トンボの日々

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2009年 11月 30日

宮崎のオキナワキノボリトカゲ

たまたま新聞で見つけた記事。
「鹿児島県指宿市と、宮崎県日南市でオキナワキノボリトカゲが繁殖」

え?嘘でしょ?
奄美、沖縄諸島では絶滅危惧種だぞ。

、、、と思って調べたら、なんと宮崎では20年前から目撃されていて、規模は数万匹にのぼるという。
天敵のハブがいない新天地で増えてしまったのだろうか。
最近になってにわかに着目されているのは、小笠原におけるグリーンアノールの影響があるに違いない。

外見も、生態も似ているこの2つの「外来種」。
小笠原のグリーンアノールはうまくニッチに入り込み、餌である昆虫類を壊滅的な状況に追いやっている。
トンボも例外ではない。
このことが近年深刻化し、ついに行政が重い腰を上げ、多大な予算をかけグリーンアノール大捕獲作戦が実施されているのだ。
しかし、あの手この手を使っても、思うように成果が上がらないらしい。

九州のオキナワキノボリトカゲが、「第二のグリーンアノール」にならないように、ということなのだろう。

しかし、、、
不可解なのは、いくら天敵のハブがいなからといって、ここまで個体数が増えるものなのだろうか、ということ。沖縄のハブだって、キノボリトカゲの存続を脅かすほど、数は多くはないはずだ。
開発による森林の乾燥化、というようなことを原因とするなら、
宮崎のほうがずっと進んでいる。(と思われる)

そしてもう20年も前から見つかっているのなら、ちょっともう駆除するには手遅れな気もする。
トカゲの調査より、トカゲの餌となる昆虫類の調査をすべき段階にきているのではないだろうか。

知らない間にどこかで着々と進行する事実。ちょっと恐ろしくもある。
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by brunneus | 2009-11-30 21:11 | つぶやき | Comments(0)
2009年 11月 29日

アトリエ展

現在開催中のアトリエ展に出した作品。

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下の写真:
左上/トビイロヤンマ
右上/オキナワチョウトンボ
左下/オオメトンボ
右下/カラスヤンマとオキナワチョウトンボ

沖縄で見た黄昏の風景に、トンボを描き込んでみた。全体でひとつの風景になっている。
そして、観る人に、風景の破片の隙間の空間を埋めてもらう。
材料は、廃材を使ってみた。
ひとつひとつの破片には、、個々に必ず一頭以上はトンボが描き込んである。
廃材は大きさや、形がそれぞれ違う所が面白く、ひとつでも、全体でも、作品として成立している状態を目指した。

そして、描き込んであるトンボは、カフェに展示してある標本とリンクさせてある。
カフェと展示を両方観た人は、「あれ、どっかで見たような、、」と気付く仕掛け。

やはりトンボを描いている時は楽しい。
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by brunneus | 2009-11-29 23:19 | その他 | Comments(2)
2009年 11月 15日

デジタル進化論・その2

コバネマルタンヤンマ
Anaciaeschna nanuscostus

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猛禽類では、森林性の種類は羽が短くなる、という傾向があることが知られている。

例えば、無限の解放空間を悠然と旋回するコンドルは、羽が長大で著しく横に長い。
一方、森林に棲むオオタカ、ハイタカ、ツミなどは、羽は丸みをおび、胴体に対して短い。

これは一説によると、枝葉が密生した森林内を自在に飛び回り、獲物を追うには長い羽は無駄で、
進化の過程で次第に短くなっていったという。
さらに言えば、これは猛禽以外の鳥類にも、概ね広く当てはまる傾向なのかもしれない。
大海原を飛び回るアホウドリの長い羽。薮の中をかいくぐるウグイスの短い羽。

トンボに目を転じてみる。
ヤンマの仲間は森林を住処とした種類が多いが、それらの標本を眺めていると、
マルタンヤンマの翅が雄雌共に、特に短いことに気付く。
マルタンヤンマは例に漏れず、森林性のヤンマだ。特に成熟前期までは、狭く、暗い環境を好む。

これはヤンマ界の「森林性猛禽現象」ではないか、、?
狭い空間を素早く飛び回るための進化、、、。

そして妄想は膨らむ。そして即実行。

何百万年か後には、マルタンヤンマも、こんな姿になっているのではないだろうか、、。
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by brunneus | 2009-11-15 02:58 | つぶやき | Comments(2)
2009年 11月 11日

デジタル進化論

目下アトリエイベントのための作品を制作中なのだが、その中の副産物から。

カラスアゲハヤンマChlorogomphus protenor
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オニヤンマ科の中の一部のグループであるChlorogomphus属は、
国内ではミナミヤンマ属とよばれ、四国以南の地域に4種が分布している。
この属は、雌の翅が広がり、さらに様々な模様が発現するのが特徴で、主に東洋熱帯地方に多くの種類が知られている。
しかし、この地域は様々な理由で生物全般の調査が遅れていて、
Chlorogomphus属も例外ではなく、毎年のように新種が発表されている。

この地域に棲息する種として、Chlorogomphus papillioという種類がいて、個人的にとても面白く、注目している。
「papillio(クロアゲハの仲間の学名)」の名のごとく、雌の翅は著しく広がり、
黒と白の模様もあり、さながらアゲハチョウのような雰囲気になっている。

ここで考えた。
もしかしてこの属の進化は、アゲハチョウに擬態することにあるのではないか??
確かにアゲハチョウの一部には、体内に毒を蓄積するものもあるという。
それによって捕食者から逃れているのかもしれない、、。

CGの優れている点は、妄想をすぐに実現できるところだ。
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by brunneus | 2009-11-11 21:21 | つぶやき | Comments(6)
2009年 11月 05日

ふと思った

気分転換に、ネットの色々な写真を見ていて、ふと思ったことがある。

写真に関して言えば、お世辞にもこだわっているとはいえない(すべてコンデジで適当にお茶を濁している)
自分が言うのもなにだが、、。
まあ、鑑賞者として思ったこと、ということで、、。
自分のことは大きな棚に上げっぱなしにしておく。

写真は、撮る側のこだわりで、全然違うものになる、ということ。
僕は鳥も好きで、(もともと鳥マニアだった)よく画像検索したりするのだが、
やはり鳥好きが撮る写真は素晴らしい。
なんというか、その鳥が一番良く見えるアングル、光の状態、背景、表情などを、
意識的、あるいは無意識的に考えてシャッターを押しているように見えるのだ。

こう書くとしごくあたりまえのことのように思えるが、
例えばプロでも昆虫写真をメインにしている人が、鳥を撮る時、
ピント、露出は当然バッチリなのだが、何か物足りない、というか、どこか画面に魅力がない。
クオリティとは、別の部分の話だ。

もちろん、その逆もある。

これは写真だけでなく、絵を描く時にも同じことが言える。(むしろ、全てに当てはまることだ)

いづれにしても、
「わかっている」作品だけを観ていても、その事実に気付かない。
「わかっていない」作品を観ることによって、逆説的に気付くことが多いのだ。

作品をつくる人間の端くれとして、「わかっていない」作品にならないよう、
気をつけようと思う。
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by brunneus | 2009-11-05 22:37 | つぶやき | Comments(0)
2009年 11月 04日

2009ラスト

ぽっかり空いた休日。今日を逃したら、もう後はない。
10月からずっとチャンスを狙っていたが、なかなかタイミングが合わず、
あれよという間に11月。おまけに、2日前に大寒波が列島を吹き抜けた。

晩秋の埼玉。オレンジ色の小さなプリンス、キトンボ。
これを見ないとシーズンの終わりは来ない。
キトンボとのカップリングで狙うのは、カトリヤンマ。
このポイントは、カトリヤンマの雄の安定したホバリングが見られる、数少ない場所だ。
しかし日付は既に11月。さらにこの前の寒波で、カトリはもうダメだろうな、、と、
半分諦めて、早朝の電車に乗り込んだ。

10時にポイント着。快晴。まだ池にはトンボは皆無だが、気温が上がってくると、
ぽつぽつオレンジ色が姿を見せ始めた。
多くの個体は敏感で、近づくそぶりを見せるだけでぱっと飛び立ってしまうが、
中には愛想の良いやつも。

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雄の姿が増えてしばらくすると、連結態も。これは次々に来るか?と期待したが、2〜3組を見ただけで、
あっけなく終わってしまった。
早々に諦め、帰りにカトリポイントへ、、。しばらく佇んでみるが、気配はなし。
今年のカトリは終わってしまったようだ。

カトリは見られなかったが、久々にたくさんのキトンボの雄を見ることが出来て、充実した一日だった。

おまけのハリガネムシ。初めて見たが、水面をうねうね泳ぐ姿はやっぱりキモチワルかった。

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by brunneus | 2009-11-04 20:05 | 埼玉 | Comments(2)
2009年 11月 03日

hybrid

その1
例えば、沖縄本島北部、国頭村で。
7月下旬の晴れた日。山間の木漏れ日が差す渓流で、一頭の老熟したカラスヤンマが産卵していた。
そこへ背後から忍び寄る影。オニヤンマの雄だ。
あっという間にカラスヤンマは上空へ連れ去られる。
そして3年後。初夏の日差しを浴びて、一頭の不思議なトンボが樹海の上を旋回していた。
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その2
例えば、千葉の海沿いの湿地で。
7月中旬。湿地の縁で産卵したあと、アシの茎に止まって休息するネアカヨシヤンマ。
そこへまっしぐらに突進する緑色のトンボがいた。「ガサガサッ」と大きな音がして、
2頭は1つの塊となり、暗い林のなかへと消えていった。
そして翌年の6月の早朝。1頭の見慣れないヤンマが、上空へ飛び立った。
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いろいろ想像するのは楽しい。
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by brunneus | 2009-11-03 21:08 | その他 | Comments(0)
2009年 11月 02日

怪しいトンボ

画像を整理していたら、何だか怪しげなトンボの写真が出てきた。

その1
マルタンヤンマ雌なのだが、胸の斑紋が異常に青味を帯びている。
データを見ると、2006年、青梅市、とある。これがもしかしたら、「青型雌」なのか、、?
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その2
これは採った時はマルタンヤンマ雄と思っていたが、よくよく見ると、腹部に明瞭な斑紋が、、。
データは2007年、茅ヶ崎市。
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腹部の斑紋を良く見ると、色の微妙な違いはあるが、トビイロヤンマのものに近い。
まさか、南風に乗って湘南地域に飛来したトビイロヤンマとのハイブリッドなのだろうか、、。
















・・・というのはもちろん嘘(笑)
ストレス解消に画像加工はてきめんに効く。

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by brunneus | 2009-11-02 23:08 | その他 | Comments(6)