さらに現実逃避。
トンボ屋に、「いちばん好きなトンボは?」というベタな質問を投げかけた場合、
西日本の多くの人は「マルタンヤンマ雄」、
東日本の多くの人は「マダラヤンマ雄」
と答えるに違いない。
、、と思われるほど、このヤンマは人気が高い。
マダラヤンマ雄
さらに、素早く飛び回る種が多いヤンマ科の中で、目の前でサービス満点でホバリングしてくれる、
というから、なおさらだ。
ナイスガイでお人好し、さらに希少性、という3拍子揃った、完璧なキャラクターのヤンマなのだ。
このヤンマは発生期が遅く、8月中旬になってやっと羽化が見られるという。
秋に見られるトンボは、夏もしくは初夏から継続して羽化したものの生き残りであることが多いが、
マダラヤンマは、晩夏に羽化し、秋に発生のピークを迎える、純然たる「秋のトンボ」だ。
秋晴れの日。秋風吹く、黄金色に輝く田園の中の池で、ひっそりと飛ぶ。
こんなとき、黄色く枯れたアシと、腹部の瑠璃色の対比がひときわ美しく映える。
毎年秋になると目に焼き付くシーンだ。
トンボシーズンの幕引きのクライマックスと言えるこのヤンマ、今年はなかなか都合がつかず、
10月に入ってから強引にチャンスを作ったが、とても数が少なく、消化不良に終わった。
あと一回の最後のチャンス。なんとか良い結果を出したい。