トンボの日々

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2012年 09月 27日

秋のヤンマ

数日前の豪雨を境に、関東はすっかり気温が下がり、空気ががらっと秋に変わってしまった。

このひんやりとした空気にふれるとまず思い浮かぶのがルリボシヤンマ。
秋色の湿地を音もなくホバリングする光景を思い出す。

まだ今年は埼玉の産地ではまともに姿を見ていないが、
先日の北関東と、ついこの間、青梅でその姿を見た。

ルリボシヤンマ雄:体長84mm
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かつてはこのトンボは山岳地帯にしか棲息していないと思い込んでいて、
はるばる八ヶ岳の高原まで採りに行っていた時期もあった。
確かにその産地はカラマツに囲まれた湿地で、典型的な棲息環境に違いはなかった。

しかしその後知識が増えるにつれ、
山麓部のクロスジギンヤンマや、ヤブヤンマが棲むような小さな池に普遍的に見られることが
分かり、一気に身近なヤンマになった。

高温が苦手なルリボシヤンマは、
暑い時期は山間部の涼しい環境へ移動するらしく、山麓の池には全く姿を見せず
秋になり気温が下がると、どこからともなくフラッと池にやってくる。
盛夏に高原で元気よく飛び回っている個体とは対照的だ。

アキアカネが舞う水辺を飛び回る秋のヤンマ。
そろそろ埼玉の産地の様子を見に行ってみよう。
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by brunneus | 2012-09-27 02:23 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 23日

雨の日

せっかくの連休も、関東は雨模様。

こんな日は、撮り溜めた写真の整理/加工が捗る。

今年度版の図鑑冊子の制作を始めた。
どの種を入れよう、、。
あれこれ考えるのが楽しい。

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月曜から、また好天が続くらしい。
しかし残念なことに、次の土日は仕事。
「マダラ雌ゲット!」のメールを、職場で受け取ることになりそうだ。
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by brunneus | 2012-09-23 03:38 | つぶやき | Comments(0)
2012年 09月 22日

10年目の青色

オルリボシヤンマ青色型雌。

初めて知ったのは10年ほど前。
図書館で見つけた、講談社から1985年に出版された「トンボ大図鑑」に載っていた
写真を見たのが最初だったように思う。

「トンボ大図鑑」はトンボの生体標本写真を図版に使った初めての本格的な図鑑で、
1985年当時の国内で記録されていた種類の殆どが網羅されていた。

その頃はまだトンボにのめり込み始めた頃で、まだ見ぬ珍しくも美しいトンボの写真に息を呑んだが、
その中のひとつが、オオルリボシヤンマ青色型雌だっだ。

ワインレッドの地色に、腹部の鮮やかなコバルトブルー。そして胸部の黄緑色。
なんとも言えない配色の妙に、いつかは手にしてみたい、と強く思った。


それから10年。
手にできたかもしれないチャンスは何回かあったが、何故か相性が合わないらしく、
結局、手中に収めるまでには至らなかった。

ケリをつけるべく、青色型雌を本気で探し始めたのは昨年から。
トンボ仲間のSさんに案内してもらったポイントでは、通常型雌は採れたものの、
相性が悪いというジンクスは健在で、青色型には出会えなかった。

そして今年。
お盆の頃からSさんと幾度となく採集行を計画していたが、予定の日が尽く天候悪化で中止。
そうこうしているうちに9月に入ってしまい、オオルリボシシーズンのデッドライン。
急遽決まった先日の採集行きのスケジュールの中に、
オオルリボシのポイントを組み込んでもらったのだった。


そしてジンクスは、ついにに破られた。


オオルリボシヤンマ雌(青色型):体長85mm
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網に入ったときは、さすがに心臓の鼓動が大きくなった。
この胸の高鳴りはイリオモテミナミヤンマ以来だ。

ポイントは良い環境で、他にも通常型雌も産卵に来ていた。

オオルリボシヤンマ雌(通常型):体長84mm
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青色型は西日本では多数派だという。
関東、中部地方でのいくつかの産地では通常型ばかり目についたが、
これらの地域での青色型の出現頻度はどれくらいなのだろうか。

ともあれ、長年の懸案だった青色型雌が採れたことで、今年のシーズンは早くも満足。
これでマダラヤンマの雌も採れれば言う事はないのだが、
まあ、そう上手くはいかないだろう。


案内して頂いたSさん、車を出して頂いたFさんあっての今回の成果。
二氏に感謝感謝。
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by brunneus | 2012-09-22 02:52 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 17日

2年振り

長野に行った後は、マダラヤンマを視野に入れつつ、近場のフィールドを巡っていた。
成熟したてのルリボシヤンマを狙って埼玉に行ったりもしたが、
上空を旋回する個体をひとつ見たのみ。やはりまだ気温が高すぎるのだろうか。

そうこうするうちに、マダラヤンマのポイントに行くチャンスが巡ってきた。
いつもお世話になっているトンボ仲間のSさんと、久々にご一緒するFさんとの採集行だ。
そして今回はわがままを言って、オオルリボシヤンマのポイントにも寄ってもらうことにした。

場所は北関東。
ここは数年通っている場所だが、まだこのポイントでマダラヤンマを手にしたことは無い。
個体数が少なく、雌はもちろん、雄でさえ何故か活動が早朝に限定されるからだ。
自宅からこのポイントに行くには、
どんなに早く出発しても、延々電車を乗り継いで現地到着が午前10時。
既に雄の活動は終わっている。

それでも雌のチャンスを狙って通っていたのだが、昨年は雌のパターンが分かった所で終了。
何とか雄だけでも、、という願いも空しく、昨年はついにマダラヤンマを手にすることはなかった。

雄を採るには早朝。
そうなると、もう車に頼るしかなく、そういう意味で今回は願ってもいないチャンスだ。

現地には深夜に到着。
夜明けを待って行動開始。初秋とは思えない湿気に耐えながら、ポイントを巡る。

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この日は条件が悪かったらしく、早朝では殆ど姿を見ず、
ようやく雄を手にできたのは日没後、終了間際だった。

マダラヤンマ雄:体長65mm
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このブログでは実に2年振りの登場。
やはり、小柄な身体に散りばめられた瑠璃色の斑模様はいつ見ても美しい。
結局、雌はチャンスすらなかったが、とりあえず雄を手にできただけでも満足だ。

早朝からポイント入りできるのはそうそう無いと思うので、
雄はひょっとするとこの個体が最初で最後になるかもしれない。

それだけに撮影には万全を期した。

さて、今年は雌には出会えるのだろうか、、。
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by brunneus | 2012-09-17 02:13 | 茨城 | Comments(0)
2012年 09月 09日

初秋の高原

今年はもう遠征は無しかな、と思っていたのだが、
9月に入ると、むくむくと高原に行きたい気持ちがわき上がってきた。

そこで浮かんだのが長野。昨年メガネサナエを採った場所だ。
メガネサナエだけではもったいないので、今回は途中で寄り道をして、
高原のトンボを見てみることにした。

寄り道ポイントは、駅から徒歩圏内で気軽に行けることが条件。
地図で探してめぼしい場所をピックアップする。
ここはオオルリボシヤンマが狙える、と踏んだ。

そして現地。

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遠くのカラマツ林からはエゾゼミの眠たげな声。
近くのアカマツからはチッチゼミの機械的な声。まさしく初秋の高原だ。

池は予想通りの良さそうな環境だが、飛んでいるのはオニヤンマしかいない。
しばらく周囲を歩くと、頭上をふわりと旋回する大型トンボが目に入った。
あれはオニヤンマじゃない。

やがてトンボは旋回しながらゆっくりと高度を下げ、池の上を巡回し始めた。
瑠璃色の斑紋がちらつく。

オオルリボシヤンマ雄:体長83mm
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今シーズン初のオオルリボシ。
やはりこのヤンマには高原がよく似合う。

見ているとオオルリボシは池の周囲でたくさん旋回していて、
池の上の個体がいなくなると次々に侵入してくる。
まるで順番待ちをしているようだ。

そんな順番待ちの中に、1頭だけ異彩を放つヤンマが目に付いた。
褐色に染まった翅。こんな環境で褐色の翅のヤンマはひとつしかいない。
マルタン雄だ!

マルタンヤンマは素早く低空を飛び去るイメージとは全くかけ離れて、
まるでオオルリボシヤンマのようにふわふわとゆったり旋回している。
そしてオオルリボシヤンマのように、少しずつ高度を下げて、池の上の巡回コースに入ってきた。
チャンス!

マルタンヤンマ雄:体長75mm
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よく見てみると数は多いようで、池の上空を点々と褐色の翅が旋回していた。
爽やかな高原の風景とマルタンヤンマは異色の組み合わせだ。
基本的には暖地性のヤンマなので、こんなに寒冷な環境で冬を越せるのだろうか。

時間が来たので移動し、メガネサナエのポイントへ。
昨年より水量は少なかったが、雄はそれなりにいた。

メガネサナエ雄:体長60mm
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しかし今年も狙っていた雌の産卵は殆ど見られず。
初めて訪れた時はあちこちで産卵していたのだが、、、。
ポイントが変わってしまったのか、時期が遅いのか、、、。

100パーセントの成果ではなかったが、
高原の雰囲気を味わえて、気持ちはすっきりした。

さて、次は難敵マダラヤンマだ。
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by brunneus | 2012-09-09 16:16 | 長野 | Comments(0)
2012年 09月 05日

呼び水

最近、時間があると北多摩の谷津に通っている。
そこはマルタンヤンマのポイントなのだが、狙いはマルタンだけではない。

8月下旬、ある物を発見してからは、そのポイントにはまってしまった。

それがこれ。

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ポイントに向かう途中の路上に落ちているトンボの死骸。
人に踏まれて見事に2次元化されているが、はじめはオオシオカラトンボだと思っていた。
しかし次に、金緑色と太い腹部が見えてきたので、タカネトンボ雌に見えた。
ここで何か胸騒ぎがして、かがんで確認してみて仰天。

それはエゾトンボの雌だったのだ。
東京都のエゾトンボ。ずっと出会いを求めてきたが叶わなく、自分の中では幻のような存在に
なっていたトンボ。しかも雌だ。なんてこった!

そしてふと視界に気配を感じ、顔を上げてみると、すぐ先の路上にまたトンボの死骸。
まさか、、、。

そのまさかだった。

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頭は失われているが、まぎれもないエゾトンボの雄。

雌の死骸のすぐそばに転がる雄の死骸。
通常ではありえないことで、交尾態の状態の時に、何らかの事故に遭ったのだろう。
ああ、もったいない、、、。

しかし、雌がぺしゃんこで雄がほぼ原形を留めている、という状態は、なんとも不可解だ。
交尾態のまま踏まれたのなら、雄も損傷を受けているはずだ。

そこで仮説を立ててみた。
ふたつの死骸があった場所は歩道で、すぐそばに通行量の多い車道がある。
しかも一本道で信号がないため、どの車もかなりのスピードを出している。

道路の脇の森でエゾトンボの雄が雌を捕捉し、ふらふらと路上に出て来た。
運悪くそのタイミングで猛スピードの車がやってきて衝突。雄の頭部は吹っ飛ぶ。
その弾みで歩道に投げ出され、連結が外れた。
雌が歩道の中央に転がった所に、また運悪くジョギングする人物が。
ジョギングシューズが胸部、頭部を直撃。
雄は歩道の脇に落ちたので踏まれることなく、いつまでも雌の傍に佇んでいた。

身体の乾燥具合から推測すると、死後2日は経っていそうだ。
2日前にここを通りかかっていれば、、、。

そんなことを考えながら、ポイントへと急いだ。
そしてポイント到着と同時にまた仰天。
すぐ頭上を、西日に照らされて旋回するエゾトンボの雌に鉢合わせしたのだ。
先の死骸が呼び水となったらしい。


この出来事があって以来、エゾトンボを求めて谷津通いが始まった。
数は少なく、行く度に姿は見るものの、神出鬼没ですぐに視界から姿を消してしまう。

しかし、苦労しつつもなんとか採集には成功。

エゾトンボ雄(東京産)
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同雌
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ちなみにこの雌は、今まで手にしたどの雌よりも小さかった。比較するとこんな感じ。
左:北関東産 
右:東京都産
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計ってみたら53㎜しかなかった。タカネトンボの雌より小さい。


都内のエゾトンボは、2000年代前半に、数カ所で採集したことがある。
しかしどれも狙っていたわけではなく、偶然の産物だ。

今回の谷津は、そう遠くない場所で過去に記録がある。
昨年も同じ谷津に通っているが、エゾトンボは見ていない。
おそらく周囲の産地から飛来してきた個体、もしくはその子孫なのだろう。

まだ数は残っていたので、来年以降がまた楽しみになった。
東京ブランドのエゾトンボの復活になるといい。
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by brunneus | 2012-09-05 00:12 | 東京 | Comments(0)
2012年 09月 04日

衝撃

先日、環境省が新たなレッドリストを発表した。

ニュースでは「カワウソが絶滅」がクローズアップされ、ふうん、という感想だったが、
環境省のサイトでよく確認してみると、密かに衝撃的な種がリスト入りしていた。

それはトビイロヤンマ。ランクが絶滅危惧IB類。

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絶滅危惧IB類と言えば、オオキトンボやハナダカトンボ、ヒヌマイトトンボと同じカテゴリーだ。
今までは選外だったが、いきなり絶滅危惧II類であるアサトカラスヤンマや、オキナワミナミヤンマ
を飛び越えてのランク入り。

10年ほど前には、やんばるの海沿いの水田地帯で、視界を覆うほど群飛する光景を見た日もあった。
確かに、水田が多かったかつて(何十年も前)よりは減少しているとはいえ、
まだ「いる所にはいる」ヤンマだと思っていた。

ここ数年は10年前のような群飛を見ることはなかったが、
たまたま日が悪いのかな、という程度にしか考えていなかった。
だが現地で感じた減少は一過性のものではなかったようだ。

深刻な減少の原因はわからない。
環境の外見はあまり変化はないが、
かつては沢山見られたアオビタイトンボ、コシブトトンボも同時に減少していることから
推測すると、耕作作物の肥料や農薬、除草剤などの変化が原因なのだろうか。
西日本の水田でのアキアカネの激減、東北でのカトリヤンマの壊滅との関連も匂わせる。

前回(2011年)訪れた時はアメイロトンボがかつてなく多産していたが、
移動力の強いこの種が、飛来した先の競合種のいない環境で個体数を増やした、
と考えることもできる。

まあ、きちんと土壌や水質の調査をしたわけでもなく、
経年的に個体数の増減を調べたわけではないので、
所詮妄想の域を脱しないのだが、、、。

南西諸島の平地の水辺は、想像以上に深刻な事態になっているようだ。
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by brunneus | 2012-09-04 02:45 | つぶやき | Comments(2)