。闇の中を音もなく舞う
真っ黒いトンボは、どこか不気味で、どこか神秘的。
手にしてまず眺めたのは顔面。
この南国情緒溢れる赤が見たかったのだ。
二頭のカモシカに突進されたり、耳元でキュウシュウジカ叫にばれて肝を冷やしたりと面白い経験もし
たが、やはりミナミヤンマを手に出来なかったことが悔やまれる。
10年前に高知に通っていた頃のように、5日くらい滞在しないと結果は出せないのかもしれない。
上半期のシーズンに溜め込んだ運(そのうちの半分は実力不足なのだが)が、これから一気に爆発する
ことを祈ろう。