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トンボの日々

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2016年 04月 24日

ご当地2種

今回の遠征も、基本的には悪天候の中での探索だった。
そうなることを予測して、林道を歩きながら、あるトンボを探した。林道の斜面に流れ込む、名もなき
小さな沢。沢というより、斜面から水が滴り落ちている、という程度の流れ。周囲は深い樹林に覆われ、
流れの上は薄暗く、真昼でも懐中電灯で照らさないと良く見えない。足元に潜むハブやヒメハブの存在
に怯えながら、おそるおそる踏み込む。
何本目かの流れで、ようやく足元に目的のトンボを発見。

ご当地2種_a0126535_1841124.jpg

ヤンバルトゲオトンボ雄

ヤンバルトゲオトンボ、で合っていると思うが、自信はない。
探索した谷は、オキナワトゲオトンボとヤンバルトゲオトンボの混生地帯なのだが、採集した地点がヤ
ンバルトゲオの記録地にあたること、雄の翅端の褐色斑が薄いこと、腹端の「刺」が直立気味、という
点を総合して、「ヤンバル」とした。
今回はこの個体以外に見つけることはできなかったが、真っ暗な沢奥深くに踏み込む勇気と体力が無か
った、ということもある。
山原通いを始めて随分経つが、時期を外していたり、真剣に探さなかったりで、実は山原でトゲオトン
ボを手にするのはこれが初めてだ。

二日目。
奇跡的に太陽が顔を出した時間帯に別の谷の林道を歩いていると、後方からすーっと頭上を中型トンボ
が飛んで来て、すぐ先の葉に止まった。真下から慎重にアプローチし、一気に竿を振る。ネットの中に
は懐かしい姿。

ご当地2種_a0126535_1815113.jpg

オキナワサナエ雄

こちらは日差しが絶対的に必要なトンボだ。
最後にオキナワサナエを手にしたのは2013年。オキナワミナミヤンマを狙って訪れた谷間の空き地
で、偶然飛来した老熟個体だった。黄色が鮮やかな未熟個体を見たのはさらにその前。もう憶えていな
い。

山原のご当地トンボ2種。それにオキナワコヤマトンボが加わればもう言うことはないのだが、決定的
チャンスを外したきり、出会いがなかった。贅沢は言うな、ということかもしれない。

初夏の日差しを浴びて、亜熱帯の森を探索できただけでも有り難い、と思うことにしよう。









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by brunneus | 2016-04-24 18:27 | 沖縄 | Comments(0)


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