トンボの日々

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カテゴリ:関東( 11 )


2014年 10月 13日

また発見

相変わらずルリボシヤンマ雌を求めて、山沿いを徘徊している。その過程で出会った外道2種。

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左:カトリヤンマ雄 右:タカネトンボ雄

カトリヤンマはまだシーズン真っ盛りだが、タカネトンボはもう終盤。10月中旬に姿を見ることは少
ない。この個体は遅い時期の自己記録更新だ。



ところで、採集したカトリヤンマを見ていて、あることに気付いた。それは翅胸側面後端の部分。

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左:カトリヤンマ雄 右:リュウキュウカトリヤンマ雄

画像の黒い矢印部分に、リュウキュウカトリヤンマと同じような青色斑があるのを見つけたのだ。同じ
産地で採った別個体にも、この青色斑があった。そこで夏に北関東で採集した個体を調べてみると、一
面緑色で青色斑はない。
初めての八重山採集行でのこと。黄昏の森でリュウキュウカトリを手にした時、翅胸後端の青色班が輝
くように見えて、強烈に印象に残っていた。それ以来、「翅胸の青色斑」はリュウキュウカトリの専売
特許だと思っていたのだ。

カトリヤンマとの付き合いは13年になるが、このヤンマの雄の翅胸にも青色班があることに気付かな
かった。成熟過程で発現するものなのか、産地による変異なのか、あるいは単純に個体変異の範疇なの
か、、。再びカトリに出会ったら、翅胸を調べてみようと思う。

こういう小さな発見は、友人や恋人の知られざる一面を見つけた時の気持ちにも似て、嬉しくなる。
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by brunneus | 2014-10-13 14:41 | 関東 | Comments(0)
2014年 10月 04日

追い込まれている

ここ最近は、ルリボシヤンマの雌を求めて埼玉や都内の産地を巡っている。しかし、出会うのはくたび
れた雄ばかりで、雌の気配さえない。
かつて頼りにしていた埼玉の産地は、何故か数年前からルリボシヤンマが激減している。こうなってし
まうと、単発的に採集経験がある産地を巡回するしかないのだが、このヤンマは低地においては放浪癖
が強いので、いつもいるわけではないのだ。昨シーズンも一匹の雌を手にするまで散々苦労させられた。

ルリボシのシーズンは残り僅か。やはり「本場」に行くしかないのか、、。
だんだん追い込まれてきた。

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by brunneus | 2014-10-04 02:15 | 関東 | Comments(0)
2014年 08月 28日

晩夏の金緑色

エゾトンボ採集行のあと、次なるターゲットであるハネビロエゾトンボを狙うべく、天気予報を睨みな
がら、チャンスを伺っていた。
8月下旬のある日。まんまと休日に晴天が重なったので、早起きをして電車に飛び乗った。

ハネビロエゾのポイントは基本的に木陰なので涼しいのだが、そこまでのアプローチが灼熱地獄だ。遮
るものが無い、どこまでも続く道をひたすら日差しに耐えながら歩く。道脇の灌木で喚き立てるアブラ
ゼミがいっそう息苦しい気持ちにさせる。乾いた道を砂埃を上げて走り去るトラック。こんな地域にほ
んとうに涼やかな流水があるのか、と疑わしい気持ちになってしまう。

とはいうものの、この灼熱ゾーンは時間にすると20分程度。しかし実際に歩いている時は永遠に続く
と思われるほど、辛い。

午前10時半。ポイント着。滝のように流れる汗をぬぐいつつ、あたりを見回すと、さっそく流れの上
を飛び去る黒いシルエットを発見。周囲を歩くと、あちこちで縄張りを張る雄が見られた。今年も発生
は順調のようだ。
いくつか雄を採ったあとは、雌を迎え入れる準備。雌が産卵しそうな苔むした石の前に陣取り、やって
くる雄を追い払いながら雌を待つ。

午前10時54分。足元をホバリングする個体がいたので、またいつの間に雄が、、と追い払いがてら
ネットに入れると、違和感を感じた。よく見ると腹の先端に突起!
危うく逃がすところだった。

それ以降は、待てども雌は来ない。昼頃に同業者と思われる人物がやってきたので、ポイントを譲って
終了。
帰りはいつもチェックするカトリヤンマのポイントへ。薄暗い道沿いの竹やぶをネットで軽く叩くと、
次々にヤンマが飛び出してくる。その中から雌と思われるものをピックアップ。

午後1時半のバスに乗り、夕方前には帰宅した。


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ハネビロエゾトンボ 左/雄:体長57mm 右/雌:体長59mm

雄雌どちらもそろそろ老熟期にさしかかる頃だろうか。雄は翅が欠けた個体が多かった。
いつ見ても雌の腹端の突起(産卵弁)は異形だ。こんなに長くする必要はあるのだろうか。

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カトリヤンマ 左/雄:体長70mm 右/雌:体長72mm

この時期にカトリの雌を狙う理由は、腹端の尾毛が完全な個体がいるからだ。9月に入り、繁殖期を迎
えた雌はもれなく尾毛が欠損している。これは産卵時に尾毛が泥に擦れてしまうからだが、未熟でもな
く、成熟したての個体が多いこの時期限定のターゲットなのだ。


最後の金緑色はタカネトンボだが、ここ数日の関東は、低温で梅雨のような天気が続いている。予報に
よれば、次の晴れ間は9月。夏は尻すぼみに終わってしまったようだ。
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by brunneus | 2014-08-28 15:36 | 関東 | Comments(0)
2014年 08月 05日

ぎりぎりセーフ

意識は関東と南方を行き来している。

昨日。
次の休みの天気が芳しくない予報なので、北関東に金緑色のトンボを狙いに行ってきた。
そのトンボの産地は、自宅から片道4時間。朝が弱い自分としては、とてもじゃないが午前中にポイン
ト着などできない。雄ははなから諦め、雌狙いと決めて、午後にポイント入りするようにしている。

ポイント到着が午後2時半。
西に傾いた太陽が強烈に身体を刺す。こんな時は、雌は風通しが良い木陰を飛ぶのだ。過去の経験から
ここぞという場所に腰を据えて、頭上に特徴的なシルエットが飛来するのを待つ。
しかしいつまで経っても姿は見えない。時刻はもう16時近い。この場所の賞味期限は過ぎてしまった
ようだ。
太陽が水平線に近づくと、雌は開放的な空間に躍り出て旋回するようになる。そんなポイントを巡るの
だが、やはり雌の姿は無し。

時刻は16時半。今日のタイムリミットは17時。このまま虚しく終わるのだろうか、、という思いを
押し殺しつつ、雌は飛ぶと信じて歩き回る。
もうひと回りしたら終わりにしよう、と湿地の脇に立つと、すぐ頭上に西日に輝く翅を発見!不安定な
飛び方だが、呼吸を整え竿を振る。快音!

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エゾトンボ雌:体長67mm

この後も連続して雌に鉢合わせ、時間ぎりぎりで駅へと急いだのだった。

いつもと違う雌の飛翔パターンに翻弄された一日だったが、真夏の金緑色1種目を無事手にすることが
でき、満足!
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by brunneus | 2014-08-05 01:40 | 関東 | Comments(0)
2014年 07月 30日

黄昏2014

南方から帰ってくると、関東はいつの間にか夏になっている。

毎年7月の採集回数が少ないのは、南方の余韻で放心状態になってしまうからだ。今年も、その放心か
らやっと目が覚めて、気付けば7月末。今年こそは新鮮な黄昏ヤンマを、と狙っていたのだが、既に老
熟期。

まず向かったのは馴染みのマルタンヤンマの産地だが、マルタンの数は少なく、沢山いるはずのコシボ
ソヤンマを全く見ず、というまさかのオチだった。
別の日、千葉のネアカヨシヤンマは、まずまず飛び、久々の頭上群飛を楽しむことができた。しかしこ
の日は何故か高い所ばかり飛び、数の割には採集数は少ない。

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左:マルタンヤンマ雄 右:ネアカヨシヤンマ雄

何はともあれ、この2種のヤンマを見て、やっと夏を実感することができた。
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by brunneus | 2014-07-30 23:37 | 関東 | Comments(0)
2012年 08月 29日

金緑色2012

ようやく金緑色のトンボが揃った。

左上:エゾトンボ雄/下:同雌
中上:ハネビロエゾトンボ雄/下:同雌
右上:タカネトンボ雄/下:同雌
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全身が金緑色で殆ど斑紋がなく、大きさも揃ったこのグループは
他のトンボとは一線を画す独特の雰囲気を醸し出している。

まだトンボを始めていなかった頃。
トンボと言えばシオカラトンボやアカトンボ、そしてオニヤンマの模様しか知らなかった
当時の自分にとって、図鑑で見たメタリックグリーン一色のトンボ類はとても新鮮だった。

そしてトンボを始めて時間が経ち、
知識も増えた現在では当時のような新鮮さを感じることはもうないが、
夏と秋の境目に出現するこのグループは、
自分にとって季節の移りかわりを実感させてくれる大切な存在となった。

今年もエゾトンボ、ハネビロエゾトンボ、タカネトンボと一通り揃ったところで、
秋を迎える心の準備が整った。

つい先日、エゾトンボに関する自己新発見をしたばかりなので、
まだまだ引きずられそうだが、、、。

その向こうにマダラヤンマの気配を感じ始めている。
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by brunneus | 2012-08-29 01:06 | 関東 | Comments(2)
2011年 10月 19日

茜その2

ノシメトンボは、都心部ではあまり見かけないが、
ちょっと郊外の田園地帯に行くと、いくらでも飛んでいる。
鳥でいうとホオジロのような存在かもしれない。

数は多いがどんな水辺にもいるわけではなく、
挺水植物が繁茂した、明るい池に多いようだ。
マダラヤンマの産地に行くと、それこそ無数にいる。

ノシメトンボ雄:体長45mm
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翅の先に黒斑がある以外はこれといって特徴のない、とても地味なトンボだ。
地味な上に数が多いので、どうしても手にする気持ちが起きないのだが、
得てしてそういう種ほど、じっくり細部を観察すると、意外な発見があるものだ。
このトンボの場合は、腹部の斑紋の形が他にはあまりない感じで面白い。

今が旬のアカネはキトンボだが、まだ今年は行けていない。
ネキトンボ、カトリヤンマがいるうちにとは思っているが、
なかなかチャンスがない、、、。
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by brunneus | 2011-10-19 12:22 | 関東 | Comments(2)
2011年 10月 17日

茜その1

秋が深まると、大型のトンボは次第に姿を消し、
水辺はアカネ類が主体の小さなトンボの世界となる。

そんななかで、ひと際目を引くのがこのアカネ。

マイコアカネ雄:体長35mm
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関東周辺のアカネ類の中ではかなり少ない部類に入る種。
ガマやアシが一面に生えた、広々とした池を住処とするからだろう。
そんな環境は関東ではごく限られている。
マダラヤンマやネアカヨシヤンマの産地と重なることも多い。

「マイコ」の由来は「舞妓」から。
どこが舞妓なのかというと、顔前面の青緑色の部分。
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命名者は、この青緑色を、舞妓の首筋の色に例えたのだという。
すごい妄想力。
代わりばえしないアカネ類の中で、顔面の青緑色の涼やかなスポットは、
小粋なアクセントとなっている。

ひと夏楽しませてもらったヤンマ類の代わりに、
小さなトンボ達に癒されながら、シーズンの終わりを受け入れる。
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by brunneus | 2011-10-17 14:38 | 関東 | Comments(0)
2009年 10月 14日

カトリの秋

カトリヤンマは、浅い池や水生植物に覆われてほとんど水が無いような湿地に棲む。

無農薬の山沿いの田んぼなどは格好の生息地で、アキアカネと共に田んぼの耕作リズム
をうまく利用し、繁栄してきたトンボだ。
しかし、そんな環境など望むべくもない東京都内では、棲息は風前の灯火、といった状況。
唯一の多産地であった武蔵村山市の都立公園の田んぼ(厳重に管理されていて、「大人」の昆虫採集は禁止)
では、みたところ今年は激減している模様。今後の推移が心配だ。

そんなカトリヤンマは、7月下旬に羽化し、遅い年は、11月まで見られることがある。
他のトンボが次々に息絶える中、紅葉の谷津を元気に飛び回るタフなヤンマだ。
性的に未熟な時は鬱蒼とした森林内でひっそりと過ごすが、初秋に成熟すると一転、
明るい空間に飛び出してくる。

こんな生態から、カトリヤンマは「秋のヤンマ」というイメージがある。

10月に入ると、さすがに秋のヤンマも、だいぶくたびれてくる。特に雌は繁茂した植物の
中に潜り込んで産卵するので、翅がすり切れやすい。

下の2枚の写真。
上が8月のもの。
下が10月のもの。
同じ種とは思えない、、。

カトリヤンマ雌:茨城県産:体長70mm前後
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カトリヤンマ雌:長野県産:体長65mm前後
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しかし、このボロボロにすり切れた翅も、なんとも味わいがある。
昆虫の標本は、脚が欠けていたり、翅が破れていると、B級品と見なされ価値が急落する。
だが僕は、(自然に欠落したものであれば)欠損は否定しない。
なぜなら、それはその個体の生きてきた中での、行動の軌跡だからだ。
産卵で翅がすり切れることもある。
雄同士の闘争で翅がすり切れることもある。
あるいは、鳥に摘まれて翅が破れ、危うく逃げのびたのかもしれない。

僕のトンボ標本の制作テーマである、「物語」を感じるのだ。

写真の翅がすり切れた雌は、どんな物語を持っているのだろうか。
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by brunneus | 2009-10-14 12:11 | 関東 | Comments(0)
2009年 10月 12日

北関東の小物

先日の写真から。

コバネアオイトトンボ雄。
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一見すると、普通のアオイトトンボと瓜二つだが、
・体に対して翅が短い(気がする、、、)
・側面から見て、胸部の金緑色の部分が上に後退している
・全体に小柄
・雄は成熟しても胸部に白粉を吹かない
ことが区別点とされる。

ちょっと綺麗なイトトンボ、くらいの存在感しかないが、
これが各県のレッドデータブックに掲載されるほど、稀なトンボなのだ。
産地に行けば沢山いるのだが、その産地が少ない。
一説によると、雌の産卵管が短く弱く、あまり固い茎の植物には産卵できないのだという。
なので、産地は柔らかい組織を持った、特定の挺水植物が不可欠となる。

肉食であるトンボは草食昆虫と比べて植物との関わりは薄いが、
(そのおかげで食草などを暗記しなくて良いので楽、、)
中にはこんな例外的な存在もいるのだ。
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by brunneus | 2009-10-12 14:55 | 関東 | Comments(4)