<   2012年 08月 ( 8 )   > この月の画像一覧


2012年 08月 29日

金緑色2012

ようやく金緑色のトンボが揃った。

左上:エゾトンボ雄/下:同雌
中上:ハネビロエゾトンボ雄/下:同雌
右上:タカネトンボ雄/下:同雌
a0126535_051282.jpg


全身が金緑色で殆ど斑紋がなく、大きさも揃ったこのグループは
他のトンボとは一線を画す独特の雰囲気を醸し出している。

まだトンボを始めていなかった頃。
トンボと言えばシオカラトンボやアカトンボ、そしてオニヤンマの模様しか知らなかった
当時の自分にとって、図鑑で見たメタリックグリーン一色のトンボ類はとても新鮮だった。

そしてトンボを始めて時間が経ち、
知識も増えた現在では当時のような新鮮さを感じることはもうないが、
夏と秋の境目に出現するこのグループは、
自分にとって季節の移りかわりを実感させてくれる大切な存在となった。

今年もエゾトンボ、ハネビロエゾトンボ、タカネトンボと一通り揃ったところで、
秋を迎える心の準備が整った。

つい先日、エゾトンボに関する自己新発見をしたばかりなので、
まだまだ引きずられそうだが、、、。

その向こうにマダラヤンマの気配を感じ始めている。
[PR]

by brunneus | 2012-08-29 01:06 | 関東 | Comments(2)
2012年 08月 25日

雌の日

ここのところ、夏の残骸と言うには元気が良すぎる太平洋高気圧が居座っている。

日中は暑くて参ってしまうが、トンボ採りには好都合。

エゾトンボの次の目標は、ハネビロエゾトンボ。
このトンボに確実に出会うには、延々電車を乗り継いで北関東まで行かなければならない。

午前10時。
最寄りのバス停を降りると、遮るものがないだだっ広い空から、容赦ない日差しが照りつける。
しかし八重山の殺人的な日射を経験すれば、この程度の日照はなんてことはない。

日照りの地帯から林内に入ると、涼しげな風が吹き抜ける。
木々の緑を反射し滔々と流れる小川に、懐かしい四角いシルエットを見つけた。
よく見るとここにも、その向こうにも。
ハネビロエゾトンボは今年も健在のようだ。

雄は時々ホバリングを交えつつ、水面上を注意深く往復する。
そんな雄に混じり、違う動きをする個体が時々やってくる。
じっと見ていると、腹の先をちょんと水面に付けた。雌だ!
急いで現場に駆けつける。

ハネビロエゾトンボ雌:体長65mm
a0126535_23482398.jpg

a0126535_00164.jpg


この日は雄も多かったが、過去になく雌の産卵も多かった。

そして背後の水面での「ガサガサッ」という音に振り向くと、交尾態が。
飛ぶ行方を追うと、二匹は頭上の木の枝に止まった。

a0126535_2351276.jpg


このポイントに通い始めてずいぶん経つが、交尾態を見たのは初めてだ。
数が多いと普段見られないような光景が見られるらしい。


残す金緑色は、タカネトンボのみ。
夏のゴールが見えてきた。
[PR]

by brunneus | 2012-08-25 00:02 | 栃木 | Comments(0)
2012年 08月 22日

ようやく

予報は晴れマークがずらり。
ようやく不安定な天候を脱したと思ったら、8月も下旬に差し掛かっている。

もうピークは過ぎているとは思いつつ、北関東のエゾトンボの産地へ行ってきた。
前日にトンボ仲間から聞いた情報によると、状況はあまり芳しくないらしい。
しかしこれだけ待たされたのだ。芳しくないからと言って、行かないわけにはいかない。

という訳で、電車に揺られて延々4時間、午後1時にポイントに到着。
天気は最高。周囲の林からはミンミンゼミ、アブラゼミの合唱がけたたましく響く。

さて、空間を飛ぶシルエットは、、、。
さっそく見つけた。暗い杉林を背にしているので、動きが手に取るように把握できる。
トンボも、まったく無警戒にのんびりと浮かぶように摂食飛翔している。

さっと駆け寄り、静かにアプローチ。快音。
この場所を飛ぶのはいつも雄なので、目の前を飛ぶ個体も雄と信じて疑わなかったが、
ネットに入っていたのはなんと雌。

エゾトンボ雌:体長60mm
a0126535_1354897.jpg


これは幸先がいい!
と調子を良くしてポイントを巡るが、さっぱり後が続かない。

結局、この日に目にしたエゾトンボは数頭に留まった。
昨年の大発生からするとお寒い状況だが、
冷静に考えてみると、2年前以前の発生状態に戻ったような感じだった。

なにはともあれ、頭上をふわふわ飛ぶエゾトンボ雌が見られて
自分の中でようやく季節が一つ前に進んだ気がする。

a0126535_1402067.jpg


帰り道、田園の遥か遠くに浮かぶ積乱雲が、夏の終わりを告げている。
[PR]

by brunneus | 2012-08-22 01:43 | 茨城 | Comments(0)
2012年 08月 17日

当たりくじ

本格的に休日悪天のサイクルになってきた。
仕事の日は晴れて高温、休みの日は低温で雷雨。

うーん、この流れはいつまで続くのだろうか、、。

退屈しのぎ第二弾。

マルタンヤンマは、胸部前面に模様が殆ど無い、ヤンマ科では珍しい斑紋パターンを持った種だ。
しかし採った個体を注意して見てみると、個体によってばらつきがあることがわかる。

上段:マルタンヤンマ雌
下段:マルタンヤンマ雄
a0126535_23214479.jpg


画像の左端の個体は雌雄共に殆ど斑紋は無いか、あっても痕跡程度のものだ。
真ん中は中程度に発現(雌はスポット状)、右端は斑紋が発達した個体。

「胸部前面に模様が殆ど無い」という特徴をマルタンヤンマらしさだとすると、
右端の個体は、甚だマルタンヤンマらしくない。

マルタンヤンマだけでなく、こういった、「らしくない」特徴を持つ個体は面白い。

例えば昨年採ったカラスヤンマ雌。
a0126535_23353182.jpg


「翅が黒いこと」が特徴のはずのカラスヤンマにおいて、翅の黒色部が著しく退化している。

ネットの中から取り出したトンボがこういう個体だと、当たりくじを引いたようで
なんだか嬉しくなる。
「らしくない特徴」は、その隣に横たわる近縁種との橋渡しのようなものを感じるのだ。



明日も関東は雲マークと雨マークが大活躍。
やれやれ、、。ゆっくり休むしかなさそうだ。
[PR]

by brunneus | 2012-08-17 23:42 | つぶやき | Comments(0)
2012年 08月 14日

黒いアオヤンマ

ここの所、休日のたびに悪天候が続き、予定している採集行がことごとく中止になっている。
これにはストレスが溜る。

新たなネタもないので、先日の千葉から。

ネアカヨシヤンマと言えば黒と黄色の反復模様、というイメージがあるが、
成熟した個体をよく見てみると、特に雄で胸部の明色部が緑色を帯びている。

「黄色と黒の反復」という固定観念と、周囲が黒色で囲まれているので意識したことはなかったが、
実はこの緑色はアオヤンマと同じくらい鮮やかなのではないだろうか、と気になった。

そこで並べてみる。

左:アオヤンマ雄 右:ネアカヨシヤンマ雄
a0126535_23285781.jpg


画像の中央にある緑色のふたつの正方形は、両種の胸部の同じ部分を抽出したもの。
左の正方形はアオヤンマのもの、右の正方形はネアカヨシヤンマのものだ。
こうして見ると、両者の緑色に殆ど違いはない。

それほど厳密に抽出しているわけではいのでなんとも言えないが、
ネアカヨシの緑色はアオヤンマのものに近い質のもの、ということが言えそうだ。

「ネアカヨシヤンマの黒色を取ると、アオヤンマになる」

頭の中でこんな妄想をしてみると、この2種がぐっと近づいてくる。

こういう小さな発見で、悪天候の休日の退屈しのぎをしている。
[PR]

by brunneus | 2012-08-14 23:37 | つぶやき | Comments(0)
2012年 08月 12日

秋マル始まりました

先週の休日は、エゾトンボの産地へ行こうと思ったのだが、
家を出ると涼しい風が吹き抜ける。予報も芳しくない。

片道4時間もかけてヌルは嫌なので、すごすごと家に引き返した。
しかしせっかくの休日。家で過ごすのはもったいない。

そこで近場の北多摩のマルタンポイントの様子を見に行くことにした。

16時。ポイント到着。まず目についたのはキイトトンボ。

a0126535_121151.jpg

はるか昔、高知に遠征に行った時は、
見つけた溜め池でそれこそ無数に群れていたのを覚えているが、
都内では見かけることは少ない。
いつの間にこの谷にやってきたのだろう。

そして待つことしばし。
上空に見慣れた褐色の翅が現れた。

マルタンヤンマ雄
a0126535_1212129.jpg


褐色に染まった翅と、複眼と胴体のコバルトブルー。
秋に老熟した個体ならではの、美しいコントラストだ。
何度も書いている気がするが、個人的にはこの時期のマルタンが一番美しいと思う。

この日はまだ秋マルタンとしては若干早かったのか、
明るい時間帯に飛ぶ個体数は少なかった。
日没後の暗い谷底を、縦横に猛速で飛び回るパターンが多かったのが印象的。

無事マルタンが採れて満足し、帰り道の林内で足元に気配。
ほぼ真っ暗なので、何かは分からない。糸くずのようなものがふわふわ足元を舞っている。
しかし、これもこのポイントでは見慣れた風景。

ふわふわがいるあたりに見当を付けて、さっと網を振る。

ミルンヤンマ雌
a0126535_12164913.jpg


残念ながら、未熟個体特有の、翅に黒色の筋が入った個体ではなかった。
この日はミルンはこの個体一匹。
これから次々に出てくるのだろう。


近所ではコオロギが鳴きだした。
いつの間にかニイニイゼミの勢力は衰え、アブラゼミの中にツクツクボウシの声も混じっている。

生き物の暦は秋に入りつつあるようだ。
[PR]

by brunneus | 2012-08-12 12:22 | 東京 | Comments(0)
2012年 08月 09日

久々

先日の千葉。ネアカヨシヤンマポイントからの帰り道。

田んぼの泥と水の匂いに包まれた、暗闇の畦道を歩く。
様々な夏の夜の虫の声の向こうに、ひときわ目立つ鳴き声をみつける。
歩くほどに声は大きくなり、音の方向を探ると、どうやら向かいの草むらで鳴いているようだ。

春によく聴くクビキリギスの声に似ているが、より太く大きく、
周囲の空気を振動させるような感じ。

これがカヤキリの鳴き声だ。

カヤキリ雄:体長60mm
a0126535_1304050.jpg


関東周辺のクサキリ類の中では最大種で、それに比例して鳴き声も大きい。
重量感満点の体つきと、どこか凶暴なサメを思わせる大きな顔面が、カヤキリの魅力。

神奈川のマルタンヤンマのポイント近くでもかつて鳴き声を聞いたことがあるが
(不思議なことに近年全く聴かれなくなった)、何故か都内では出会ったことがない。
千葉でも毎年ネアカヨシの季節には鳴き声は聞こえるものの、
どの個体も密生したススキなどの薮の中にいて、とても探す気になれない。

しかし先日は、偶然に歩道脇の小さな雑草の上で鳴いている個体を発見。
うっかり手づかみすると、強大なアゴで咬まれて痛い思いをするので、
ネットを出してふわっと中に引き込む。
手にしたときのずっしりとした重み。何年振りだろう。

カヤキリとの出会いは、いつも運次第。
次に出会えるのはいつになるのだろうか。
[PR]

by brunneus | 2012-08-09 02:05 | 千葉 | Comments(0)
2012年 08月 05日

過ぎ行く夏・8月のアオヤンマ

8月上旬。

灼熱の木陰の隅に、じっと息を殺して耐えている秋が
一日一日と、その勢力を少しずつ増してくる季節。

まだ夏がその力を謳歌しているうちにと思い、
7月に失敗している千葉のネアカヨシの産地に行ってきた。

天気は晴れ。風も弱い。気温も十分に高い。
こんな日は、ヤンマの黄昏飛翔にもってこいのコンディションだが、
はたして結果は最高のものだった。
久々に、頭上を飛び交う多数のネアカヨシヤンマを堪能できた。

意外だったのは、さすがにもう絶えているか、いても瀕死の個体だけだろうと思っていた
アオヤンマが、まだまだ元気に活動していたこと。

アオヤンマ雄
a0126535_2183871.jpg


しかし前回よりも明らかに老化が進んでいて、翅も擦れて、茶色く濁っている。
数が多いネアカヨシヤンマも、かなり老熟。

ネアカヨシヤンマ雄
a0126535_2194164.jpg


アオヤンマの季節ももうじき終わり、
ネアカヨシヤンマのシーズンもピークをやや過ぎたようだ。

いっぽう、丘陵地の谷津では、これからピークを向かえるヤンマもいる。

コシボソヤンマ雌
a0126535_2213650.jpg


日没後の真っ暗な水路の上を、音もなく群飛していた。
まだ複眼も色づいていない未熟個体だ。

渓流のトンボ、コシボソヤンマが縄張りを持ち始めるのはあと一週間というところか。
その後はミルンヤンマ、カトリヤンマが出始め、一気にトンボ暦は秋へと加速していく。


ついこの間の八重山の記憶が、どんどん遠ざかってゆく。
[PR]

by brunneus | 2012-08-05 02:27 | 千葉 | Comments(0)