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2012年 06月 27日

北の蝦夷

先日訪れた寒冷地の池には、オオトラフトンボともう一種、狙っていたトンボがあった。

カラカネトンボ雄:体長45mm
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エゾトンボ科に属してはいるが、エゾトンボなどとは別グループで、
国内では1属1種で「カラカネトンボ属」というグループを構成している。

エゾトンボ、ハネビロエゾトンボなども北方系のイメージが強いが、これらは丘陵地の谷津など、
暖かい低地にもよく順応している。
しかしカラカネトンボにはそういった順応性が無く、徹底的に冷たい水にこだわる。
そのため関東では標高が高い山地の池にしか棲息していない。
純然たる「北のエゾトンボ」だ。
このトンボも例に漏れず、分布も前出の2種のイトトンボ同様に北海道、東北、中部山岳などの寒冷地に偏っている。

雄は水面上低くを岸に沿ってツ、ツ、とホバリングを交えて敏速にパトロールし、
わちゃわちゃと岸辺で大騒ぎするヨツボシトンボには我関せずといった風情で、
マイペースに池を周回する。

カラカネトンボは、このポイントではヨツボシトンボに次いで個体数が多いはずだが、
今回は殆どその姿を見ることはなかった。

時期が遅いからか、外来魚が増えたからか、温暖化が進行しているからか、、。
来年は沢山飛び交うポイントに戻っていることを切に願う。
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by brunneus | 2012-06-27 22:40 | 群馬 | Comments(0)
2012年 06月 26日

小さな北方系

先日の寒冷地の池。

ヨツボシトンボの空中戦の下で、慎ましく飛び交っている小さなトンボが目に留った。
ちらちらと草間に見え隠れする青色を目で追う。どうやら二種類いるようだ。

左/オゼイトトンボ:体長36mm 右/エゾイトトンボ:体長35mm
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いずれも東北や北海道などの寒冷な地域に分布の中心を持つ、北方系のイトトンボ。
もちろん、東京近辺での産地は皆無だ。
関東南部でも出会える青いイトトンボといえば、
セスジイトトンボやオオセスジイトトンボ、オオイトトンボなどだが、この二種の青さは別格。

なんというか、北方系のトンボならではの爽やかな青色というか。高原の澄んだ青空というか。

イトトンボにはどうしても関心が持てないのだが、
普段見慣れない小さな鮮やかな青色に、思わず息を飲んだ。
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by brunneus | 2012-06-26 22:00 | 群馬 | Comments(0)
2012年 06月 24日

続・小さな弾丸

デッドラインぎりぎり。
今日を外すともうチャンスは無いので、7年振りに寒冷地にある池に行ってきた。

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清らかに澄んだ冷たい水面に、浮葉植物が一面に繁茂する。
トンボなどの水生昆虫からしてみれば、天国のような環境だ。

しかし、この天国への道のりはやはり遠く、コストもそれなりにかかる。
今回の目的はオオトラフトンボなわけだが、結果から言えば、見事に振られてしまった。
うーん、、、。
やはりオオトラフとは相性が合わないようだ。このポイントでいい思いをした試しがない。

一向に姿を見せないオオトラフとは対照的に、元気いっぱいに飛び回っていたのがヨツボシトンボ。

ヨツボシトンボ雌:体長45mm
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前回登場したハラビロトンボよりは少し大きいが、縦横に飛び回り、雄同士できりもみ飛行
する様子は、黄色い小さな弾丸といったところか。
寸胴なフォルムもどことなく共通点を感じる。

ヨツボシトンボは寒冷な池を好む北方系のトンボで、
東北や北海道ではごく普通に見られるらしいが、温暖な関東南部では極めて稀。
都内で把握している産地は3箇所あるが、個体数は少ない。

こんな状況なので、全国的に見れば普通種であるにもかかわらず、
自分にとっては気軽に採れるトンボではないのだ。
今回は、オオトラフが採れなかった保険として期待していたのだが、
その期待にはしっかりと応えてくれた。

そしてこんなものも。

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ヨツボシトンボはごく稀に、翅の斑紋が拡大した「プラエヌビラ型」という個体が
出現するらしいが、今回はその範疇に入りそうな雌が採れた。

ヨツボシトンボとの付き合いは長いが、プラエヌビラには初めて出会った。
まあ、これが採れただけで今回ははるばる遠征した甲斐があった、
と自分を納得させてみる。
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by brunneus | 2012-06-24 23:01 | 群馬 | Comments(2)
2012年 06月 23日

小さな弾丸

ハラビロトンボは、背の低い湿性植物で覆われたような湿地に棲息している。
トンボの仲間としては小型の部類に入り、大きさは3〜4㎝くらいしかない。
小さいながらも行動は活発で、雄は常に湿地の上で空中戦を展開している。
まるで弾丸が飛び交っているようだ。

ハラビロトンボ雄(左)雌(右)
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ハラビロトンボはパイオニア精神が旺盛なトンボらしく、
先日の埼玉では広場の轍に出来た一時的水たまりにも多くの雄が集まってきていた。
都内でも、谷津の湿地にぽつんと雄が飛んでいるのを見たことがある。
日照りが続くとすぐに干上がってしまうような環境を住処とするので、
移動性が強くなったのだろうか。

この小さな身体で、新天地を求めて遠くまで移動する姿は
なかなか想像できない、、、。
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by brunneus | 2012-06-23 14:29 | 埼玉 | Comments(0)
2012年 06月 21日

雌の行動

トンボの成虫の行動は、成熟すると雌雄で異なることが多い。

一般的には雌は普段は林や茂みの中に潜み、産卵時にだけ水辺に姿を現す。
子孫を残すにあたって、外敵に襲われる無用なリスクを避けるためだ。

しかし、ムカシヤンマはちょっと違う。

ムカシヤンマ雌:体長76mm
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日当りのいい谷戸の広場などに、雄に混じってのんびり地面に止まっているのだ。
雄の数が多いと捕捉されたりもするが、多くの場合、雄雌仲良く日向ぼっこをしている。
まあ、人間の目から見るとそう見えるだけで、ムカシヤンマたちはそれなりに
必死なのかもしれないが、、、。

とにかく、その名の通り、恐竜時代の太古から、この「のんびり」した生活が
延々と続いているかと思うと、感慨深いものがある。
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by brunneus | 2012-06-21 13:59 | 東京 | Comments(2)
2012年 06月 19日

続ルリカミリ

ルリカミキリはが生息するのは、こういう、何の変哲もない植え込み。

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写真中央の赤い葉がある植え込みが、レッドロビン(ベニカナメモチ)だ。
レッドロビンを見つけたならば、さっと駆け寄って、ある物を探す。

それがこれ。

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葉の主脈に沿って付けられた、細長い傷跡。
これがルリカミキリの食痕だ。
この食痕が見つかれば、近くに本体がいる可能性は高い。

しかし、時期が悪いのか、目が悪いのか、食痕が見つかっても、なかなか本体は見つからない。
この株ではトータルして3個体しか採れていない。
食痕は沢山あるのだが、、、。

不審者と間違われるので、頻繁にチェックできないのが痛いところ。
毎日通る道なので、しばらくしたらまた見てみよう。
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by brunneus | 2012-06-19 00:06 | 東京 | Comments(0)
2012年 06月 17日

やっと!

昆虫図鑑で気になっていたルリカミキリ。

池袋でも記録があるので都市にも適応しているらしいのだが、
ホストなどの情報が書いていなかったので、どうやって採るか見当もつかなかった。

しかし、最近見たカミキリ図鑑に「レッドロビンに発生する」と書いてあるのが目に入った。
その「レッドロビン」の写真を見ると、よく生け垣に使われている、どこにでもある木だ。

なんだ余裕じゃん、とばかりにここ1、2週間ほど近所のレッドロビンをチェックしていたのだが、
食痕がある木は発見できたものの、本体を確認するには至らなかった。
自宅付近にはレッドロビンは沢山ある。しかし食痕がある生け垣はなかなか見つからない。

そして昨日。
駅までの途中の道で、レッドロビンの生け垣を見つけた。毎日通っている道だ。
接近して見ると、葉の主脈に沿って付いたトホシカミキリ類独特の食痕を発見。
これは!と思った瞬間、手前の枝にしがみつく瑠璃色の虫が目に入ってきた。
通行人の目線を気にしつつ、そっと摘む。思っていたよりも大きい。

ルリカミキリ:体長10mm
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用事を済ませた帰りにもう一度見てみると、さらに別個体を発見。
調べてみると春から初夏に発生するカミキリらしいので、まだ少しはシーズンが続くのだろうか。

タブノキの次は、レッドロビンからも目が離せなくなってきた。
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by brunneus | 2012-06-17 00:02 | 東京 | Comments(0)
2012年 06月 16日

春のギンヤンマ

春から初夏にかけて、木陰のある池に行くと必ず見られるヤンマがこれ。

クロスジギンヤンマ雄:体長75mm
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大きさはギンヤンマくらいだが、鮮やかな青色をちりばめた腹部がお洒落。
青味を帯びた複眼は国産のギンヤンマ属では唯一、クロスジギンヤンマだけの特徴だ。

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トンボをまだ始めていなかった学生時代。
大学からの帰宅途中に、新宿の実家近くの公園の広場を歩いていると
突然頭上からふらふらと落下してきたのが、このヤンマとの最初の出会い。

当時はトンボの知識は皆無に等しかったので、腹部の鮮やかな青色を見て
「ルリボシヤンマだ!」と一人興奮したのだった。

トンボを始めてみるとこのヤンマは行く先々で出会うので
今ではすっかり有り難みが無くなってしまったが、
初めて出会った時の感激は、忘れないようにしたいものだ。

クロスジギンヤンマは小規模な木陰のある池を好む。
都内にも都心郊外問わず、まんべんなく生息している。
小さな個人宅の池や、規模が小さい公園の池、貯水槽などに多く、
それらの小さな発生環境を点々と移動しながら世代を繋いでいるのだろう。
住宅密集地にも適応した、都市型ヤンマとも言える。

逆に、メジャーな存在であるギンヤンマは開放的な大きな池を好むので、
むしろ都心部では産地は少ない。

普通種なので、どうしても軽視しがちでまともな写真が無かったのだが、
今年はしっかりと撮影できた。
本当は雌も狙っていたのだが、ついに出会うことは叶わなかった。
雌はまた来年の課題だ。
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by brunneus | 2012-06-16 02:39 | 東京 | Comments(2)
2012年 06月 14日

意外と少ない

埼玉のサナエトンボポイントでよく出会うのが、アオハダトンボ。

アオハダトンボ雄:体長66mm
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直射日光の下で見ると翅が青白く輝いてとても綺麗なのだが、
こうして照明を当ててしまうと光が透過し、何の変哲もない薄黒い色になってしまう。

アオハダトンボの仲間は国内では他に、真夏に多いハグロトンボと
奄美大島以南に分布するリュウキュウハグロトンボという瓜二つの種類が生息している。
しかし普段はこの類いにそれほど関心がないので、
写真をちらっと見ただけではこの3種類を見分ける自信がない。

屋外での行動としては、アオハダトンボは日当りのいい川原を元気よく飛び回り、
リュウキュウハグロトンボとハグロトンボは薄暗い流れの岸辺にひっそりと止まっている、
というイメージがある。

リュウキュウハグロはともかく、
ハグロトンボは少し郊外の用水路などに行けば普通に見られるのに、
アオハダトンボはごく限られた場所でしか見たことがない。
2種共に同じような河川中流域を生活ステージとしているのだが、
この分布域の差はどこから来るのだろう。
河床環境の微妙な差異で棲み分けているのかも知れない。


野外ではサナエトンボに夢中でこのトンボは意識には入ってこないが、
こうしてじっくり眺めてみると、やはり綺麗なトンボだ。
鮮やかな緑色に輝く身体は、初夏の柔らかな太陽光が良く似合うと思う。
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by brunneus | 2012-06-14 00:35 | 埼玉 | Comments(0)
2012年 06月 12日

4年目

あと数分でこのブログも4年目に入る。

自分でもここまで続くとは思わなかったが、途切れ途切れでも続けたことで
何かしらの蓄積が出来たのならば嬉しい。

そしてもし、こんな自己満足ブログを読んで頂いている方がいるとすれば、
それだけでも続けていた甲斐があったと思う。


記念すべき4年目のトンボは、ホンサナエ雌。

ホンサナエ雌:体長52mm
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このブログでは初登場だ。(雄は幾度か登場していたと思う)
雌はなかなか狙って採れないので、先日の埼玉のポイントでは偶然目の前に飛来し、
幸運を物にすることができた。
サナエトンボ類きってのずんぐりむっくりな体型はなんだかかわいらしい。

東京は梅雨まっただ中。
しばらくトンボは採りに行けそうにないので、
撮りためた画像を少しずつアップしていこうと思う。
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by brunneus | 2012-06-12 23:55 | 埼玉 | Comments(0)