トンボの日々

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カテゴリ:東京( 152 )


2017年 10月 11日

秋色

10月に入ると関東では気温が下がり、季節が一気に進んだようだ。街路樹で鳴くアオマツムシの声も
弱々しく、たまに聴こえるアブラゼミの鳴き声は息も絶え絶え。生命の気配が日一日と少なくなってい
く。
前回の訪問から一ヶ月。ようやく気温が上がったある日、「あの音」を聞きたくなって、都内近場のル
リボシヤンマのポイントへ向かった。

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山里の柿はすっかり色づいている。

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虫の世界もすっかり秋色。

ポイントに到着すると、静かに岸辺を歩きながら、耳を澄ます。
一周目。反応なし。一ヶ月前にあれだけ沢山いたタカネトンボは、影も形もない。
二周目。足元から「かさっ」という音。これだ。
動きを止めて待つと、水草の茂みから赤茶色のヤンマが飛び出してきた。しばらくあたりを警戒してホ
バリングするが、やがてまた近くの茂みへと降下してゆく。しっかりと着地点を見届けてから、そっと
ネットを被せる。ルリボシヤンマ雌。

三周目。池の奥の日だまりを中型ヤンマが飛び回っている。ルリボシヤンマより小型だ。不規則に飛ぶ
ので翻弄されるが、さっと振ったネットに偶然入った。このポイントの定番、ミルンヤンマ雄。

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その後も、ルリボシヤンマ雄のパトロールと雌の産卵を確認。ルリボシヤンマは最後の活動ピークに入
っているようだ。
正味一時間と少ししか滞在できなかったが、秋の里山のトンボを充分に味わえて、とても満足。

今週末から一気に気温が下がり、天気も下り坂の予報。ルリボシヤンマは、これが見納めになるかもし
れない。






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by brunneus | 2017-10-11 12:22 | 東京 | Comments(0)
2017年 09月 10日

里山のルリボシ

昨年出会った方から教えて頂いた、都内のルリボシヤンマポイント。
ここはルリボシ雌の産卵が毎回見られる貴重な場所で、ルリボシ以外にもタカネトンボの個体数が多く、
訪れる度に雌の産卵を見ている。そしてここが個人的に最重要なのだが、ルリボシヤンマに付き物の苦
しいアクセスが無く、さほど汗をかかず、その後の仕事にも影響が少ないので大変重宝している。

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周囲は里山の雰囲気が色濃く残る場所で、まだテレビが無かった時代、こうした風景の中のあちこちに
小池があり、ルリボシヤンマたちも沢山飛び交っていたのだろう。
この場所は典型的なルリボシヤンマの環境なのだが、一度だけ、オオルリボシヤンマの雌を手にした。
雄は一度も見たことが無いのだが、この雌はどこからやってきたのだろうか。


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左:ルリボシヤンマ雌 右:オオルリボシヤンマ雌

実は都内でオオルリボシの雌を採ったのは初めてだ。放浪癖があるこのヤンマの、都内での安定した産
地をまだ知らない。細切れの情報を手にそれらしきポイントを訪れても、いつも空振り。要は相性が合
わないのだ。

足元の草からパッと飛び出してきてホバリングする雌を凝視しながら、間合いを計る。
静かな秋の風景の中の一瞬の緊張を味わいたくて、つい足が向いてしまう。







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by brunneus | 2017-09-10 11:45 | 東京 | Comments(0)
2017年 09月 01日

府中のコモンヒメハネビロトンボ

今日。
用事のついでにふらりと訪れた都内、府中市の公園。群れ飛ぶウスバキトンボの中に、妙に黒っぽい個
体が混じっているのに気付いた。
眺めていると、そのトンボはふわりと上昇し、頭上の枝に水平に静止。ウスバキトンボは斜め懸垂で静
止するはずだ。この時点で怪しさ百倍。急いで持ち歩いているコンデジを取り出して撮影。


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シルエットはハネビロトンボ系だが、特徴である後翅の褐色斑が見当たらない。
しかし、よく目を凝らしてみると、後翅の付け根に僅かに斑紋があるのが確認できた。

トンボ採りに来ているわけではないので、当然ネットなど持っていない。
せめて証拠写真でも、、と苦労して色彩が分かる角度に移動。


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これで確定。
国内では沖縄諸島以内に分布する、コモンヒメハネビロトンボだ。
腹部が橙色に見えたのと、膨らんだ腹端の形から、雌だと思われる。見られたのはこんな環境。


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典型的な都市公園の人工池だが、ハネビロトンボ類が好みそうな藻類が繁茂している。
もっと良い位置で、、とやきもきしながら見ていると、コモンヒメハネビロはついっと上昇し、ケヤキ
の梢に消えてしまった。

小笠原付近をうろうろしている台風の南風が運び込んだのだろうか。それにしても、ネットを持ってい
なかったのが悔やまれる。
カメラを持っていただけ良かった、と思うことにしよう。







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by brunneus | 2017-09-01 23:59 | 東京 | Comments(0)
2017年 08月 01日

オナガの夏

南の島から戻ると、関東に夏が来ていた。

7月中旬。
昨年見つけた八王子のルリボシヤンマの池が気になったので、仕事帰りに寄ってみた。ヤブヤンマ、マ
ルタンヤンマを期待したのだが、その姿は皆無。しょぼくれて帰り道を歩いていると、周辺視野が何か
を捉えた。道脇の塀の上を見ると、いた。

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こんなところにオナガサナエ雌。時刻は日没後の薄暗い時間帯だ。眠っているのか、手を近づけても反
応はない。

そして翌日。
八王子で仕事を終え、バスに乗ろうとすると、再び周辺視野が何かに反応。近づくと、西日を受けた地
面に再びオナガサナエ雌。

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上が塀の上にいた雌、下が職場にいた雌。下の雌は羽化してまもない個体で、胴体や翅の黄色が眩しい。
この他にも、6月下旬に自宅近くの路上を低空飛行するオナガサナエの雌を目撃している。

昨年あれだけオナガ雌!オナガ雌!と騒いでいたのだが、出会いなんてこんなものだ。探していない時
に、目の前に現れる。
いずれの個体も多摩川中流由来のものだろう。発生数が増えたのか、気候が原因しているのか、、。
その答えをオナガサナエに聞いてみたい。






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by brunneus | 2017-08-01 22:47 | 東京 | Comments(0)
2017年 06月 01日

カミキリの日

ここ数週間、休みの日に限って狙い撃ちで悪天になる、というサイクルが続いている。そのおかげで未
だに春のトンボを満足に見ていない。

今日も悪天予報だったので寝坊を決め込んでいたのだが、昼に起きると窓から日差しが、、。
急いで支度をし、消化不良のムカシヤンマの谷津へ。
到着が14時半になってしまったが、到着を待っていたかのように頭上を黒い雲が覆い始める。ムカシ
ヤンマが一向に現れないので、視線を変えて、他の虫探し。

トンボとは対照的に、倒木の上は春のカミキリたちで賑わっていた。
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上左:シラホシカミキリ 上右:エグリトラカミキリ 下左:シラケトラカミキリ
下右:キスジトラカミキリ

シラホシカミキリは6、7年前に千葉の谷津で手にした以来だ。この場所にもいたのはちょっと意外。
ムカシヤンマは、雄1匹を見た所で雨が降ってきてあえなく終了。

もう今年はムカシヤンマの雌を諦めるしかなさそうだ。









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by brunneus | 2017-06-01 23:18 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 25日

ついてない

午後から天気が崩れる、という休日。午前中の短時間だけ、ムカシヤンマの谷津へ。

天候の進行が予報より早く、到着時には既に曇って気温が下がっていたが、ムカシヤンマは今年も姿
を見せてくれた。天候の影響で活性は低く、姿を見せる個体はまばら。これでは雌は望むべくもない
か、、と諦めていたが、静止する雄を撮影しようと近づくとぱっと飛び、なんとすぐ先に静止してい
た雌を捉えて空高く舞い上がっていった。いつのまに雌が、、。

心を落ち着かせるために周辺を歩き回ると、今度は中型のトンボが草むらをゆっくり飛ぶ。サナエ、、
いや、サラサヤンマ雌!慌てて駆けつけると、雌は気配を察知したのか突如飛ぶスピードが上がり、
ネットを振るがあとの祭り。

この時期手にしたかったサラサ雌とムカシヤンマ雌を連続して採り逃がすという失態。
まったくついてない。

気晴らしに近くの池へ行くと、アオヤンマと共に都内で分布拡大中のヨツボシトンボで大賑わい。
ここでも年々増えているようだ。

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書きたくもないので敢えてここでは書いていないが、狙いのトンボを手にする数と同じくらい、あるい
はそれ以上の失敗がある。だらだらと17年もトンボを追っているが、技術的進歩は未だ無し。採集に成
功した時より、大チャンスを逃した時のことの方を鮮明に覚えているのは、性格が後ろ向きだからかも
しれない。

何はともあれ、ここ数年のヨツボシトンボの増加現象。個人的には生息環境が似ているアオヤンマの増
加と関係があると思っているのだが、果たして真相は、、。








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by brunneus | 2017-05-25 23:30 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 19日

バランス

関東南部では、近年アオヤンマが幅を利かせている。

アオヤンマと言えば、15年前は利根川下流域まではるばる出向いて採っていたものだ。ちなみにかつて
の産地は現在では環境が改変され、アオヤンマは見る影もない。
しかしここ数年、ウェブ上で既存産地以外とおぼしき場所で撮影されたと思われる記事が散見され始め
た。個人でも、3年前に埼玉で自己初確認の産地を見つけている。

アオヤンマは身近なヤンマになりつつあるのだろうか?

「さらに近場」をキーワードに、昨年から暇さえあれば自宅からアクセスしやすい埼玉南部の新産地を求
めて、Googleマップを舐め回していた。
いっぽう、昨年秋から今年にかけて、異なる同好者からアオヤンマに関する興味深い情報を得た。それ
は埼玉とは全く異なる、意表を突いた場所。もしその情報が事実なら是非見てみたい、とシーズンを心
待ちにしていた。


そして昨日。
貴重な一日休みだが、生憎予報は不安定。僅かな晴れ間に期待しつつ、折りたたみ傘をリュックに忍ば
せ家を出た。
ポイントまでのアプローチは、排気ガスにまみれた無味乾燥な建物が延々と続き、とてもその先にアオ
ヤンマが棲む瑞々しい水辺があることが想像できない。

そして到着。  
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いかにも怪しげな雲が頭上に迫るが、環境は素晴らしい。
待つことしばし。雲の合間から強烈な日差しが注いできた。まず姿を現したのは褐色の小さなトンボ。
すぐには脳内で種類を照合できない。近付いて見ると、噂に聞く、あのトンボだ。

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北のトンボの代名詞が、こんな所にいるとは、、。
そして視界を横切る緑色の影、、。

気がつくと、岸辺を沢山のアオヤンマが飛び交う素晴らしい光景が広がっていた。
しかし再び頭上を雲が覆うと、今までの賑わいが嘘のように、視界からトンボの姿が消え去ってしまっ
た。そしてそれを待っていたかのように、雷鳴と土砂降りがいちどにやってきたので退散。

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手にした個体は概ね青緑色に成熟していたが、成熟手前の黄色味を残すものもちらほら。

ここ数年は時期やタイミングを外していたので、アオヤンマが飛び交う光景を見たのは久々だ。
それにしても、コンクリートと排気ガスを飛び越えて一番最初にこの地に棲みついた個体は、一体どこ
からやってきたのだろう。

「トンボが減った」という声があちこちで聞かれるが、その陰でこうして勢力を増しているトンボもいる
わけだ。自然は、絶妙なバランス感覚で移ろっている。









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by brunneus | 2017-05-19 11:57 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 12日

予想外

八王子の職場はなかなか良い虫の棲みかで、それがまた日常の密かな愉しみになっている。

4月下旬。
昼食を終えて仕事場へと戻る途中、同僚から何かを手渡された。それは小さな昆虫のようだったが、手
の中を覗き込んだ瞬間に、思わず「あっ」と声を上げてしまった。

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フチグロヤツボシカミキリ

眩しい新緑を身に纏ったような、素晴らしい金属光沢。
トホシカミキリ類では以前に一度だけ、ヨツキボシカミキリを拾ったことがあり、それ以来、頭の中に
何となくヨツキボシカミキリを描きながら注意して歩いてはいたが、まさかフチグロヤツボシカミキリ
に化けるとは思ってもみなかった。
ホストはホオノキらしいが、確かに同僚に手渡された場所の脇にホオノキの小さな群落がある。

フチグロヤツボシカミキリは、山間部のホオノキにいるらしいことは知っていたが、ホオノキが生える
山なぞ知るよしもないので、自分にとって遠い存在だった。
それがこんなに身近な場所で手にすることになるとは、まさに予想外の展開。

あの日以来、出勤するたびにホオノキを穴が開くほど眺めているが、まだ2頭目には出会えていない。
これからは、トンボ採りで出向いた先々で、ホオノキを探すことになりそうだ。




 
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by brunneus | 2017-05-12 21:54 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 07日

普通種なんだけど、、

狭い環境を好み、かつ移動力に長けたクロスジギンヤンマは、都市に順応したヤンマだ。しかし採集と
なると、なかなか難易度が高い。

気軽に足を運べる都市公園の池にも、もれなくこのヤンマがいるが、そこは大抵近隣住民の憩いの場と
なっている。写真撮影ならまだしも、竿と大口径のネットを振り回せる雰囲気ではないのだ。

この雌も、つい先日訪れた池で撮影したもの。

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こちらが手も足も出せないのを知ってのことか?大勢の来園者が歩き回る中、悠々と産卵に勤しんでい
た。そしてそのあと、池に侵入してきた雄に捕まり、見せつけるように目の前をぐぐるぐると旋回した
あと、頭上の枝に静止。距離が遠かったので撮影は出来なかったが、クロスジギンヤンマの交尾などそ
うそう見られるものではない。チャンスというのは、それが活かせない時に限って訪れるものだ。

下の雌は、別の場所で手にしたもの。心の眼で見ると、腹部の斑紋がうっすら青味を帯びているように
見えてしまうが、まあ通常型の範疇だろう。

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クロスジギンヤンマの雄型雌など夢のまた夢。出会える時はくるのだろうか。左の雄は成熟したばかり
で、今が一番色鮮やかな時。いまひとつクロスジギンの雄には食指が動かないのだが、この時期の新鮮
な雄は、毎年ひとつは手にしている。

いよいよフィールドが賑やかになってきた。





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by brunneus | 2017-05-07 22:50 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 04日

クラシック

前日の疲れがなかなか取れない。かといってこの時期、好天日に家で燻るのも罪だ。
というわけで、午後から近場のムカシトンボのポイントへ。

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このポイントはトンボを始めた年から通い続けている、自分にとってクラシックな場所だ。主に成熟個
体を狙う時に使うポイントで、経験から雄が頻繁に探雌し、かつ立ち回りがしやすい場所に陣取り、ひ
たすら待つ、というスタイル。

この日も、さほど多くはなかったが、ぽつぽつと下流からゆっくりと接近する雄が見られた。岸辺の茂
みを覗き込みながら足元に近づく雄を待つ時の緊張感が、何とも言えず心地よい。
ここの雄は基本的には流れに沿って通過するパターンだが、小さな滝が落ち込む淀みの上をしつこく旋
回する雄も二例見られた。初めて見る行動だ。

午後2時半、納竿。
残念ながら狙っていた雌の産卵には出くわさなかったが、短時間ではあるが「昔ながら」の採集を楽し
んだ。

帰り際、道脇に立つスギの木の皮が何となく気になったので、めくってみると、久々の顔。

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スギカミキリ雄。まさかこの時期、この場所で出会えるとは。



手にしたムカシトンボ雄。すっかり成熟し、翅や外殻もしっかりしている。

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そして何より成熟の証である、銀色に輝く複眼。他のトンボには見られない、不思議な色彩だ。いつ見
ても飽きることがない。

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ウェブ上ではちらほらクロスジギンヤンマが池に戻り始めた記事が上がっている。
次はクロスジギンが飛ぶ、あの場所に行ってみよう。







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by brunneus | 2017-05-04 02:01 | 東京 | Comments(0)