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2012年 05月 29日

憧れ

決して暇なわけではないのだが、今日(昨日)しかなかった。

仕事前の空き時間を利用して電車へ飛び乗り、東へ。
仕事のイベントでも何度も訪れたことがある広々とした公園。

低気圧の接近の影響で、強風が吹き荒れている。
風に翻弄される広葉樹を首が痛くなるほど凝視し、諦めかけたころにやっと見つけた。

ホシベニカミキリ:体長27mm
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最近、仲間内で流行っているカミキリムシで、一週間前に仲間に先を越されてしまった。
仕事やトンボのスケジュールを考えると、もうチャンスはない。
思い切って短期決戦のつもりで出かけた甲斐があった。

このカミキリムシを初めて知ったのはいつだかもう覚えていないが、
そのエキゾチックでベルベットな鮮赤色に、一目見て惚れ込んでしまった。
しかしカミキリムシなどずぶの素人で、採れるわけはないと、半ば諦めていた。

ところが数年前、たまたまネットで情報を掴み、
トンボ採りへ行く途中に思い当たる場所に立ち寄ったところ、
幸運なことに新鮮な死体を拾ったのだった。
初めて手にするホシベニカミキリに興奮し、時間も忘れて追加個体を探したが、
その日は結局見つけることはできなかった。
その後調べた情報によると、このカミキリは初夏にピークを迎えるらしいので、
今考えると当時はもう発生末期だったのだろう。

それ以来、毎年このカミキリを狙おうと思いつつも、
目の前の事柄に気を取られてしまっているうちに、シーズンを逃してしまっていたのだった。

そして今回。
もともと意識がトンボ用にカスタマイズされているので、初めは見つけるのに苦労した。
しかし、最初の1頭を見つけると「カミキリ眼」が養成されたのか、不思議と次々に発見できる。
これは面白かった。

情報には「タブノキ」に付くと書かれていることが多いが、
今回はどれも「マテバシイ」で採集。
ホストの幅もある程度広いようだ。

とにかく、念願の目標を達成できた。
嬉しい、というより肩の荷が降りた感覚。
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by brunneus | 2012-05-29 01:23 | 東京 | Comments(2)
2012年 05月 28日

日本的

普段は見向きもしないのに、ふとした瞬間にはっと美しさに気付く。

例えばそれは初夏の川縁にゆらゆらと飛ぶニホンカワトンボ。


ニホンカワトンボ雄:体長65mm
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都内でも多摩の山沿いに行けばいくらでもいる普通種だが、
いざ手にしてみると、カワトンボ類の中でもトップクラスの美しいトンボであることを発見する。
透き通るような橙色の翅と、おしろいを施したような身体。
どこか日本的な美しさを持つトンボだと思う。

あまりに普通であるがために、このブログ初登場のニホンカワトンボ。
今シーズンは、こういった、隠れた美しさを秘めたトンボや虫達にも注目してみようと思う。
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by brunneus | 2012-05-28 00:23 | 東京 | Comments(0)
2012年 05月 27日

ついに、、

新しいトンボ図鑑が発売されるらしい。
何年待ったことか!!

図鑑好きには堪らない内容。
その日まで、今から指折り数える日々が続く。
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by brunneus | 2012-05-27 01:38 | つぶやき | Comments(0)
2012年 05月 23日

そしてその次へ

先日の千葉行きはトラフトンボが目的ではなく、
このトンボが狙いだった。

アオヤンマ雄:体長72mm
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同雌:体長71mm
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成熟したての美しい緑色が眩しい。

連休に訪れてから3週間。
沼の主役は、トラフトンボからアオヤンマに入れ替わっていた。
しかし到着が暑い盛りだったためかどの個体も活発で、
草むらに静止しているものは踏み込んだ瞬間にみんな飛ばれてしまい、
採集はなかなか苦労させられた。

いつもはネアカヨシヤンマとセットでアオヤンマを採るだが、時期的にボロボロの個体ばかり。
きれいな個体を入手するには今の時期が最適だ。
アオヤンマの数は多く、草いきれが充満する初夏の沼を満喫できた。



おまけ。
月曜朝の金環日食。ありあわせの素材を張り合わせた即席フィルターで撮影。

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予報が芳しくなかったので半ば諦めていたが、なんとか観測できた。
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by brunneus | 2012-05-23 00:08 | 千葉 | Comments(2)
2012年 05月 21日

トラフトンボについて

毎年、このトンボについて同じようなことを書き、同じような写真を載せているような気がするが、
今年もしつこくまた同じようなことを書く。

それほどまでにトラフトンボは魅力的なトンボなのである。
何が魅力的かと言うと、産地の少なさ、コツのある採集法など色々あるが、
やはり一番は雌の翅の黒条の個体変化だろう。
この「個体変化」というキーワードがなんとも心をくすぐるのだ。

トラフトンボ雌:斑紋変化
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まったく無班のもの(左上/と言いつつ僅かに褐色筋が、、)から、
太い黒筋が堂々と走るもの(右下)まで、実にいろいろな段階がある。
一番多いのが、右上、左下の黒条が薄くも濃くもないタイプ。
左上の無班は一番少なく昨年は採れずじまいだったが、今年は2頭手にすることができた。

前後の翅の前縁に出る黒条の変化のパターンが、憧れのミナミヤンマの雌のものに酷似している、
という点も、個人的にこのトンボに魅力を感じる一因かも知れない。

春の青空を背にして頭上を悠々と飛びまわる姿や、
岸辺に立つ足元に、突然転がり出てくる交尾態と対峙する時の興奮。
目を閉じると、そんなシーンが鮮やかに瞼の裏側に浮かび上がってくる。

数日前、再び千葉のトラフトンボの産地へ赴いたが、
もう最盛期の賑わいは見る影もなかった。

今年はかつてなく堪能することができたので、
トラフトンボに関しては、もう思い残すことはない。
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by brunneus | 2012-05-21 01:03 | 千葉 | Comments(0)
2012年 05月 19日

真珠

甲虫つながりで、先日の千葉の産物から。

水辺ではついつい頭上のトンボに意識が偏りがちだが、足元を見るとこんなものがいる。

アシナガコガネ:体長8mm
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1センチに満たない小さなコガネムシで、飛んでいる姿はまるでハエのようだ。
しかし良く見てみると、きれいな鶯色をしている。
そして裏返してみると、なんとも言えない真珠のような光沢。

ちょっと他の虫には見られない、高級感溢れる色だ。
もし体長があと3倍ほどあったら、間違いなく大人気の虫になっていたに違いない。
このコガネムシの存在に気付いたのは数年前。
以来、見かけるたびにいくつか摘んでいる。

この時期限定の小さなオマケに、気持ちが和む。
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by brunneus | 2012-05-19 23:57 | 千葉 | Comments(0)
2012年 05月 18日

初認

今日の午後。

仕事へと向かう国立大学通り。
南口の駐輪場の木陰に差し掛かったところで、足元をうごめく物が視界に入った。
どうやら虫のようだが、何となく気になる動きだったので屈んで確認してみた。

そしてそこにいたのは、なんとヒゲブトハナムグリのペア。
雄が雌にマウントしてのそのそと歩いていたのだ。

そして次の瞬間、手が出た。
二匹同時に掴むのを失敗。雄は指をすり抜け飛んでいってしまったが、
なんとか雌は捕まえることができた。

ヒゲブトハナムグリ雌:体長10mm
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晩春の短期間にだけ姿を現す小さな美麗ハナムグリで、
図鑑では知っていたが、まさか地元に生息しているとは思わなかった。
調べてみると都内でも記録は多く、珍しいわけではないのだが、
自然が豊かな規模が大きい環境にいるとばかり思っていた。
あの猫の額のような緑地のどこで繁殖していたのか、さっぱり見当もつかない。

近い仲間に、オオヒゲブトハナムグリという、
さらにきらびやかな宝石のような種類が八重山に分布している。
ネットで検索すると、採集記がたくさん出てくる虫屋垂涎の甲虫だ。

国立の個人的な甲虫リストに新たな種類が加わった。
今年はこれからどんな出会いがあるのだろうか。
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by brunneus | 2012-05-18 00:08 | 東京 | Comments(0)
2012年 05月 13日

雄虎

連休が終わり、トラフトンボのシーズンも後半にさしかかっている。

数年前までは連休中にシーズンが終わってしまうと思いこんでいたので、
それ以降の時期のトラフトンボに関する知見は無かった。
しかしヤンマ類を狙うついでに、昨年あたりから連休後もちょくちょく訪れている。

行ってみて分かったのは、連休後もしばらくは雄雌共に活発な活動が見られるということ。
雌の摂食飛翔も未熟期のみの行動だと思っていたが、成熟した個体も活発に飛び回っている。
そして交尾も産卵も頻繁に見られる。

トラフトンボは、どうやら思っていたよりも息の長いトンボのようだ。

そしてこの時期の雄が意外にも美しい。
成熟したばかりの頃に比べ、複眼と身体の色彩はより鮮やかになり、翅も褐色にけぶって、
ある種の貫禄のようなものを感じる。

トラフトンボ雄:体長53mm
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トラフトンボの「裏シーズン」と勝手に名付けているこの時期。
毎年、今年こそはシーズンの最後を見届けたい、と思っているのだが、
サラサだの、ムカシヤンマだの、サナエだのとあちこちのポイントをかけずり回っているうちに、
いつの間にか姿を見なくなっている。

こんな具合なので、なかなか知見が深まらないのだ。
そして気持ちは既に「次」に向かっている。
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by brunneus | 2012-05-13 03:32 | 千葉 | Comments(0)
2012年 05月 09日

クリイロの季節

昨日。
朝の通勤時に、八王子の職場構内の通路脇に見覚えのある物体が落ちていた。

それはまぎれもなく、1年振りのクリイロコガネ。

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体長は2㎝ちょっとだが、この仲間としては大きいほうで、どっしりとした重量感がある。
名前の「栗色」の通り、マットな光沢の赤褐色は栗の皮そのものだ。

職場では去年あたりから見られるようになったコガネムシ。
見つけた時はその大きな赤褐色の体を眺めても名前が浮かばず、ひょっとしてレア種なのか?
と心躍ったが、調べてみると珍しくはない種であるらしく、ちょっとがっかり。

あれから1年が経つが、今のところ八王子の職場以外ではまだ出会っていない。
(まあ、探すということをしていないからだが、、)

このコガネムシが現れると春の甲虫であるオオキイロコガネのシーズンは終わりを告げ、
季節は初夏へと加速する。

一週間ぶりの職場は、新緑が眩しかった。
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by brunneus | 2012-05-09 00:48 | 東京 | Comments(0)
2012年 05月 07日

Epitheca

トラフトンボ雌を詳しく観察してみる。

ついつい特徴がある翅の黒帯に関心が行きがちだが、最大の特徴は、雌の腹端にある。

横から
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上から
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赤矢印で示した部分が産卵弁。
交尾後に受精した雌は岸辺の草に静止し、ここに大きな卵塊を作るのだ。
この産卵弁の形状は独特で、ほかのトンボ類には見られない。

一説によると、トラフトンボ属名「Epitheca」の意味は、
この産卵弁の形質に由来するという。

トラフトンボが属するエゾトンボ科は雌の産卵弁が特徴的な種が多いが、
トラフトンボはその中でも際立って個性的。

卵塊を作るトンボはサナエトンボ科やミナミヤンマ類が有名だが、
トラフトンボ属の種と比べると、はるかにその大きさは小さい。
産卵弁の独特な形が、あの大きな卵塊形成に役立っているのだろう。
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by brunneus | 2012-05-07 23:40 | 千葉 | Comments(0)