前日の疲れがなかなか取れない。かといってこの時期、好天日に家で燻るのも罪だ。
というわけで、午後から近場のムカシトンボのポイントへ。
このポイントはトンボを始めた年から通い続けている、自分にとってクラシックな場所だ。主に成熟個
体を狙う時に使うポイントで、経験から雄が頻繁に探雌し、かつ立ち回りがしやすい場所に陣取り、ひ
たすら待つ、というスタイル。
この日も、さほど多くはなかったが、ぽつぽつと下流からゆっくりと接近する雄が見られた。岸辺の茂
みを覗き込みながら足元に近づく雄を待つ時の緊張感が、何とも言えず心地よい。
ここの雄は基本的には流れに沿って通過するパターンだが、小さな滝が落ち込む淀みの上をしつこく旋
回する雄も二例見られた。初めて見る行動だ。
午後2時半、納竿。
残念ながら狙っていた雌の産卵には出くわさなかったが、短時間ではあるが「昔ながら」の採集を楽し
んだ。
帰り際、道脇に立つスギの木の皮が何となく気になったので、めくってみると、久々の顔。
スギカミキリ雄。まさかこの時期、この場所で出会えるとは。
手にしたムカシトンボ雄。すっかり成熟し、翅や外殻もしっかりしている。
そして何より成熟の証である、銀色に輝く複眼。他のトンボには見られない、不思議な色彩だ。いつ見
ても飽きることがない。
ウェブ上ではちらほらクロスジギンヤンマが池に戻り始めた記事が上がっている。
次はクロスジギンが飛ぶ、あの場所に行ってみよう。
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