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2009年 12月 31日

preview2009/08

西多摩の清流と谷津を歩く。

春に久々に訪れて、多くの予想外の出会いがあった西多摩の谷津。
これは夏の黄昏時に来てみる価値がある、と思っていた。
目的の種はマルタンヤンマ。
しかし一方で、不安がよぎる。
かつて、やはり同じ思いで夏の夕方に行ってみたことがあるが、
全くの期待外れでがっかりした記憶がある。
今回も同じような結果にならないだろうか、、。

そんな不安を緩和すべく、この日はもう一箇所、
夏のサナエの情報がある谷津近くの清流にも足を運んでみることにした。
狙いはオナガサナエ。
オナガサナエは真夏から初秋に河川中流で見られるサナエトンボ。
サナエトンボからすっかり足を洗い、しかも春のサナエトンボの知見しか持って
いない現在の自分には、このオナガサナエは全く未知のトンボだ。

ここ数年の夏は、お決まりのポイント巡りしかしていなかったので、
たまにはこういった新規開拓も刺激的で楽しい。

そして清流。運悪く天気は下り坂で、サナエトンボの条件としては良くない。
しかし一頭だけ石の上にちょこんと止まっているのを発見。
水遊びをする高校生の集団のすぐ傍だったので、竿を出すのが少々憚られたが、
ネットに入れて見ると、やはりオナガサナエ。
後続を期待したが、結局この一頭しか飛んで来なかった。

そこから歩いて30分。
広大な谷津に辿り着く。
マルタンヤンマの雄が飛ぶにはいい時間だ。この時期の雄は、日没前の明るい時刻に、
開けた池の上をゆっくり旋回する。
そんな姿をイメージして良さそうなポイントで待つが、姿は無し。
そのうち次第に薄暗くなり、ぽつぽつとヤブヤンマが頭上を飛び出す。
よく見ると、その下を赤茶色のヤンマが縦横に飛び回っている。マルタン雌だ。
雄は諦めて、狙いを雌にシフトする。
そして真っ暗になる間際。谷の出口近くの路上を、赤茶色のヤンマの集団に出くわした。
かつての狭山で見た光景。久々に大規模なマルタンヤンマの群飛を見ることができた。


川のオナガサナエはその後、再び訪れ、安定した産地であることを確認。雌は見られなかったが、、。
おまけに一頭だけだが、ミヤマサナエまで見ることができた。
近場に夏のサナエの良いポイントがあるのを確認できて嬉しかった。
ただ、春のサナエは環境的に少々厳しいかもしれない。

谷津のマルタンは、やはり狭山と比べて環境の規模が大きすぎるので、
特に雄の行動パターンを掴むのが難しい。あれだけ雌がいるのだから、
必ずどこかに雄が飛ぶコースが存在するはずだ。
来年はもう少し時間をかけて探ってみたい。

オナガサナエ雄:体長55mm
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マルタンヤンマ雌:体長77mm
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by brunneus | 2009-12-31 13:47 | つぶやき | Comments(0)
2009年 12月 29日

preview2009/07

8月が近付く頃になると、
頭の中に金緑色のトンボのイメージがよぎる。

金緑色のトンボとは、全身が金緑色に輝くエゾトンボの仲間、すなわち
エゾトンボ、ハネビロエゾトンボ、タカネトンボのことだ。

この3種は8月上旬に活動のピークを迎える真夏のトンボで、
一見するとどれも同じような姿形をしているが、よく見るとそれぞれに個性的で面白い。

タカネトンボはほっそりとスリムで華奢、バレリーナ体型。
エゾトンボは中肉中背で野球体型。
ハネビロエゾトンボは、がっしりマッチョで、レスラーかラガーマン体型。

数で言うと、関東南部ではタカネトンボが一番多く、エゾトンボとハネビロエゾ
トンボは「超」が付く稀種だ。

なので、毎年この2種に会うために、早朝5時に家を出発し、延々4時間電車に揺られ、
さらにガタガタとバスに揺られ、さらにだだっ広いたんぼの中を30分歩く。

今年のハネビロエゾトンボは、決行日の天気が悪く道中気が気でなかったが、
ポイント手前で薄日が差し、幸いなことに良い条件のもとで行動できた。
今年は天気の関係か、時間の関係か、ポイントに着く手前の路上や草原で多くの個体が
旋回している個体が見られた。

あちこちの空中を悠然と旋回する姿を見ると、
エゾトンボ属きっての稀種であることがすぐには信じられない。
しかし同時に、それはこの環境がいかに優れているか、ということの証明でもある。
風景としては、何の変哲もない荒れ地と林の連続なのだが、、。

一方エゾトンボ。
今年は雌の詳しい知見を得ていたので、目的の雌を見ることができるまで、しつこくポイントに
通った。行った時期が少し遅かったからか、
数は少なく、さらにチャンスを何度も逃して悔しい思いをした。
結果的には雌を見ることができたわけだが、今年行った時期は老熟段階に入っていたらしく、
雌はあちこちに分散してしまっていたようだ。
来年はもう少し早い時期に行ってみよう。

ハネビロエゾトンボ雄:体長60mm
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エゾトンボ雄:体長58mm
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タカネトンボ雄:体長58mm
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※こうして見ると、どれも同じに見える、、。
やはり、手にした時の印象を写真で再現するのは難しい、、。
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by brunneus | 2009-12-29 01:21 | つぶやき | Comments(2)
2009年 12月 26日

preview2009/06

千葉のネアカヨシヤンマ。

このいかつい体つきをしたヤンマは、湿気を多く含んだ、森に囲まれたドロドロの湿地に棲む。
そんな環境はもちろん近場にはない。
恐らく関東地方に棲むのヤンマの中では、マダラヤンマに次いで見ることが難しい種だろう。

都内でも細々と少数が生き延びている場所はあるにはあるが、
どこも人が多い公園内なので、思うように行動できない。

そんな訳で、毎年夏の前半は、はるばる千葉までネアカヨシヤンマを見に行くのだ。

ネアカヨシヤンマに限らず、朝夕の薄明薄暮時に活動するヤンマは、
その日の気象状況に大きく行動が影響されることが多い。

この千葉のポイントも、基本的にはネアカヨシヤンマが多い場所なのだが、
条件が悪い日に行くと、すっからかん、ひたすら何もいない空を眺めて終わることになる。
一方、当たりの日は、頭上を覆い尽くすほどの群飛が見られる。

一応、天気はチェックしてから行くのだが、
「外れ」か「当たり」かは、行ってみないと分からない。

今年も、アオヤンマとの一石二鳥を狙い、7月中旬に訪れてみた。

天気は芳しくない。
どんよりと曇り、冷たい風が湿地を渡る。
いつもなら、じっとしていても全身から汗が吹き出すくらい蒸し暑い場所なのだが、
この日は肌はサラサラ。少し肌寒いくらいだ。こりゃダメか、、。

地平線に没する間際の太陽が、雲の下から顔を出し、風景がにわかに明るくなる。
そして同時に頭上をさっと通過する大型のヤンマの影。

隣接した空間にも、トンボの影がちらっと見えた。
アシの壁をかき分けて近づくと、目の前をネアカヨシヤンマが何頭も旋回している、、、!
しかし薄暗い中を飛んでいるので、はっきりと姿が見えない。

そして振り返り、メインのエリアに戻ると、頭上を多数のネアカヨシが、、、!
この日は、最大のピーク時には及ばないものの、ネアカヨシヤンマは頭上をひっきりなしに通過している。
この風景を見たかったのだ。

ここ数年は、外れ日が多く、活性が高い日に当たるまで数回通うはめになることが多かったが、
今年は久々に初回で当たりとなった。

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by brunneus | 2009-12-26 20:56 | つぶやき | Comments(3)
2009年 12月 20日

preview2009/03.5

季節は少し戻る。
5月下旬。

ここ数年、行きつけのポイントでムカシヤンマが振るわない。
雄は細々と見られるのだが、一時期の活気の面影はもはやない。

5年ほど前、初めて訪れた時には、ポイントに足を踏み入れるとすぐに、
足元からばらばらとムカシヤンマが飛び立ち、
日向に立っていると、「ブルルル、、、、」という重低音を響かせながら、
ムカシヤンマがシャツ目がけて突進してきたのものだった。

しかし、工事の影響か、ここ数年はめっきり姿を見かけなくなってしまった。
雄でさえ少ないのだから、雌、という高望みはするつもりはない。

今年もだめだろうなあ、と半ば諦め気分でポイントへ。
期待はしていなかったが、ポイントへ着くとさっそく木の枝に大きなトンボの影。
ムカシだ。少しずつ近づくと、腹部が太い。雌!!

数年ぶりに雌を見ることが出来た。
雄も、以前ほどではないが、よく探すとあちこちに止まっているのが確認された。

環境が良い方向に向かっている、と信じたい。

ムカシヤンマ雌:体長73mm
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by brunneus | 2009-12-20 00:15 | つぶやき | Comments(0)
2009年 12月 17日

preview2009/05

マルタンの夏。

東京の夏の楽しみは、マルタンヤンマ無しには考えられない。
いくら食べ飽きても、夏が来るとまたスイカが食べたくなってしまうように。

しかし今まで頼っていた都内のポイントで思うように活動できなくなってしまったために、
今年はそれに替わるマルタンヤンマのポイントを探していた。

そして、その筆頭候補がここ、川崎市の谷津。
アトリエからも近く、駅からもそれほど遠くはない。

しかし地形が、自分が苦手とする閉鎖空間だ。こういう環境では、マルタンヤンマの雄は
低空を矢のように飛び抜ける。まして、夕方の薄暗い時間帯では狙いのトンボは殆ど見えない。

そして、こういった環境を飛ぶのは成熟期前半だけで、老熟した個体は、
もっと開放的な空間へと移動してしまう。
マルタン雄を一番見やすいのは、のんびりと明るい時間帯に飛ぶ、この老熟期なのだ。

だが、背に腹はかえられない。一応、去年にも実績があったので、
今年もしばらく通ってみることにした。

アトリエに用事がある時は、出来る限り時間を作って訪れる。
アトリエに用が無くても、仕事が休みの日にはポイントへ。
去年はまだ都内のポイントに未練があったので、このポイントにはあまり通わなかったが、
今年のマルタンはここ一本に絞るつもりで、暇さえあれば足を運んだ。

その結果、気軽に行けることもあって、まずまずの成果を得ることができた。
横浜の旧知のポイントより若干明るく、かつややゆっくり飛び、周囲を旋回することが多いので、
見やすかったのだ。

マルタンの他には、こういう環境にお決まりのヤブヤンマも多い。

上:マルタンヤンマ雄
下::ヤブヤンマ雄

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家からコンスタントに通える圏内で、
安定してマルタンが見られる場所はここしか残っていないかもしれない。
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by brunneus | 2009-12-17 22:59 | つぶやき | Comments(0)
2009年 12月 11日

preview2009/04

混迷の頂点。

いままで、沖縄には良い想い出しかなかった。
行けば、必ず何らかの成果を約束してくれる場所だった。
しかし今年は、どうやら沖縄にそっぽを向かれてしまったようだ。

灰色の海。
いつまでも続く雨音。
これでもか、と西から次々に押し寄せる雨雲。
全身びしょ濡れで、まるで水の中に浮かんでいるような三日間。

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by brunneus | 2009-12-11 14:32 | つぶやき | Comments(4)
2009年 12月 10日

preview2009/03

春のトンボを求めて右往左往するなかで、
8年前、サラサヤンマを探しに行った大きな谷津のことを思い出した。

当時たまたま手に取ったある本で、別の昆虫について載っていたページがあり、
そこに付してある環境写真がとても魅力的に見えたのだ。
多摩西部のローカル線の駅を降りて長閑な風景の中をのんびり歩いて20分。
そこは、広大な谷間にアシの群落が広がり、そこここに水たまりがある。
まさにトンボの楽園だった。
その時は、目的のサラサヤンマはいくら探してもいなかったが、
かわりにヤマサナエや、コヤマトンボ、ハラビロトンボがそこらじゅう飛び回っていた。

そして今年。
春のトンボの手持ちの写真を充実させる一環で、8年ぶりにかの地を訪れてみることにした。
谷に入ってみると道が立派になっており、どうやら公園として整備され始めたようだ。
環境は幸いなことに、8年前と変わらない。
しかし天気のせいか、かつてあれほどいたヤマサナエの姿が見つからず戸惑うが、
かわりにヨツボシトンボがたくさんいる池を見つけることができた。
ヨツボシトンボは北方系のトンボで、主に北海道や東北、本州の山岳地帯の湿原に多いが、
なぜか低標高地にも棲息していることがあり、そういう所は決まってアシが豊富に生えた、
環境の良い池沼に限られている。
言い換えれば、低標高地でヨツボシトンボがいる池は環境的に合格、ということができる。

8年前はヨツボシトンボを見つけることが出来なかったが、今回見つけたことで、
環境は良くなっているのだろう。
おまけに当時はどうしても見つけられなかったサラサヤンマも見ることができた。

ヨツボシトンボ雄:体長45mm
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この春は、久々に訪れた場所でがっかりすることが多かったが、
今回のように、嬉しい誤算を見つけると、ちょっと徳をした気持ちになる。
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by brunneus | 2009-12-10 01:33 | つぶやき | Comments(0)
2009年 12月 07日

preview2009/02

トラフトンボの大当たりの後は、浮き沈みが激しいシーズンとなった。

・久々に青梅のサラサヤンマポイントへ。引っ越してから一度も訪れていなかったので、
地域的に不安定なポイント、ということもあり、どうなっているか心配だった。
しかし、ポイントに足を踏み入れると、「プルル・・・・」と音。見ると足元にサラサヤンマの雄がホバリング。
いつもと変わらない風景に安心した。
さらにこの日、数年振りに雌に出会った。谷への入り口の小池も、なんとか今年も埋め立てを免れているようで、
岸辺の植物にちょこんとコサナエが。

町外れにひっそりと横たわるトンボの楽園が、来年もまた、同じ姿で迎えてくれるといい。

サラサヤンマ雌:体長約55mm
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コサナエ雄:体長約45mm
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・トンボを始めた頃、足繁く通った埼玉県、東松山の清流。
都内ではもはや幻となりつつある、アオサナエやホンサナエが豊富に見られる。
絶対確実なポイントで、行けばいくらでもサナエたちが飛び回っていた。
最近は止水系のトンボばかり追い回していたが、手持ちの写真が無いことに気付き、久々に訪れてみた。
しかし、、、。
天気のせいか、環境が変わってしまったせいか(草ぼうぼうで、川原が少ない!)サナエのサの字も見当たらない。
コヤマトンボが一頭、川面を寂しく飛んでいるだけだ。
他にポイントは、と延々川に沿って歩いても、それも徒労に終わった。
「絶対確実」なはずで、ポイントに行ったらサッと済んでしまうはずが、、このショックは大きい。
もうこの場所の「ポイント力」が失われてしまったのだろうか。今年だけの現象であると思いたい。

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コヤマトンボ雄:体長70mm
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・季節は進み、アオヤンマの時期。8年前に自力で初めて見つけた千葉のポイント。
先の東松山の例もあり、どうなっているか気になっていた。
当時は沼の脇の草地に足を踏み入れると、わらわらとアオヤンマが飛び出し、
気温が上がると広場の上空をアオヤンマがいくつも旋回していた。
ここも「絶対確実」なポイントだった。
しかし、、、。
沼が大幅に埋め立てられ、アオヤンマが飛ぶ湿地の多くが陸地化している、、。
当然、アオヤンマの姿はない。岸辺で唖然とするが、なんとか気を取り直し、
猫の額ほどの水面の前で飛んでくるのを待つ。
ずいぶん待って、やっと一頭が遠くで旋回し始めた。しかし結局数は増えずに、尻すぼみで終了。
家から一番近い(といっても1時間半はかかるが)アオヤンマの産地だっただけに、非常に残念。

アオヤンマ雌:体長73mm
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そして混迷はさらに続く、、、。
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by brunneus | 2009-12-07 22:25 | つぶやき | Comments(0)
2009年 12月 05日

preview2009/01

12月。
今年もついに一ヶ月を切った。イメージでは、ついこの間まで黄昏ヤンマと戯れていた感じがするのだが、、。
ああ、恐ろしい。

そして、恒例のまとめモードに入る。今回はその第一弾。

なんといっても、春の一大イベントは、千葉のトラフトンボ。
初めて訪れたのは2001年で、飛び交う雌雄連結態を追い回した。
しかしそれ以来、タイミングの問題なのか成熟した雌を見ることは稀になってしまい、
朝から一日池の畔で粘っても、結局、影すら見られない時もあった。

そんな状態なので、なかばそのポイントで成熟雌を見ることは諦めていたのだが、
今年はどうしたことか、大当たりだった。
次々に足元に飛来する連結態にトンボ仲間一同は大興奮。まさに2001年の再来、
いやそれを遥かに上回る規模だったかもしれない。

トラフトンボの雌は通常、前後の翅の前縁にミナミヤンマ雌のような黒色の帯が入り、
それが大きな特徴であり魅力なのだが、(写真上2枚)稀にその黒バンドが消失した個体を見ることがある。(下2枚)

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これは「無班型」と呼ばれ、一説によるとこのポイントでは50頭に1頭の割合で現れるという。
(誰が調べたんだろう、、笑)
例年、この無班型とは相性が良く、たいてい一頭は見かけるが、今年もまた出会えた喜びは大きい。

こんな感じで、2009年のシーズンは幸先良くスタートしたわけだが、はたして来年はどうだろうか、、。
あまり期待はしないようにしよう。
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by brunneus | 2009-12-05 00:33 | つぶやき | Comments(5)