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2011年 11月 27日

グラデーション・その1

いよいよオフシーズンになってきたので、
画像ネタに移行。

トンボの複眼は実に様々な色があって、見ていて飽きない。
そこで色の順に並べてみた。

まず青から緑まで。
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左からマルタンヤンマ雄、トビイロヤンマ雄、ネアカヨシヤンマ雄、オオルリボシヤンマ雄、
エゾトンボ雌、リュウキュウギンヤンマ雄。

そして緑から赤紫まで。
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左からオオルリボシヤンマ雌、マルタンヤンマ雌、キトンボ雄、アメイロトンボ雄、ネキトンボ雄、ベニトンボ雄。

こうしてみるとだいたいの色相は揃っているようだが、彩度の高い黄色と白、
紫色が欠けている。ここに上げていないが、黒色も存在する。

全体で見ると、国産のトンボではやはり緑系がいちばん多いように思う。
とくにサナエトンボ科、オニヤンマ科、エゾトンボ科は、ほぼ全て緑色で統一されている。
次に赤もしくは赤茶系か。トンボ科、とくにアカトンボ類にこの系統が多い。
そういえばヤンマ科に赤系統がいないのが不思議だ。辛うじてマルタンヤンマ雌が近い。
海外のギンヤンマ属では真っ赤なものがいるらしいが、、。
青系統はそれほど多くないが、ヤンマ科の一部やイトトンボ科、トンボ科の一部に見られる。
赤紫系のベニトンボは異色な存在で、国内ではほかにこういう色は見当たらない。

見返してみれば、緑色系のグループは、ほぼ全ての種において雌雄の体色も同じであることに気付く。

複眼色と体色と繁殖戦略。
これはこれで面白いテーマになりそうだ。
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by brunneus | 2011-11-27 22:42 | その他 | Comments(2)
2011年 11月 24日

ヒメとキ

北と南の黄色いトンボ。
大きさも同じくらいで、色の雰囲気も似ている。

並べたら兄弟みたいな感じになるのだろうか。
並べてみる。

左:ヒメキトンボ雄
右:キトンボ雄 
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全然違った、、、。
体型や複眼の色が異なることが大きいのかもしれない。
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by brunneus | 2011-11-24 00:57 | その他 | Comments(2)
2011年 11月 22日

茜その5

アカネ類の顔面をみっつほど。

キトンボ雌
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アキアカネ雄
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ネキトンボ雄
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それぞれ個性的だが、
なかでもキトンボの、足も顔面も、複眼も、全て橙色で統一されたデザインが見事。
ネキトンボはやはり熱帯的な赤色だと思う。
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by brunneus | 2011-11-22 02:14 | その他 | Comments(0)
2011年 11月 19日

茜その4

気温が上がり、キトンボの活動が下火になったころ
どこからともなく、赤い大きめのトンボが水面に滑り込んできた。

鮮やかな赤色、ネキトンボだ。

ネキトンボ雄:体長46mm
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ネキトンボはアカネ類のなかでは早めに活動する種で、
お盆の頃には既に真っ赤に成熟した雄が水面を占有している。
例年、キトンボのシーズンには没姿するのが常だが、今年の秋は暖かかったからか、
まだ生き残っている個体がいたようだ。
しかし手にした個体はどれも色褪せて翅はボロボロ。
あと一回の寒波を乗り越えられるかどうか、というところだろう。

北方種が多いアカトンボの中で、ネキトンボは関東北陸以南の暖かい地方に分布する。
そう考えると、ネキトンボの赤もどこか南を感じさせる情熱的な雰囲気を感じる。

最盛期にもっと綺麗な個体を採りたかったが、今年はそのチャンスを逃してしまった。
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by brunneus | 2011-11-19 22:53 | 埼玉 | Comments(0)
2011年 11月 17日

茜その3

秋が深まると、関東地方ではキトンボのシーズンとなる。

キトンボはそれほど特殊な環境を好むわけではないのだが、
なぜか関東地方(特に南部)では産地が極めて少ない。
目下の所、埼玉県西部の産地がアクセスしやすい唯一のポイントだ。

このポイントは古くから有名なので撮影者はもちろん、
採集者も毎年相当訪れているはずだが、減少した気配がない。

今年も11月の始めの静かに晴れた日、足を運んでみた。
ポイント到着は午前11時。岸辺に立つと同時に、連結態が足元に飛来。
そして視線を移動すると、対岸にも、、、。
ちょうど産卵のピークの時間に当たったらしく、池のあちこちで連結態が産卵していたが、
20分後、気付くと潮が引くように水辺からキトンボの姿が消えていた。
キトンボの終わりはいつも唐突だ。

キトンボ雄:体長45mm
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キトンボ雄:体長44mm
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キトンボの魅力は何と言っても鮮やかなオレンジ色の翅斑だが、
今回採集した個体の中に翅斑が著しく広がった個体をみつけた。

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キトンボの個体変異には今まであまり着目していなかったが、
よく観察するとかなり変異が見られた。

こういう小さな発見をすると、嬉しくなる。
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by brunneus | 2011-11-17 23:45 | 埼玉 | Comments(0)
2011年 11月 16日

パティローマ・その5

番外編。

旅に出ると、予想もしない生き物との出会いがある。
トンボで言うと以前紹介したヒメキトンボがその筆頭だが、
それ以外ではこの2種。

マダラサソリ:体長60mm
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タイワンカブトムシ:体長45mm
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マダラサソリは、八重山に生息していることは知っていたが、
森林で覆われた石垣や西表にしかいないと思い込んでいた。
しかし情報を調べてみると、波照間ではごく普通に見られるらしい。
サソリは今まであまり興味をそそられない種群だったが、
いざ手にしてみると、華奢で繊細なフォルムに惚れ込んでしまった。
ちなみに写真の個体は生きているのを取り押さえたのではなく、
道路に落ちて死んでいたもの。
毒は弱いというが、さすがに元気な個体に手を出す気にはなれない。

タイワンカブトムシは南西諸島では有名なサトウキビの害虫だが、
足掛け10年の沖縄通いでも出会うことはなく、
密かな憧れのムシだった。
それが夜、星を見に散歩していた足元に転がっていたのだ。
星のことも忘れて、感激してしまった。

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今回で南方シリーズは終了。
再び底冷えの関東へと戻る。
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by brunneus | 2011-11-16 01:45 | 沖縄 | Comments(0)
2011年 11月 13日

石垣・その2

ミナミトンボを採ったあと、追加を求めて彷徨っているうちに、
いつしかあたりは夕闇に包まれていた。

この時間に飛ぶトンボといえばあれだ。
さっそく薄暗い貯水槽を見にいくと、いたいた。

オオメトンボ雄:体長50mm
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オオメトンボ雌:体長49mm
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真っ黒な水面をせかせかと移動する褐色の気配。
最盛期にはいくつもの影があちこちで飛ぶのが見られるが、
この日は2匹ほどがささっと現れて、気がつくと消えてしまっていた。

オオメトンボが消えると、風景は一気に蒼味を帯びる。
対岸の斜面からはセレベスコノハズクの「コホッ、コホッ」という声。
その夜の声に追い立てられるように、ポイントを後にした。
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by brunneus | 2011-11-13 22:06 | 沖縄 | Comments(0)
2011年 11月 12日

石垣・その1

波照間島へ渡る前に短時間立ち寄った石垣島。
トンボが予想以上に少なく、サキシマヤンマ、、、という淡い期待は打ち砕かれたが、
(サキシマは貴重なチャンスを外した、、。)
そのかわりミナミトンボが採れた。

ミナミトンボ雌:体長48mm
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同じ仲間のリュウキュウトンボは夏いっぱいで没姿してしまうが、
ミナミトンボは晩秋まで見られるらしい。

リュウキュウトンボは力強く飛ぶが、このトンボが飛ぶ姿は弱々しい。
手にすると、壊れてしまいそうな繊細さがある。

出会えるチャンスはあまりないトンボなので追加を期待したが、
叶わなかった。
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by brunneus | 2011-11-12 13:17 | 沖縄 | Comments(0)
2011年 11月 09日

パティローマ・その4

だだっぴろい島の道を歩いていると、
林縁や空き地をふわふわ飛ぶトンボをよく目にする。
何種類かが混じっているのだが、最も数が多いのがこのトンボ。

ウスバキトンボ雄:体長50mm
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このトンボは常に数匹で群れて飛んでいることが多い。

一方、単独でぽつんと漂っているのがこのトンボ。

ヒメハネビロトンボ雌:体長50mm
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個体数はウスバキトンボよりずっと少ない。
「ハネビロ系」とも言えるこの2種は違う属に分類されているのだが、
翅が長いこと、幼虫の形態が似通っていることなど、
ごく近い種を祖先に持つグループであると思われる。

翅が長い、ということは、風に乗って長距離を移動する能力に長けている、ということ。
洋上にぽつんと浮かぶ島は、
これら放浪するトンボにとっては良き中継地点となっているのだろう。

ウスバキトンボは基本的には熱帯のトンボだが、
風に乗って夏には北海道まで北上し、至る所でおびただしい数が見られる。
しかし冬になると低温に耐えられずに幼虫もろとも全滅してしまう。
そして次の年の春に再び北上を始めるのだ。

すっかり朝晩の寒さが厳しくなった今頃は、
このトンボの北上は屋久島あたりで阻まれているのかもしれない。
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by brunneus | 2011-11-09 23:57 | 沖縄 | Comments(0)
2011年 11月 06日

パティローマ・その3

リュウキュウギンヤンマは、南西諸島では、内地におけるヤブヤンマのような存在だ。
あまり開放的な環境は好まず、薄暗い、どちらかというと貧相な池に多く見られる。

ヤブヤンマと違うのは、薄暗い所だけでなく
その周囲の開けた環境で悠々と往復飛翔することが多いこと。
波照間島でも、島のあちこちに点在する小さくて古い貯水池周辺でよく見られた。

リュウキュウギンヤンマ雄:体長90mm
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6月に訪れた沖縄本島ではごくたまに高空を飛ぶ個体を見かける程度だったが、
波照間では複数の場所で路上や空き地を往復する個体を見た。

リュウキュウギンヤンマは国内のギンヤンマ属のなかでは最も大きくなる種だが、
単体で見ただけではギンヤンマとそっくりでその違いが分からない。
実際に並べてみるとこれくらい違う。

左:リュウキュウギンヤンマ 右:ギンヤンマ
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身体が大きいだけでなく、腹部がすらっと長いことや、
複眼も若干大きいことに気付く。

林に囲まれた路上を、強烈な日差しを浴びて悠然と飛ぶ大きなシルエット。
これも亜熱帯を象徴する光景だと思う。
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by brunneus | 2011-11-06 22:41 | 沖縄 | Comments(0)