トンボの日々

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カテゴリ:茨城( 25 )


2013年 08月 24日

個体差

8月中旬。

関東は暴力的な熱波に包まれている。耳鳴りのような蝉時雨と、全身をがっちりと捉えて離さない熱気
だけでも、モチベーションを下げるのに充分だ。

しかし早くもエゾトンボのシーズンは末期。ハッチョウトンボの採集行の際、産地に立ち寄ってはみた
が、悪天で満足に姿が見られなかった。条件の良い日に、きちんと出現状況を確認しておきたかったの
だ。
暑さに耐えながら延々4時間、電車に揺られてポイントへと向かう。途中、暑さで疲れが溜まっていた
からか乗り換え駅で寝過ごしてしまい、大幅に時間をロス。しかしエゾトンボ雌を見るには、夕方前の
数時間だけで充分だ。

ポイントに到着すると、さっそく空間に視線を這わせ、空中を旋回する褐色の翅を探す。
早速、林に囲まれた空き地で雌が二匹摂食している場面に出くわした。幸先がいい。無事採集し、追加
を探すも、後が続かない。太陽が次第に傾く中、ポイント周辺を歩き回ったが、散発的に見かけるだけ
で、今年も2年前のような大群飛は見られなかった。


ところでエゾトンボの雌は、体長の個体差が大きいことが以前から気になっていた。
たまたま比較できる個体が採れたので掲載。

まずは小型個体。

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目盛を見ると、60㎜ちょうど、というところか。雄ならば標準的なサイズだが、雌でこの大きさは、
かなり小型の部類に入ると思う。

そして大型個体。

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72から73㎜、というところか。この個体は飛んでいる最中から大きく見え、第一印象はマルタン
ヤンマか?と思ってしまったほど。「オオエゾトンボ」というかつての名前に相応しい。

比較のために一緒に並べてみる。

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こうして見ると、その大きさの差は数字以上に実感できる。

体長差が著しい昆虫はクワガタやカブトムシが有名で、幼虫時代の餌環境が原因しているとされてい
る。トンボの場合はどうなのだろうか。何かの図鑑で、エゾトンボは幼虫時代を1年多く経た個体が
大型化(いわゆるオオエゾ型)するというのを読んだことがある。同じ産地内でも二つのパターンが
存在するとすれば、研究テーマとしては面白いと思う。
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by brunneus | 2013-08-24 01:18 | 茨城 | Comments(2)
2013年 08月 17日

北関東トンボキャラバン・外道

北関東トンボ採集行のおまけ。

ハッチョウトンボの湿地を彷徨っている間、足元からハラハラと何頭も飛び出してきたのがこの虫。


ツノトンボ雌:体長35mm
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今までツノトンボは偶然見かける程度だったが、一箇所で多数の個体を見たのは初めてだ。ハッチョウ
トンボの生息地は、ツノトンボにとっても良い環境なのだろうか。

見た個体はどれも雌ばかりで、水際の草にじっと静止しているものが多かった。
手にしてみると、先日のオキナワツノトンボよりかなり大きく重量感があり、その充実した存在感に
思わず見入ってしまう。

こういう副産物があることも、遠征の魅力のひとつだと思う。
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by brunneus | 2013-08-17 01:03 | 茨城 | Comments(0)
2013年 08月 11日

北関東トンボキャラバン・その2

ハッチョウトンボの湿地では、目が慣れてくると雌もぽつぽつ見つけられるようになった。雄の警護を
受けて産卵する個体や雌雄連結体、強い日差しに腹部を立てて止まる個体など見ていて飽きない。

ハッチョウトンボ雌:体長18mm
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ひととおり採集、観察して二人共に満足、次のポイントへ車を走らせた。
本来このポイントは予定になかったのだが、時期がピークを迎えていることと、当初予定していたポイ
ントの途中に位置することから、急遽スケジュールに編入。

ポイント近くに横付けし、期待に胸を膨らませながら、涼しげな木陰を流れる水面を見る。いた!

ハネビロエゾトンボ雄:体長63mm
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今年も相変わらず個体数は多く、安心。
時間が押していることもあり、後ろ髪を引かれながら、最終目的地へ。

西日を受けて輝く褐色の翅をイメージしつつポイントに近づくと、なにやら怪しい雲行き。不穏な風が
吹き荒れ、今にも大雨が降りそうな天候になっていた。風が強い日は、風よけになる木立に囲まれた空
間を飛ぶと踏み、思い当たる場所へ。既にあたりは薄暗く、やっぱり駄目か、、と諦めかけたが、視界
の隅の木陰にきらっと光る翅を見た気がした。慌てて急行すると、頭上を忙しなく旋回する中型トンボ。
間違いない。

薄暗い空間を、不規則に周囲をぐるぐると飛び回るので狙いを付けるのに苦戦したが、明るい空が背景
になった瞬間に竿を振り抜く。快音!

エゾトンボ雌:体長67mm
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これは他にもいるかも、、と周囲を歩き回ると、やはり近くに雌雄1頭ずつを発見。直後に大粒の雨が
降り始め、採集終了。


電車だと3日に分けて訪れなければいけないポイントを、1日で消化できてしまうのは、やはり効率的。
しかしハネビロエゾトンボとエゾトンボは消化不良気味なので、近いうちに再訪することになるだろう。

長時間の運転をしてくださったS氏に感謝。
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by brunneus | 2013-08-11 02:32 | 茨城 | Comments(0)
2013年 08月 04日

北関東トンボキャラバン・その1

8月。
7月はどうしても仕事とトンボの折り合いが合わず、遠征後は殆ど採集に行けないまま、シーズン後半
戦に入ってしまった。
採りこぼしのトンボが手からぽろぽろとこぼれ落ちてゆくなか、今年はどうしても採りたいトンボがあ
る。そのひとつがハッチョウトンボだ。

言わずと知れた、世界に誇るトンボ界最小種だが、南関東から姿を消して久しい。このトンボに出会お
うとすると、一番近い産地が関東北部なのだ。しかし、聞く話によると、産地は徒歩ではとうてい辿り
着けそうにない場所にあるらしい。

様々なタイミングと利害が一致し、今回は仲間のS氏と車でご一緒させて頂けることになった。
産地は噂通りの僻地にあり、その環境はまさに図鑑通りの風景。しかし荒れ地に点在する湿地をいくら
歩き回っても姿は見られない。
炎天下で意識が朦朧としてくるなか、遠くからS氏の呼ぶ声。行ってみると、少し大きめの湿地のあちこ
ちに、小さく可憐な赤色が!

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ハッチョウトンボ雄:体長19mm
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10年振りに手にするハッチョウトンボは、とにかく小さい!小さすぎて、収納に苦労するほどだ。
それにしても、広大な荒れ地に点在する湿地の中で、ごく狭い区域にしか見られないのは何故だろう。人
間の眼にはどこもまったく同じように見える。しかし思い返してみれば、固まって見られた区域は、天敵
であろうシオカラトンボが他とくらべて少なかった。シオカラトンボの捕食圧、このあたりに理由がある
のかもしれない。
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by brunneus | 2013-08-04 00:08 | 茨城 | Comments(0)
2013年 06月 24日

キイロヤマ採集記2013

2011年にカメラを換えてから(紛失したから買わざるを得なかったのだが)、撮影方法も、画像処
理法も変更した。

それに伴い、既に撮影した種をもう一度撮影しなおしているのだが、その中でどうしても外せない種が、
キイロヤマトンボとオオトラフトンボだ。

そこでまず、キイロヤマトンボの採集から着手。ポイントを訪れるのは実に3年振り。
今回はSさんとKくんの採集行に便乗させてもらったわけだが、事情で当日の午後に合流、という形をと
った。
キイロヤマは沢山飛んでいる、という前情報に胸を踊らせながら、延々4時間、電車に揺られてポイン
トへ。

午後2時40分。ポイント着。次々に岸辺を通過する雄の姿をイメージしながら川へ降り立つが、そこ
にいたのは暇を持て余した態のKくん。どうやら、2時を過ぎるとぱったりと飛ばなくなってしまった
ようだ。それでも雄が飛んできそうなエリアに陣取り、遥かな水面を睨む。
待つこと10分。何かが遠くの水面を横切った気がした。次の瞬間、足元をすり抜けるトンボの影。と
っさに竿を振る。外れのコヤマか、、?ネットから出してみると、当たりのほうだった。

キイロヤマトンボ雄:体長80mm
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追加を待つが、あとが全く続かない。次第に暮れ行く水面を睨むうち、タイムアップ。どうやらキイロ
ヤマトンボの活動がちょうど終わった時間帯にポイント入りしてしまったようだ。
雌はおろか、雄の追加もかなわなかった。運が悪かったとしか言いようがないが、まあ仕方ない。

再チャレンジをしたいところだが、果たして今シーズン中に実現できるのだろうか、、。
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by brunneus | 2013-06-24 00:43 | 茨城 | Comments(0)
2012年 10月 17日

秋のヤンマ・その5

秋のヤンマ、と言ってもギンヤンマはどちらかと言うと夏のヤンマだ。

ギンヤンマ雄:体長73mm
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先日のマダラヤンマの産地でよたよたと飛んでいた。
手にしてみると、ギンヤンマのシーズン末期にしては、擦れが少ない個体だ。

考えてみると、4月から10月までの長期間成虫が見られるギンヤンマは、
本土のヤンマ科のトンボの中では異色の存在と言える。

反対に、出現期が短いヤンマは、
サラサヤンマ(5月中旬〜6月中旬)、マダラヤンマ(9月上旬〜10月上旬)
と言ったところか。

そのマダラヤンマのシーズンも、もうじき終わる。
あとはルリボシヤンマが少し残っているくらいで、大型トンボの季節は幕を閉じようとしている。

サラサヤンマの出現まであと半年。
長いなあ、、。
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by brunneus | 2012-10-17 21:05 | 茨城 | Comments(0)
2012年 10月 07日

マダラヤンマ終了

運良く晴天休日にぶつかったので、
今年最後のつもりで、北関東のマダラヤンマの産地へ。
往復8時間をかけての小旅行。

天気、気温もちょうどいいはずだが、今回は雌はおろか、雄も手に出来なかった。
毎年書いている気がするが、このヤンマの雌を採るには、
9月から10月上旬まで、毎週ポイント入りするくらいのつもりで行かないと駄目らしい。

とは言うものの、
早朝から日没まで一日中ポイントを歩き回り、出るか出ないか分からない1匹のトンボを待つ
という採集スタイルは、自分には向いていないようだ。

日帰りできる場所で多産地が消滅してしまった今、
マダラヤンマは遠い存在のヤンマになってしまった。

一向に姿を現さないマダラヤンマを待つ間、対照的に、
そこらにいくらでもいるアカネ類を眺めながら暇を潰す。

左/ナツアカネ雄:体長38mm
右/マイコアカネ雄:体長33mm
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こうしてじっくり見てみると、アカネ類もなかなか美しいトンボだ。
そろそろキトンボのシーズン。
来週あたりに様子を見に行ってみようと思う。
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by brunneus | 2012-10-07 00:36 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 27日

秋のヤンマ

数日前の豪雨を境に、関東はすっかり気温が下がり、空気ががらっと秋に変わってしまった。

このひんやりとした空気にふれるとまず思い浮かぶのがルリボシヤンマ。
秋色の湿地を音もなくホバリングする光景を思い出す。

まだ今年は埼玉の産地ではまともに姿を見ていないが、
先日の北関東と、ついこの間、青梅でその姿を見た。

ルリボシヤンマ雄:体長84mm
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かつてはこのトンボは山岳地帯にしか棲息していないと思い込んでいて、
はるばる八ヶ岳の高原まで採りに行っていた時期もあった。
確かにその産地はカラマツに囲まれた湿地で、典型的な棲息環境に違いはなかった。

しかしその後知識が増えるにつれ、
山麓部のクロスジギンヤンマや、ヤブヤンマが棲むような小さな池に普遍的に見られることが
分かり、一気に身近なヤンマになった。

高温が苦手なルリボシヤンマは、
暑い時期は山間部の涼しい環境へ移動するらしく、山麓の池には全く姿を見せず
秋になり気温が下がると、どこからともなくフラッと池にやってくる。
盛夏に高原で元気よく飛び回っている個体とは対照的だ。

アキアカネが舞う水辺を飛び回る秋のヤンマ。
そろそろ埼玉の産地の様子を見に行ってみよう。
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by brunneus | 2012-09-27 02:23 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 22日

10年目の青色

オルリボシヤンマ青色型雌。

初めて知ったのは10年ほど前。
図書館で見つけた、講談社から1985年に出版された「トンボ大図鑑」に載っていた
写真を見たのが最初だったように思う。

「トンボ大図鑑」はトンボの生体標本写真を図版に使った初めての本格的な図鑑で、
1985年当時の国内で記録されていた種類の殆どが網羅されていた。

その頃はまだトンボにのめり込み始めた頃で、まだ見ぬ珍しくも美しいトンボの写真に息を呑んだが、
その中のひとつが、オオルリボシヤンマ青色型雌だっだ。

ワインレッドの地色に、腹部の鮮やかなコバルトブルー。そして胸部の黄緑色。
なんとも言えない配色の妙に、いつかは手にしてみたい、と強く思った。


それから10年。
手にできたかもしれないチャンスは何回かあったが、何故か相性が合わないらしく、
結局、手中に収めるまでには至らなかった。

ケリをつけるべく、青色型雌を本気で探し始めたのは昨年から。
トンボ仲間のSさんに案内してもらったポイントでは、通常型雌は採れたものの、
相性が悪いというジンクスは健在で、青色型には出会えなかった。

そして今年。
お盆の頃からSさんと幾度となく採集行を計画していたが、予定の日が尽く天候悪化で中止。
そうこうしているうちに9月に入ってしまい、オオルリボシシーズンのデッドライン。
急遽決まった先日の採集行きのスケジュールの中に、
オオルリボシのポイントを組み込んでもらったのだった。


そしてジンクスは、ついにに破られた。


オオルリボシヤンマ雌(青色型):体長85mm
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網に入ったときは、さすがに心臓の鼓動が大きくなった。
この胸の高鳴りはイリオモテミナミヤンマ以来だ。

ポイントは良い環境で、他にも通常型雌も産卵に来ていた。

オオルリボシヤンマ雌(通常型):体長84mm
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青色型は西日本では多数派だという。
関東、中部地方でのいくつかの産地では通常型ばかり目についたが、
これらの地域での青色型の出現頻度はどれくらいなのだろうか。

ともあれ、長年の懸案だった青色型雌が採れたことで、今年のシーズンは早くも満足。
これでマダラヤンマの雌も採れれば言う事はないのだが、
まあ、そう上手くはいかないだろう。


案内して頂いたSさん、車を出して頂いたFさんあっての今回の成果。
二氏に感謝感謝。
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by brunneus | 2012-09-22 02:52 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 17日

2年振り

長野に行った後は、マダラヤンマを視野に入れつつ、近場のフィールドを巡っていた。
成熟したてのルリボシヤンマを狙って埼玉に行ったりもしたが、
上空を旋回する個体をひとつ見たのみ。やはりまだ気温が高すぎるのだろうか。

そうこうするうちに、マダラヤンマのポイントに行くチャンスが巡ってきた。
いつもお世話になっているトンボ仲間のSさんと、久々にご一緒するFさんとの採集行だ。
そして今回はわがままを言って、オオルリボシヤンマのポイントにも寄ってもらうことにした。

場所は北関東。
ここは数年通っている場所だが、まだこのポイントでマダラヤンマを手にしたことは無い。
個体数が少なく、雌はもちろん、雄でさえ何故か活動が早朝に限定されるからだ。
自宅からこのポイントに行くには、
どんなに早く出発しても、延々電車を乗り継いで現地到着が午前10時。
既に雄の活動は終わっている。

それでも雌のチャンスを狙って通っていたのだが、昨年は雌のパターンが分かった所で終了。
何とか雄だけでも、、という願いも空しく、昨年はついにマダラヤンマを手にすることはなかった。

雄を採るには早朝。
そうなると、もう車に頼るしかなく、そういう意味で今回は願ってもいないチャンスだ。

現地には深夜に到着。
夜明けを待って行動開始。初秋とは思えない湿気に耐えながら、ポイントを巡る。

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この日は条件が悪かったらしく、早朝では殆ど姿を見ず、
ようやく雄を手にできたのは日没後、終了間際だった。

マダラヤンマ雄:体長65mm
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このブログでは実に2年振りの登場。
やはり、小柄な身体に散りばめられた瑠璃色の斑模様はいつ見ても美しい。
結局、雌はチャンスすらなかったが、とりあえず雄を手にできただけでも満足だ。

早朝からポイント入りできるのはそうそう無いと思うので、
雄はひょっとするとこの個体が最初で最後になるかもしれない。

それだけに撮影には万全を期した。

さて、今年は雌には出会えるのだろうか、、。
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by brunneus | 2012-09-17 02:13 | 茨城 | Comments(0)