トンボの日々

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カテゴリ:栃木( 9 )


2016年 08月 26日

雌の日

東北から関東に戻って最初のターゲットは、今年はハネビロエゾトンボにした。

ハネビロエゾは昨年、悪天の中でも充分活動していたのを見て、全天候型のトンボだということを知
った。今回も、休日悪天。怪しい空模様だが、飛んでくれていることを信じて電車に乗った。

ポイントには午前10時半に到着。到着と同時にザーっと雨が降り出す。これには参ったが、諦めず
に雨宿りしながら水面を見つめる。

しばらくすると雨は小降りになった。時を同じくして、下流方面からまず雄が通過。よい兆候だ。木
陰を出て、周囲を探索。まだぽつぽつ雨は降っているが、少ないながらも雄は活動を始めている。

10時56分。
上流側で、雄とは違う動きをする個体を発見。駆け寄ると、足元でのんびりと打水する姿。そっと網
を被せる。

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ハネビロエゾトンボ左:雄 右:雌

この日は、この個体を皮切りに10分から20分おきに産卵する雌が飛来する、近年にない当たり日
となった。雄はたまに通過する程度の少なさで、このあたりが雌が多く見られた原因だろう。雌は雄
の動きをよく見ている。

結局、この日は天候が回復することはなかったが、このポイントは本当に期待を裏切らない。
妙な開発などせずに、末永く現在の状況が存続してくれることを祈ろう。







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by brunneus | 2016-08-26 22:31 | 栃木 | Comments(0)
2015年 09月 06日

安定

8月最後の休日。
相変わらずの悪天候だったが、このまま夏が終わるのも悔しいので、賭けるつもりでハネビロエゾトン
ボの産地へ行った。
低温の曇天。コンディションは最悪の一歩手前で、いつもなら諦める天候状況だが、この日を逃すと行
く機会を失う予感がしたのだ。

現地には午前中の遅い時間に到着。ポイント手前の、いつも雄が飛ぶ小流には、案の定何もいない。や
はり外したか、、と諦めの気持ちでポイントへ。荷物を置いて一息つくと、足元をさっと黒い影が横切
った。ハネビロエゾ雄だ。しばらくするとまた影。

結局、ピーク時には遠く及ばないが、この日は雄はそこそこ飛んでいて、一度きりだが運良く雌の産卵
にも出くわすことができた。どうやらハネビロエゾは、多少の悪天でも活動するようだ。
この産地の個体数はいつも安定していて、期待を裏切らない。それはこのポイントだけでなく、多くの
産地が周辺に点在しているからだろう。しばらくは安泰な状況が続きそうだ。

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帰りにいつもの場所で、尾毛が欠損していないカトリヤンマ雌を摘んで帰る。もう少し成熟していると
良かったのだが、この日は他に見あたらなかった。


季節はマダラヤンマへと向かっていく。
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by brunneus | 2015-09-06 11:57 | 栃木 | Comments(0)
2013年 09月 02日

ギリギリセーフ

8月最後の貴重な二日間の休みを、両日共にふいにしてしまった。

一日目は、エゾゼミとシラフヒゲナガカミキリを狙って山梨の高原へ。しかし晴れの予報のはずが、
現地に着いた途端に急変し、空は厚い雲に覆われ、しまいには雨が降ってくる始末。静かな灰色の高原
の風景。エゾゼミはおろか、昆虫の姿自体が視界から消えてしまった。モミの新鮮な倒木を何本も発見
していただけに、非常に残念。
二日目は、オオルリボシヤンマの産地の新情報を元に、都内西部の山間部へ。地図で見る限りでは半信
半疑の環境だったが、情報を信じてはるばるバスに乗り、現地入り。散々歩き回るが、結局産地らしき
池は発見できずに、ふらふらと飛ぶミルンヤンマをひとつだけ採って、虚しく撤退。

最近はこんな感じで成果らしい成果がないので、少し前の採集行から。

8月第3週。
エゾトンボが終われば当然次はハネビロエゾ、ということで、確実な晴れを狙って栃木まで遠征。
毎度の長く苦しいアプローチだが、確実にハネビロエゾがいる、と分かっているので、気持ちは楽だ。
ポイントにはなんとか午前中のうちに到着。雄は前回よりも少ないが、むしろ雌を狙うには好都合、と
産卵ポイントの前に陣取り、待つ。
しかし、待てども雌は来ない。やはり昨年のような当たり年はそうそう無いか、、。と思いつつも、こ
こまで来て雌無しでは帰れない。

雄を眺めるのにも飽きて、このポイントに見切りをつけて第二ポイントへと歩き出した瞬間、目の前を
通過していった雄の先に、怪しい動きをする個体が!
雄より先に確保しなければ、一瞬で連れ去られてしまう。荷物を投げ捨て、全力で雄を追い越し、ネッ
トを水面に叩きつける。水中で輝く緑色の複眼。ギリギリセーフ、、。

その後は、前から目をつけていた林内の流れへと分け入る。クモの巣や倒木を潜りながら上流へと進む
と、そこには木漏れ日が差す理想的な環境があった。ふと足元を横切る影に頭上を見上げると、雄が悠
々と旋回していた。

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このポイントは、しっかりと張り込めばなかなか面白いかもしれない。

手にした雌は翅が煙り、老熟の域に達している。

ハネビロエゾトンボ雌:体長64mm
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このトンボは9月中旬頃まで見られるので、まだもう少しは楽しめるだろう。


さて、そろそろマダラヤンマ。今年はどういう作戦でいこうか、、。
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by brunneus | 2013-09-02 01:20 | 栃木 | Comments(0)
2012年 08月 25日

雌の日

ここのところ、夏の残骸と言うには元気が良すぎる太平洋高気圧が居座っている。

日中は暑くて参ってしまうが、トンボ採りには好都合。

エゾトンボの次の目標は、ハネビロエゾトンボ。
このトンボに確実に出会うには、延々電車を乗り継いで北関東まで行かなければならない。

午前10時。
最寄りのバス停を降りると、遮るものがないだだっ広い空から、容赦ない日差しが照りつける。
しかし八重山の殺人的な日射を経験すれば、この程度の日照はなんてことはない。

日照りの地帯から林内に入ると、涼しげな風が吹き抜ける。
木々の緑を反射し滔々と流れる小川に、懐かしい四角いシルエットを見つけた。
よく見るとここにも、その向こうにも。
ハネビロエゾトンボは今年も健在のようだ。

雄は時々ホバリングを交えつつ、水面上を注意深く往復する。
そんな雄に混じり、違う動きをする個体が時々やってくる。
じっと見ていると、腹の先をちょんと水面に付けた。雌だ!
急いで現場に駆けつける。

ハネビロエゾトンボ雌:体長65mm
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この日は雄も多かったが、過去になく雌の産卵も多かった。

そして背後の水面での「ガサガサッ」という音に振り向くと、交尾態が。
飛ぶ行方を追うと、二匹は頭上の木の枝に止まった。

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このポイントに通い始めてずいぶん経つが、交尾態を見たのは初めてだ。
数が多いと普段見られないような光景が見られるらしい。


残す金緑色は、タカネトンボのみ。
夏のゴールが見えてきた。
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by brunneus | 2012-08-25 00:02 | 栃木 | Comments(0)
2011年 09月 06日

今だけ

森が点在する水田地帯は、カトリヤンマの天国だ。
農薬を使っていなければ、の話だが。

先日のハネビロエゾトンボのポイントの周囲も水田に囲まれていて、
林縁にはカトリヤンマが沢山いる。
探すまでもなく、ちょっとした林に踏む込むと、
足元からこのヤンマがワラワラと飛び出してくる。
林に入らずとも、道ばたから竿でさーっとブッシュを撫でると、
出てくることもある。

しかし、これは発生初期の晩夏だけに見られる現象。
夏が終わり成熟が進むと、各地に広く浅く分散し、林縁では見かけなくなる。

この時期ならではの個体がこれ。

カトリヤンマ雌:体長70mm
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何がこの時期ならではなのかというと、、、。
腹端の尾毛に注目。
この個体の尾毛は完全だが、それはこの個体に産卵経験が無いため。
成熟して産卵を始めると、ほぼ全ての雌の尾毛が途中から折れてしまう。

発生初期のこの未熟な時期だけの、完全な尾毛なのだ。

しかし、、、。
産卵に邪魔なこの尾毛、そもそもこんなに長い必要なんて、無いんじゃないだろうか。
熱帯に分布するこの仲間には、尾毛がばかでかい種もいるらしいが、、。

これも進化の摩訶不思議。
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by brunneus | 2011-09-06 01:12 | 栃木 | Comments(0)
2011年 09月 03日

翅広蝦夷2011:その2

再びハネビロエゾトンボ。
昨年はあちこちで雌の姿を見たが、今年は少なかった。

次々に目の前に飛来する雄を追い払いながら、
雌が産卵しそうな苔むした石の前でじっと雌を待つ。
視界の隅に、雄と違う飛び方をするシルエットが見えると、急行。
腹端をちょんと水面に付ける行動をすれば、それは雌だ。
雌は水面上をせわしなく徘徊し、やがて岸に向かって打水する。
縦横に水面を飛び回る雌に翻弄されながら、
なんとか2つの雌を手にできた。

ハネビロエゾトンボ雌:体長59mm
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このトンボの雌の特徴は、なんといっても腹端下方の鋭く突き出た産卵弁。

そして、もうもうひとつの雌。
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この雌は腹部に大量の卵を貯蔵しているからか、
上面から見ても、腹部がぼってりと太い。
側面から見ると、腹部の付け根がはち切れんばかりに膨らんでいる。
こんなに膨らんだ雌は初めてだ。
ちょっと気持ち悪いかも、、、。

昨年も書いた気がするが、このポイントは何年間も採集者がかなり入っているはずだが、
一向にハネビロエゾトンボが減る気配がない。
それは、付近に発生地がたくさんあるからだ。
メインのポイントでなくても、ちょっと周囲を歩いて林の中の流れを見てまわれば、
必ずそこにはホバリングする雄の姿がある。
メインポイントでいくら採っても、周囲からすぐに別個体が供給される仕組みなのだ。

だから毎年、ここは期待に応えてくれる。
そして周囲の環境の懐の深さを実感するのだ。
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by brunneus | 2011-09-03 23:32 | 栃木 | Comments(0)
2011年 09月 03日

翅広蝦夷2011:その1

先日行ったハネビロエゾトンボのポイント。
いつもは邪魔なほどいるハグロトンボが少なかったのが気がかりだが、
目的のハネビロエゾトンボは相変わらず沢山いた。

このトンボに限らないが、頭上を悠々と飛んでいる時は、
実際よりかなり大きなトンボに見える。
しかし、足元をセカセカ飛んでいる状態だと、今度は随分と小さく見える。
1年振りに、足元の流れの上を縄張り飛翔している雄を見て、
「こんなに小さかったっけ?」というのが第一印象だった。

ハネビロエゾトンボ雄:体長58mm
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しかし、手にした個体をよくよく見てみると、
実際にかなり小さな個体もいるようだ。

下の画像右側の個体は、体長60mm。
左側の個体は、なんと50mmしかなかった。
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50mmという大きさは、シオカラトンボよりも一回り小さいくらいだ。
この大きさの差は、やはり幼虫時代の餌の状態などによるのだろうか。
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by brunneus | 2011-09-03 03:45 | 栃木 | Comments(0)
2011年 08月 26日

雌の個性

エゾトンボ類(Somatochlora属)が面白いのは、
雄の形態は慣れた人でないと判別できないほど酷似しているのに、
雌の形態が種によってはっきり異なる点だ。

エゾトンボ雄:体長60mm
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ハネビロエゾトンボ雄:体長62mm
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エゾトンボ雌:体長67mm
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ハネビロエゾトンボ雌:体長65mm
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どの種も同じ時期に活動するので、雄から見て区別しやすいように進化したのだろうか、
などと安易な想像をしてしまう。
(もちろん、産卵方式などが深く関わってくるのだろう。話はそんなに単純ではない)
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by brunneus | 2011-08-26 22:30 | 栃木 | Comments(0)
2009年 08月 14日

金緑色シリーズ・その1

やっとチャンスが巡ってきた。休み+晴れ。

北関東遠征第1弾。前日の予報は、雲はあるものの、その中に頼もしい太陽マークが燦然と輝く。

意気揚々と準備をし、就寝。
翌朝、念のため予報を見ると、、、





太陽マークが消えている、、



そして夕方から雨、、





自分は、なんか悪いことしたんだろうか、、?

誰だか知らないが、どこまで邪魔するつもりだ!!
と、やり場のない怒りを抱えつつも、考えてみる。
とりあえず行ってみて、状態が悪ければ引き返す。
そう思い、重い心と体を引きずり、駅へ向かう。

そしてポイント最寄り駅。
どこからどう見ても「曇り」だが、いざ来てみると、少ない可能性に賭けてみたくなった。

そしてポイント。
着くやいなや、足元の流れに金緑色の影!
そして流れに沿って進むとまた金緑色!

どうやら朝の心配は無用だったようだ。
しかも雲の間から日差しが、、。


結局、縄張りを張る雄の数はかつてなく多く、一度だけだが雌の産卵も見られて、
どっぷりと満喫、静かで充実した時間を過ごすことができた。

雌の追加が欲しいところだが、午後1時を過ぎても気配がない。
遥かな帰路と、明日を考え、早めに撤収することにした。

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そして今日。
早朝5時起きで金緑色第2弾を敢行するつもりが、アラームの音に体が全く反応できず、
布団の中で敢えなく延期を決定。
何もしないのももったいないので、近場の某山麓にコシボソヤンマでも見にいこう、、。
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by brunneus | 2009-08-14 15:10 | 栃木 | Comments(2)