オオヤマトンボは、北は北海道、南は八重山まで分布するポピュラーなトンボだ。
トンボを始めた頃は行く先々で見かけるので、極普通種という印象だったが、近年あまりその姿を見か
けなくなったのは気のせいだろうか。
昨年の南方遠征では多くの個体を見た。偶然雌も手にできたので、内地産と比べてみる。
左:八重山産 右:山梨産
こうして見ると、八重山産の雌は黄色斑の発達が顕著で、どこかキイロヤマトンボを彷彿とさせる。
「南下するにつれて淡色部が拡大する」という傾向は、他にオニヤンマやヤブヤンマ、オオシオカラトン
ボ、トンボ以外ではナガサキアゲハが有名だが、種を越えたこの変化は、何か共通の秘密が隠されてい
るような気がしてならない。
南国に住む人間が明るく派手な色を好む傾向がある、ということと強引に結びつけ、人間の人種という
概念を昆虫に当てはめてみたり。
妄想は果てしなく続く。
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