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2011年 06月 25日

夏へ

遠征中止の決断後、中途半端に時間が余ったので、
失意のままふらふらと近場のポイントへ。

7月を目前に、黄昏飛翔性のヤンマの出具合が気になっていた。
しかしポイントはごうごうと森が鳴る強風。トンボが飛ぶ雰囲気ではない。
期待していたマルタンヤンマは見られなかったが、風に煽られて飛ぶヤブヤンマの雌と、
クロスジギンヤンマの雄を手にすることができた。

ヤブヤンマ雌
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クロスジギンヤンマ雄
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ヤブヤンマは成熟したての完品、
クロスジギンヤンマは翅は煤けて貫禄満点に老熟した個体だった。
この2種が同時に見られるのはこの時期だけ。
谷津のトンボも、春から夏へと季節が進んでいる。
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by brunneus | 2011-06-25 12:58 | 神奈川 | Comments(2)
2011年 06月 23日

夏至

「夏至」 夏に至る

いい言葉だ。
しかし、今日の暑さは尋常ではなかった。
身体に触れる全てのものが、熱を帯びていた。
これが連日続くことを想像すると、早くも戦意喪失。

今日は遠征前の晴れ間。「夏至」のことばに誘われて、
久々に木や草、水の匂いにふれたくなった。
夕方からの仕事前に、気になっていた都内のサナエポイントへ。

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なかなか良い感じの場所だが、到着した時間が遅いのと、この暑さでトンボの姿はまばら。
ハグロトンボ?とミヤマカワトンボ、コオニヤンマ羽化殻、オジロサナエ未熟個体を確認したに留まった。
もう少し早い時期に来れば、色々見られそうだ。
過去に都内で7月にアオサナエを採ったことがあるので、
遠征後に時間があったら訪れてみようと思う。

仕事前なのでできれば汗はかきたくなかったが、
その思いもむなしく、たっぷり湿ったシャツで仕事場へ、、、。
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by brunneus | 2011-06-23 00:33 | 東京 | Comments(0)
2011年 06月 21日

展翅が好き

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このブログに登場する殆どのトンボの写真は、標本のように展翅された写真だ。

だからと言って野外で生き生きと躍動する生態写真が嫌いなわけではない。
美しく再現された色、正確なピント、輝く複眼。
良い生態写真に出会った時は、綺麗を通り越して、清々しく爽やかな気分になりさえする。
こういう写真を撮れる人は、心の底から尊敬してしまう。

自分がカメラになかなか手を出せない理由は、
生態写真を撮影する機材と努力と根気とやる気が不足していることも原因だが、
いちばんの理由は、「展翅された状態の姿」が好きだからだろう。
四枚の翅をいっぱいに開き、しゃんと腹部を伸ばした姿。
これがいちばんトンボらしいと思う。

標本もそうだが、展翅写真は、
「同じ形に揃えることで、個体間、種類間の差異がより際立つ」
ということも言えるかもしれない。

「同じ形に揃える」なら、トンボの標本で一般的に行われている横向きに整形してもいいのだが、
自分で眺めるために作成する標本は、圧倒的に背面からの展翅が多い。
背面にすると、側面よりは斑紋などのディティールの情報量は少なくなるのだが、
そのかわりに全体の雰囲気というか、その種独特の特徴が分かりやすい気がしている。

最初は採集から入ったトンボ屋も、カメラを持つといつしか撮影専門になる場合が多いが、
自分の場合はそういった道のりは当分は歩まないかもしれない。
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by brunneus | 2011-06-21 00:30 | つぶやき | Comments(0)
2011年 06月 15日

フツーのコヤマ

コヤマトンボは、郊外を流れる清流などに生息する。
都内でも西多摩まで行けば、比較的簡単に姿を見ることができる。

普通種なのでついつい軽視しがちだが、
よく見ると、なかなかバランスの取れた体型をしている。

コヤマトンボ雄:体長70mm
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国内にコヤマトンボの仲間は数種類分布しているが、
このコヤマトンボ以外は、どれもかなり珍しい種類だ。

キイロヤマトンボは関東にも分布しているが、環境の好みに非常にうるさく、
産地はごく僅かしかなく、個体数も少ない。
エゾコヤマトンボはその名の通り、北海道まで行かなければ採れない。
オキナワコヤマトンボもその名のごとく、沖縄本島北部のみに分布する。
ヒナヤマトンボは石垣島と西表島の、山深い清流にのみ生息。
タイワンコヤマトンボにいたっては、西表島の、簡単には行き着けない渓流でしか出会えない。

こんな具合なので、「普通の」コヤマトンボ以外は、とても素人には手が出せそうにない。

素人は、身近な場所で採れたコヤマトンボを眺めながら、
これらの「レアな」コヤマトンボ類を想像することしかできないようだ。
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by brunneus | 2011-06-15 01:50 | 埼玉 | Comments(3)
2011年 06月 14日

性的二型・その2

以前の記事で書いたトンボの性的二型。
マルタンヤンマとムカシヤンマの例を出したが、
ちょうどハラビロトンボの写真を撮っていたので掲載。

ハラビロトンボ:体長35mm(上:雄 下:雌)

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雌雄で色が全く違う。
このトンボは真っ昼間に湿地の上を元気よく飛びまわっているので、
明らかに視覚で雌雄を区別しているのだろう。

このトンボは晩春から姿を現し、盛夏を過ぎる頃まで見られるが、
なぜか梅雨明け以降に見かけることが少なくなる。
他のトンボに目が行ってしまって「見えていない」のか、
発生末期は行動パターンが変わるのか、よく分からない。

いずれにせよ、初夏の爽やかな日差しがよく似合うトンボだ。
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by brunneus | 2011-06-14 00:22 | つぶやき | Comments(0)
2011年 06月 12日

笑点とトンボ

今日はブログ開設2周年。

数多くの挫折の中に、ほんのちょっぴりの収穫が混ざる2年間だ。

なぜ毎年同じスケジュールでトンボ採りをするかと言われれば、
それは、毎年変わらずに巡ってくる季節を身体と心で確認したいからだろう。

トンボに限らず、自然を嗜好する人間は多かれ少なかれそうであろうと思う。

相変わらずの表情で、相変わらずの場所で出会える面々。
その風景を見て安心し、また1年の時が過ぎてゆくのを実感する。

それはまるで笑点のようだ。
毎週日曜日の夕方にテレビの中で繰り広げられる、相変わらずの面々による、
相変わらずの展開。
それを目にすることで、ああ、また一週間が始まるな、と実感する。

一方で、トンボを巡る様々な自然の、もしくは人的変化に直面すると、
そろそろ新しいポイントを開拓する必要性を強く感じてもいる。
少ない時間で、一か八かのフィールドワークは、なかなか難しいが、、、。

・・・・・・・・・・・・

2年前の今日は、埼玉のサナエポイントで空振りした記事から始まっている。

そこでしつこく、今年の埼玉のフィールドワークから。

以前の記事にも書いたが、このポイントは環境の変化が激しく、
一時期はここでの成果を半ばあきらめてしまっていたが、
今年はポイントの状態が良く、かつての最盛期の面影を見ることができた。

サラサヤンマ雄:体長55mm
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このヤンマも数は多く、久々にゆっくりと目の前でホバリングを眺めることができた。



さて。そろそろ憧れのあの地に向かう日が近づいてきた。
しかし、梅雨明けが早すぎたのが少し気がかり。空気が乾きすぎていないことを願う。
かの地の相変わらずの面々に、無事出会えるだろうか、、、。
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by brunneus | 2011-06-12 15:53 | 埼玉 | Comments(2)
2011年 06月 10日

憧れ

昨日の記事で、「サナエトンボは地味だ」と書いたが例外は付き物で、
サナエトンボの仲間には、アオサナエという美しい種類がいる。

アオサナエ雄:体長55mm
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アオサナエ雌:体長53mm
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黄色と黒のミニマルな反復が続く種群の中で、目の覚めるような鮮やかな緑色は
ひときわ目立つ。
そして清らかな水が滔々と流れる砂地底の河川中流域にしか生息しない、というところも、
このトンボの品格を高めているように思う。

前記事のキイロサナエほどではないが、東京周辺では産地が限定されるサナエトンボだ。
まだトンボを始めたばかりのころは、このサナエは憧れの存在で、
知り合ったばかりのトンボ仲間に連れられて出かけた、
埼玉の川の河原で初めてその姿を目にしたときは、興奮で手が震えた。
雄はサナエトンボの中でも群を抜いて敏感で、川岸の石に止まる雄を発見し、
そろそろと近づいた時には、まだ何メートルも手前なのにさっと飛び立ってしまう。
雌に出会うのはさらに至難の技で、朝夕の薄暗い時間にひっそりと川面に飛来し、
水面に産卵し終えると、ぎゅーんと一目散にどこかに消えてしまう。

一日粘っても雌の産卵に出会えないことも多く、
運良く手にできた時の喜びは言葉では表現できないものがある。

そんな日の帰りは、駅までの延々と続く排気ガスにまみれた車道歩きでさえ、
少しも苦にならない。
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by brunneus | 2011-06-10 01:51 | 埼玉 | Comments(0)
2011年 06月 09日

似てるのに

サナエトンボの仲間は、体色がどの種も黄色と黒の反復をしたものが多く、
総じて似たような外見の印象を持つ。
バラエティに富んだトンボ類の中では、かわりばえのしない、地味なグループといえる。

そんな中でも似た者同士の極めつけは、この2種。

ヤマサナエ雌:体長66mm
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キイロサナエ雌:体長65mm
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大きさまでもが瓜二つ。
トンボに興味がない人から見れば、どこがどう違うのか全く分からないかもしれない。

しかし、東京周辺に住むトンボ屋に
「ヤマササナエ採りましたよ」と言っても、「ふうん・・・」で済まされてしまうが、
「キイロサナエ、採りました」と言えば、「なになに!どこで採ったの???」
と身を乗り出してあれこれ質問されるだろう。

ヤマサナエは、ちょっと山がかった丘陵地の谷津に行けば大抵出会うことができるが、
(それでも都内でその姿を見るのは少々難易度が高いが)
キイロサナエはどこにでもいるトンボではない。

両種ともに、「ゆるやかに流れる小川」に生息するが、川の底質の好みが微妙に異なるのだ。
もう少し正確に言えば、キイロサナエが好む底の状態が、
非常に限定されているということになる。

ヤマサナエは底が荒い砂から泥まで幅広い環境に見られるが、
キイロサナエは、泥底の環境でないと見られない。
しかも単に泥底でいいわけではなく、水質が良くなくてはならない。
この二つの条件が揃う小川は、そうそうあるものではないのだ。

「そういうけど、結局、似たようなもんでしょ。」

と済ませてしまえばそれまでだし、別段美しいトンボというわけではないので、
それほど採集欲をかき立てられる対象ではないが、
やはりプレミアムな価値をもつトンボには、ある種の品格のようなものを感じてしまう。

まあ、これらはみな、人間の勝手な妄想にすぎないことは分かっているのだけれど。
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by brunneus | 2011-06-09 02:26 | 埼玉 | Comments(0)
2011年 06月 05日

成熟

埼玉で採れたサラサヤンマ。

産卵しに飛来したものなので、当然成熟した個体だ。

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一見すると、以前の記事の未熟個体と色は変わっていないように見えるが、
まず複眼の色が緑色に変色。
そして腹部は卵を含み、太くなっている。
また、画像では分からないが、外皮も固くしっかりとしている。

サラサヤンマに限らないが、成熟個体には未熟個体にはない、
力強さというか、頼もしさを感じる。
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by brunneus | 2011-06-05 02:12 | 埼玉 | Comments(2)
2011年 06月 03日

パーフェクト

この週末は貴重な晴れ間。
今日は平日だが、強引に休みを取って(そのかわり土日は仕事だ!)、埼玉へ。

この時期、晴れたら埼玉のサナエを見に行こうと決めていた。
今日を逃したら、今年はもうチャンスは巡ってこないだろう。

このポイントは古くから知っている場所だが、近年は河原の草が茂りすぎたせいか、
サナエの数がぐっと減った感じがしていた。
しかし今日は、先日の台風の増水が余計なものを適度に流してくれたお陰で、
本来の環境が多少復活したように思う。
ここに生息するサナエトンボの注目種は、ホンサナエ、アオサナエ、キイロサナエ。
このうちホンサナエにはどうしても食指が動かされないので、
いつもここに来る時は、アオサナエが目当てだ。
キイロサナエは数が少なく、生態をいまひとつ把握していないので、おまけ程度。

予報よりはすっきりせず、薄曇りといった天候だったが、日差しに飢えたトンボにとっては、
これで充分だろう。
ポイントに到着後はさっそく河原へ、、、
ではなく、河原は素通りして、近くにある秘密のサラサヤンマのポイントへ。
実は、今回はアオサナエだけでなく、サラサヤンマの産卵がもう一つの目的なのだ。
爽やかな河原とは一転して、薄暗くじめじめした快適とは言えない環境。
入り口がいつも猛烈なブッシュに塞がれ入れないことも多く、
このポイントに踏み込んだのは数年ぶりだ。草が伸びすぎてもはや原形をとどめていないが、
見覚えのある木の下に、サラサヤンマはいた。

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ここで運良く雌も手にすることができた。産卵雌は実に二年振り。

その後は、河原へ。途中、気になったので、空き地を覗くと下草にはキイロサナエが、、、。
そして斜面を下って河原降り立つと、さっそく足元からスマートなトンボがさあっと飛び立つ。
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いつも午前中は異様に敏感なのだが、日照が弱いせいか、今日は近くまで寄ることができた。
カメラはコンデジなので、レンズからサナエまでは20センチくらい。

時々、目の前をコヤマトンボが猛スピードで通過していく。
脇の草むらにはアオハダトンボがひらひらと舞う。

日が傾くと、探していたものがやってきた。
そのトンボは、すーっと水面低くを滑るように飛んできて、ある場所に来るとぴたっと停止。
その場所を確認すると急いで駆け寄り、ネットをもろとも水中の中へ振り下ろす。
アオサナエの産卵。
ここで最後に見たのはいつだろう。それほど久しぶりの光景を目にすることができた。

サラサヤンマ、アオサナエ、キイロサナエ、コヤマトンボ、アオハダトンボ、、、。
このポイントの役者がほぼ全て出そろった、完璧な一日だった。

「典型的な、当たり前の風景」の中に身を置けることの充実感を存分に味わう。

満足!!
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by brunneus | 2011-06-03 22:46 | 埼玉 | Comments(0)