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2016年 06月 17日

北国のモートン

先日の北国の湿原で、ハッチョウトンボを探しているときに視界にちらちらと入ってきたイトトンボ。
見慣れたアジアイトトンボやアオモンイトトンボとは一見して異なる雰囲気に、思わず手が延びる。

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モートンイトトンボ(左:雄 右:雌)

雄の蛍光を帯びた鮮やかな眼後紋と、オレンジ色の腹部のコントラストが美しい。
良く見ると、ハッチョウトンボと同じくらい、いやそれ以上に、草間を群れ飛んでいた。
モートンイトトンボとの接触は、ずっと以前、埼玉のどこかの場所で、同行していたA氏に未熟な個体を
貰ったという、たった一度きりだ。
都内にも産地はあるらしく、巡回しているポイントの中にも生息していそうな場所はあるのだが、頭上
を飛ぶずっと大きなトンボばかり追いかけているので、モートンイトトンボを探したためしがない。

東京のトンボ図鑑を作るに際して、モートンイトトンボの画像は外せないと思ってはいたが、具体的な
産地の情報もなく、後回しにしていた。
今回は、ハッチョウトンボという草間を飛ぶ極小トンボを探したからこそ、発見できたのかも知れない。

何はともあれ、未撮影のトンボがまたひとつ減った、という事実は、気分が良いものだ。
そしてコオニヤンマ雌はいずこへ、、、







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by brunneus | 2016-06-17 09:05 | 群馬 | Comments(0)
2016年 06月 13日

北の香り

春のトンボのシーズンが過ぎると頭の中はすっかり亜熱帯一色となるのだが、ほんの一瞬、北国の爽や
かな風景が脳裏を掠める時期がある。それがちょうどこの時期だ。

梅雨時の貴重な晴れ間をどこで過ごすかはこの時期の重要な要素だが、昨日は同好Aさんと協議の末、
いくつかの候補地の中から群馬の湿原を選んだ。

現地には午前8時に到着。ここは以前はオオトラフトンボを採りに通ったポイントだが、数年前から芳
しくない状況になっていたので、足が遠のいていた。エゾハルゼミのコーラスの中、期待を胸に岸辺に
立つが、飛んでいるのはヨツボシトンボばかりで、オオトラフどころか、沢山いたはずのカラカネトン
ボさえもいない。早々に諦めて、第二ポイントへ。

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最初に訪れたポイントより環境が良い。ここにはいるだろう、と岸辺を巡るも、ヨツボシトンボ、時々
飛び去るクロスジギンヤンマしか見あたらない。しまった、外したか、、、。
仕方がないので、足元に目を落とし、サブターゲットの小物を摘む。

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エゾイトトンボ雄

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オゼイトトンボ雄

日当りの良い岸辺の草地にわんさかと群れていた。これらのトンボは以前と変わらずに発生しているよ
うだ。

イトトンボと遊ぶのにも飽きたので、Aさんと協議の結果、ここで待っていても埒があかないので移動
することに。車の脇で、足首に違和感を感じて裾を捲って見ると、招かれざる客が。

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幸いなことに口器を皮膚に突き刺す前だったので、出血は無し。同好Aさんは靴下の中にまで入られて
いた。

車で30分ほど移動した第3ポイントは、もう随分訪れていない。確かハッチョウトンボがいる湿地が
あったはず、、と踏み込むとすぐに同好Aさんが「いた!」と声を上げる。湿地の草を凝視すると、可
憐な姿。

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目に入る個体が雌ばかりで、雄が一向に見つからないが、暫く探索すると目が慣れてくるのか、雄が次
々に目に入ってきた。

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昔訪れた時は、疲れていたからか、ハッチョウトンボは未熟な雄を1匹摘んだ以外は見つけることがで
きなかったが、この日は歩く度に足元から赤や黄色の小さなトンボが飛び出し、数の多さに面食らう。

ハッチョウと戯れていると、湿地の向こうから同好Aさんが呼んでいる。
行ってみると、木陰の岸辺を素早く飛び去る黒っぽいトンボ。やっとカラカネトンボに出会えた、、。
カラカネトンボは数が多く、産卵も複数回見られた。ポイントを変えると、これほどまでに状況が異な
るとは思ってもみなかった。

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どのトンボも撮影し直したい、と思っていたものばかりなので、オオトラフトンボは採れなかったが、
これで良しとしよう。
蒸し暑い東京から遠く離れた爽やかな北国の香りを充分に吸い込んだ1日。よい気分転換になった。
いつもながら、長時間の運転をしてくださる同好Aさんに感謝!







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by brunneus | 2016-06-13 00:39 | 群馬 | Comments(2)
2012年 06月 27日

北の蝦夷

先日訪れた寒冷地の池には、オオトラフトンボともう一種、狙っていたトンボがあった。

カラカネトンボ雄:体長45mm
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エゾトンボ科に属してはいるが、エゾトンボなどとは別グループで、
国内では1属1種で「カラカネトンボ属」というグループを構成している。

エゾトンボ、ハネビロエゾトンボなども北方系のイメージが強いが、これらは丘陵地の谷津など、
暖かい低地にもよく順応している。
しかしカラカネトンボにはそういった順応性が無く、徹底的に冷たい水にこだわる。
そのため関東では標高が高い山地の池にしか棲息していない。
純然たる「北のエゾトンボ」だ。
このトンボも例に漏れず、分布も前出の2種のイトトンボ同様に北海道、東北、中部山岳などの寒冷地に偏っている。

雄は水面上低くを岸に沿ってツ、ツ、とホバリングを交えて敏速にパトロールし、
わちゃわちゃと岸辺で大騒ぎするヨツボシトンボには我関せずといった風情で、
マイペースに池を周回する。

カラカネトンボは、このポイントではヨツボシトンボに次いで個体数が多いはずだが、
今回は殆どその姿を見ることはなかった。

時期が遅いからか、外来魚が増えたからか、温暖化が進行しているからか、、。
来年は沢山飛び交うポイントに戻っていることを切に願う。
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by brunneus | 2012-06-27 22:40 | 群馬 | Comments(0)
2012年 06月 26日

小さな北方系

先日の寒冷地の池。

ヨツボシトンボの空中戦の下で、慎ましく飛び交っている小さなトンボが目に留った。
ちらちらと草間に見え隠れする青色を目で追う。どうやら二種類いるようだ。

左/オゼイトトンボ:体長36mm 右/エゾイトトンボ:体長35mm
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いずれも東北や北海道などの寒冷な地域に分布の中心を持つ、北方系のイトトンボ。
もちろん、東京近辺での産地は皆無だ。
関東南部でも出会える青いイトトンボといえば、
セスジイトトンボやオオセスジイトトンボ、オオイトトンボなどだが、この二種の青さは別格。

なんというか、北方系のトンボならではの爽やかな青色というか。高原の澄んだ青空というか。

イトトンボにはどうしても関心が持てないのだが、
普段見慣れない小さな鮮やかな青色に、思わず息を飲んだ。
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by brunneus | 2012-06-26 22:00 | 群馬 | Comments(0)
2012年 06月 24日

続・小さな弾丸

デッドラインぎりぎり。
今日を外すともうチャンスは無いので、7年振りに寒冷地にある池に行ってきた。

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清らかに澄んだ冷たい水面に、浮葉植物が一面に繁茂する。
トンボなどの水生昆虫からしてみれば、天国のような環境だ。

しかし、この天国への道のりはやはり遠く、コストもそれなりにかかる。
今回の目的はオオトラフトンボなわけだが、結果から言えば、見事に振られてしまった。
うーん、、、。
やはりオオトラフとは相性が合わないようだ。このポイントでいい思いをした試しがない。

一向に姿を見せないオオトラフとは対照的に、元気いっぱいに飛び回っていたのがヨツボシトンボ。

ヨツボシトンボ雌:体長45mm
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前回登場したハラビロトンボよりは少し大きいが、縦横に飛び回り、雄同士できりもみ飛行
する様子は、黄色い小さな弾丸といったところか。
寸胴なフォルムもどことなく共通点を感じる。

ヨツボシトンボは寒冷な池を好む北方系のトンボで、
東北や北海道ではごく普通に見られるらしいが、温暖な関東南部では極めて稀。
都内で把握している産地は3箇所あるが、個体数は少ない。

こんな状況なので、全国的に見れば普通種であるにもかかわらず、
自分にとっては気軽に採れるトンボではないのだ。
今回は、オオトラフが採れなかった保険として期待していたのだが、
その期待にはしっかりと応えてくれた。

そしてこんなものも。

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ヨツボシトンボはごく稀に、翅の斑紋が拡大した「プラエヌビラ型」という個体が
出現するらしいが、今回はその範疇に入りそうな雌が採れた。

ヨツボシトンボとの付き合いは長いが、プラエヌビラには初めて出会った。
まあ、これが採れただけで今回ははるばる遠征した甲斐があった、
と自分を納得させてみる。
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by brunneus | 2012-06-24 23:01 | 群馬 | Comments(2)