トンボの日々

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2011年 08月 30日

秋マル

今日(日付が変わったので正確には昨日)、金緑色シリーズの最後の仕上げに、
埼玉のタカネトンボを採りに行こうと朝起きたまではいいが、
前日の仕事の疲れが取れず、だるくなってまた寝てしまった。

しかし外は晴天。貴重な休日の晴れだ。だらだらするのはとても勿体ない。
こんなふうに中途半端に時間が余った時は、
午後からマルタンヤンマのポイントに行くことにしている。

マルタンヤンマ雄:体長74mm
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初夏のマルタンヤンマの雄は、谷の奥を俊敏に飛び回るので出会うことは難しいが、
晩夏になると池の上などの開放的な空間に出てきて、比較的ゆっくりと飛ぶので見つけやすい。

体長はギンヤンマと同じくらいだが、セカセカと水面低く飛び回るギンヤンマを尻目に、
真っ直ぐに池の上を通過する様は、なんとも格好いい。

マルタンヤンマ雄のこの行動は9月中頃まで見られるので、
もうしばらく楽しめそうだ。
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by brunneus | 2011-08-30 00:24 | 東京 | Comments(2)
2011年 08月 28日

未熟の腹

トンボの雌の腹部は、成熟時の卵の貯蔵庫となるので、
産卵期の雌は、どの種も腹部が太くぼってりしていることが多い。

しかし、未熟時にはまだ卵が腹部内に形成されないため、
成熟時とは異なる形態をしているものがある。

先日、北多摩にマルタンヤンマを採りにいった時に手にしたミルンヤンマも、
まさに未熟な個体だった。

ミルンヤンマ雌:体長67mm
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上面から見た印象と、側面から見た印象がまるで違う。
つまり、腹部が縦にぺったんこなのだ。
この縦扁平タイプは、ミナミヤンマの仲間や、オニヤンマの雌がある。
いっぽう、トラフトンボなどの未熟雌の腹部は、横に扁平。

同じヤンマ科でも、その他の多くの種は未熟成熟でそれほど形が変わらない。
形態の変化は、腹部表皮のキチン質の厚さに関係があると思っているのだが、
本当の所はどうなのだろうか?

ミルンヤンマの未熟雌の扁平な腹部。
この特異な感じが気に入っている。
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by brunneus | 2011-08-28 23:20 | 東京 | Comments(0)
2011年 08月 26日

雌の個性

エゾトンボ類(Somatochlora属)が面白いのは、
雄の形態は慣れた人でないと判別できないほど酷似しているのに、
雌の形態が種によってはっきり異なる点だ。

エゾトンボ雄:体長60mm
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ハネビロエゾトンボ雄:体長62mm
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エゾトンボ雌:体長67mm
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ハネビロエゾトンボ雌:体長65mm
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どの種も同じ時期に活動するので、雄から見て区別しやすいように進化したのだろうか、
などと安易な想像をしてしまう。
(もちろん、産卵方式などが深く関わってくるのだろう。話はそんなに単純ではない)
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by brunneus | 2011-08-26 22:30 | 栃木 | Comments(0)
2011年 08月 26日

相性

相性が悪い数あるトンボの中で、特に出会いのないものがある。

オオルリボシヤンマ青型雌。

周囲のトンボ仲間はみな手にしているのだが、
一向にこちらの目の前には姿を見せてくれない。

先日のオオルリボシのポイントでも何頭かの雌はいたが、
ついに青型は手にすることができなかった。

オオルリボシヤンマ雌(緑色型):体長80mm
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もっとも、このヤンマの産地に行く機会自体少ないので、確率的には仕方ないのかもしれない。
緑色型は、これはこれで綺麗なのだが。

まだ今年はチャンスはあるとは思うが、はたして出会えるのだろうか??
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by brunneus | 2011-08-26 16:45 | 茨城 | Comments(0)
2011年 08月 22日

夏秋混在

ここのところ天気が悪く、気温も低いので、フィールドに出られない。
しかしそれはそれで、体が休まるので助かる。

そういえば、国立駅前で、まだアオマツムシの合唱を聴かない。
例年なら8月半ばを過ぎれば、日に日に鳴き声が増えていくのだが、
今年は数日おきに一匹がぽつりと鳴く程度。
下草で鳴くクサキリやハヤシノウマオイは例年通りなので、
木の上で何か異変があったのかもしれない。

話変わって先日の北関東。
近場でオオルリボシヤンマの産地を知らないので、北関東の生息地で入手してきた。
このヤンマは水温が低い開放的な池沼に棲むが、東京近郊でそういう水辺は殆ど無いのだ。
毎年晩夏になると焦って産地を探すが空振り。
今年はきっちり押さえておきたかった。

オオルリボシヤンマ雄:体長84mm
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訪れたポイントは小規模な場所だったが、頻繁に雄が侵入し、
雌も時々産卵に訪れていた。
手にした個体はまだ翅の擦れも少なく、状態はいい。

平地は太陽が出ればまだまだ真夏の風景だが、
山の上では、静かに秋が始まっている。
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by brunneus | 2011-08-22 23:33 | 茨城 | Comments(0)
2011年 08月 21日

ド老熟

このブログおそらく初登場のギンヤンマ。

あまりにも親しみがあるせいで、載せようという気持ちが起きないのだが、
たまたま老熟した雌が採れたので掲載。

ギンヤンマ雌:体長75mm
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もともと透明なはずの翅が、ここまで煙った個体は久しぶりに見た。
翅の煙りは老熟の証。さしずめ人間なら老婦人の域に達しているかもしれない。

頭部を見ると、痛々しい把握痕が。
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何頭もの雄の尾部付属器でがっちり掴まれ、複眼は陥没し、変色している。
まあ、モテる証拠でもあるのだが、、、。
若いころからそうとうブイブイ言わせていたに違いない。

いまは絶滅文化であるかつてのトンボ採りでは、
翅が煙った雌は、子供たちの間で高いレートで雄と取引されていたという。
「ドロメン」「シブチャン」とかいう名前もついてうたそうな、、、。
もちろん、そんな文化に接したこともないので、本当のところはよく分からない。

今はもう初老であろうのかつての子供に、この雌を見せたら、
どういう評価がもらえるのだろうか。
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by brunneus | 2011-08-21 18:25 | 東京 | Comments(2)
2011年 08月 20日

撮りこぼし/名古屋

未撮影種シリーズ。

ナゴヤサナエ雄:体長58mm
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名古屋という名前だが、関東にも分布している。
しかし、生息する河川の選り好みが激しく、
おそらく関東のサナエでは最も出会うことが難しい種だろう。しかし生息地にいけば、
それなりに数はいる。
今までこのサナエは特に重視していず、埼玉のヤンマポイントの森で休息中の個体をいくつか
見ているに過ぎず、生態、発生地含め、捉えどころのない種だった、

先日、Sさんの案内で訪れたポイントでは、数は少ないものの、水面を滑るように飛ぶ
雄の姿を見ることができた。
実に10年振りの再会。

手にしてみると、やはりこのstylulus属独特の腹部の形はかっこいい。


次は眼鏡だ、、、。
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by brunneus | 2011-08-20 11:29 | 茨城 | Comments(0)
2011年 08月 18日

個性

トンボには、個体間の形態、色彩の差が大きい種と、そうでない種がある。
前者の好例はトラフトンボ、カラスヤンマの雌など。
後者の方が圧倒的に多いが、例を挙げれば、ネアカヨシヤンマ、ウチワヤンマなど。

エゾトンボも後者に入るとは思うが、
手にした雌をよく比べてみると、形態に個体差があることに気付く。

細めの個体。
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太めの個体。
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これらの差異は先天的なものでなく、抱卵しているかそうでないか、
成熟しているかしていないか、ということにもよると思う。
また、見る角度によっても随分印象が異なることも多い。

しかし理由がどうであれ、こういった飽きない要素が、このエゾトンボの雌の魅力だと思う。
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by brunneus | 2011-08-18 03:46 | 茨城 | Comments(0)
2011年 08月 15日

カッコイイ

エゾトンボの雌の摂食飛翔はかっこいい。
西日を浴びて、すらっと伸びた腹部と大きな翅が、悠々と開放的な空間を旋回する。

まるで亜熱帯の森を滑空する、カラスヤンマのようだと思う。

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by brunneus | 2011-08-15 23:34 | 茨城 | Comments(0)
2011年 08月 14日

豊葦原瑞穂国

先日の画像から。

ウチワヤンマ雄:体長78mm
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ネアカヨシヤンマ雄:体長77mm
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東京都東部に細々の生き残っている、低湿地に生息する代表的な2種。
そしておもむろに、200年前の東京東部に思いを馳せてみる。

当時この地域は、いくつかの大きな河川の河口域にあたり、中州が縦横に発達し、
いたる所に湿地やワンドが点在していた。
おそらく、人が住もうにも、地盤がどろどろで家は建てられなかったに違いない。
見渡す限りアシ原が広がり、所々にハンノキの林がぽつぽつと点在する風景だったのだろう。
苦労して付けられた畦道には、地盤を強化するために、松が植えられていたかもしれない。
だだっぴろい平原に、畦道沿いににょきにょきとひょろ長い松が並ぶ、原野。

それは人間にとっては不快で不毛の大地でも、トンボ類にとっては天国のような環境だ。
夏の真っ昼間、ワンドの岸辺にはウチワヤンマが我が物顔で飛び交い、
日没時刻になると、ハンノキ林の中から次々とネアカヨシヤンマが飛び出してくる。
至る所でこのような光景が見られたのだと思う。

そして現在。
ほんの僅かではあるが、東京東部から千葉県西部にかけて、かつての環境が残されている。
そしてそんな場所には、決まって上記の2種が生息している。

数は少ないが(特にネアカヨシヤンマは稀)、
猫の額ほどの江戸の名残りの風景の中を飛び回っている様を見ると、
一瞬だが200年前にタイムスリップした気分になる。

僅かでも、そうした地域が残されていることに感謝したい。
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by brunneus | 2011-08-14 02:16 | 東京 | Comments(0)