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2012年 12月 31日

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2012年を振り返ってみる。

できるだけ簡潔に、個体数が多い少ないを「当たり、外れ」で表現。

●春

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・ムカシトンボ/当たり
自己新ポイントでの探索。ぽかぽかと暖かい空き地を群飛していた。

・トラフトンボ/当たり
過去最高に雌が飛んだ。

・サラサヤンマ/概ね当たり
トラフトンボポイントでの未熟個体は外れ。埼玉では少なく、辛うじて1雌を採集したのみ。久々に青梅で雌が採れた。

・ムカシヤンマ/当たり
例年通りの個体数。期待を裏切らない。

・アオサナエ/外れ
天気も悪かったからか?

・ホンサナエ/外れ
これもアオサナエと同様。しかし偶然に雌が採れた。

・アオヤンマ/当たり
出だしは鈍かったが、徐々に個体数が増えた。2012年はネアカヨシヤンマの時期も数が多かった。

・オオトラフトンボ/外れ
数年振りだが、このポイントでは当たったためしがない。

●南方遠征/当たり

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徒歩、バス、タクシーのみの不便な単独行だったが、様々な幸運が重なったようだ。
同地遠征三回目にして納得の行く成果を得た。まさかのアカスジベッコウトンボのオマケ付き。
コフキオオメトンボが狙っていた池に来なかったのが残念。

●夏

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・マルタンヤンマ/概ね当たり
神奈川のポイントは例年通り。都内ポイントも例年通り。エゾトンボのこともあり、2012年は行った回数も多かった。

・ネアカヨシヤンマ/当たり
7月は天候急変で今年も外したが、8月は久々に大規模な群飛を見た。

・エゾトンボ/外れ
北関東のポイントは去年の大発生の反動か、非常に少ない。しかし見かけた数は2010年以前の例年通りか。
都内のマルタンポイントで初めて雌雄が採れたのが大きな成果。都内での採集も約10年振り。

・ハネビロエゾトンボ/当たり
過去最高に雌が入ってきた。雄も多い。

・タカネトンボ/外れ
雄も少ない。

・コシボソヤンマ/当たり
今年は殆ど神奈川での未熟期での採集。都内の谷津でコシボソヤンマが増えている。

●秋

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・メガネサナエ/概ね当たり
2011に比べれば雄は多かったが、雌が皆無、、。

・オオルリボシヤンマ/当たり
今年こそは、と意気込んだ青色型雌だが、天候悪化で幾度となく計画が流れ、9月にずれ込んだがようやく採集。
メガネサナエの産地の手前で多産地を発見できたことが収穫。マルタンも多い。

・ルリボシヤンマ/当たり
例年通り。出だしは鈍いが、後半増えてきた。

・マダラヤンマ/外れ
多産地を発見できない限り、外れが続くだろう。二年振りに雄を手にした。


概ね2012年も充実した年だった。
クライマックスは5月のトラフトンボ大発生、南方遠征の成果、ハネビロエゾトンボ大当たり、というところか。
2013年は全くどんな年になるかわからないが、今までと同じように、変わらぬ面々と再会できることを祈っている。

このブログも2013年で4年目に突入するが、こんな垂れ流しブログにコメントして下さった方々がいる、
ということはとても有り難いことだと思う。
そして来年もできればまた色々と突っ込んで頂ければ、と思う。
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by brunneus | 2012-12-31 22:58 | つぶやき | Comments(0)
2012年 12月 31日

トリの話

2012年もあと1日。
ここはひとつ、2012年のトンボを振り返ろうと思ったのだが、
いまひとつ気分が乗らないので、トンボとは全く関係ないものを。


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ムラサキサギ
自分で撮った鳥の写真は皆無なので、久々に描いてみた。難しい、、。

実は子供の頃は大の鳥マニアで、暇さえあれば近所の公園に鳥見に出かけていた。
鳥見と言っても当時はスコープはおろか、双眼鏡さえ持っていないので、公園の茂みに潜り込んで、
ひたすら鳥が目の前に来るのを待つ、という原始的な観察方法だ。

しかし場数をこなしていると鳥が良く来るポイントが分かってきて、
双眼鏡などなくても間近に鳥たちを観察することができた。

都心にほど近い公園だったが、冬場は鳥が充実していた。
コゲラ、メジロなど留鳥はもちろん、茂みの中を渡り歩くアオジやシロハラ、ウグイス、
時にジョウビタキやシメが目の前に飛び出してきたこともあった。

時間ができると通ったのが明治神宮内苑。
ここは入園料がかかるので、貧乏な子供にとってはちょっとプレミアムな場所だったが、
ルリビタキやヤマガラ、秋の渡りの季節にはコサメビタキなど地元では見ることができない鳥たちに出会えた。

トンボを始めてからは鳥からはすっかり遠ざかってしまったが、出会いたい鳥はまだまだ多い。
例えば上に載せた絵のムラサキサギ。八重山諸島に分布する大型のサギで、内地アオサギに近い。
アオサギよりもさらに細長く、まるでヘビのような首やひょろ長い足、上品な紫色と灰色の配色。
緑が一面に広がる湿地で見れば、さぞかし美しいだろう。

八重山には何度か遠征しているが、まだムラサキサギには出会えていない。
あるいは、トンボに集中しすぎて見えていないだけかもしれない。
いつか、鳥もじっくり堪能できる遠征ができる時は来るのだろうか。
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by brunneus | 2012-12-31 01:43 | つぶやき | Comments(0)
2012年 12月 24日

遠く近く・その3

ギンヤンマとクロスジギンヤンマは出現期や好む環境が微妙に異なるが、
同所的に見られることも多いので、雑種が生まれるのは理解できる。

しかし条件はほぼ同じであるこれらのトンボはどうだろうか。

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A列:上/ネアカヨシヤンマ 下/アオヤンマ
B列:上/カトリヤンマ 下/リュウキュウカトリヤンマ
C列:上/ルリボシヤンマ 下/オオルリボシヤンマ

同じ列に並んだ2種は、出現期も棲息環境も重なることが多い、系統的にも近いグループだ。
しかし、これらのトンボの雑種が採集された、という記録は見当たらない。
雑種どころか、異種間交尾の記録も無いのだ。
実際は密かに交雑しているのか、何か別の原因があって交わらないようになっているのか、
はたまた自分の情報収集能力が無いのか、、。

謎は深まる。
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by brunneus | 2012-12-24 00:53 | つぶやき | Comments(8)
2012年 12月 19日

遠く近く・その2

しつこく分類の話。
トンボ図鑑のDNA解析で、いちばんショックで、混乱したのがこれらのトンボ。

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・ヤマサナエ雌(本州、四国、九州に分布)
・キイロサナエ雌(本州、四国、九州に分布)
・ヤエヤマサナエ雌(石垣島、西表島に分布)

この3種はアジアサナエ属(Asiagomphus属)というグループに属するトンボなのだが、
その中でも近いグループ同士で分けると、誰もが上の写真のようにするだろう。
・キイロサナエとヤマサナエが近縁(斑紋が似ていて、分布も重複している)
・ヤエヤマサナエは斑紋が大きく異なり、分布も遠く隔絶しているので、別のグループ。

ところが、DNA解析にかけると、こうなる。

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「ヤマサナエ/ヤエヤマサナエ」というグループと、「キイロサナエ」に分かれるのだ。
キイロサナエとヤマサナエの共通の祖先が内地に入って分化したのではなく、
先に(後かもしれないが)キイロサナエが侵入し、ヤエヤマサナエとヤマサナエの共通の祖先が南西諸島沿いに
北上していった、ということなのだろうか。

ではなぜ別のグループに属する2種の斑紋がこんなにも似てしまうのか?
進化と斑紋の関係は?

知れば知るほど「?」が増えてゆくし、またそこが面白い。
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by brunneus | 2012-12-19 20:58 | つぶやき | Comments(2)
2012年 12月 15日

遠く近く

例えばこの5種類のトンボを並べてみる。

右上:オオメトンボ 右中:アメイロトンボ 右右:ヒメキトンボ
下右:コフキトンボ 下右:コシアキトンボ
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さて、止水に棲むという共通項は除き、この5種に共通する要素は何でしょう?





・・・・と聞かれても、殆どの人は分からないと思う。
自分も、この5種の共通項なんて見当もつかない。
事実、属も違うし、棲む地域や環境もばらばらである。

答え。共通項は「水面の浮遊物に連続的に打水し、粘着質に覆われた卵を付着させる」という産卵方式。

今年出たトンボ図鑑を熟読しているのだが、この図鑑では分類を外見で行うよりも、
DNAの差異に重きを置いて行っている。そして他にも、産卵形式でも類縁関係が分かるという。
これを基準に分類すると、上の5種は系統的にごく近い種類同士、ということになるらしい。
そして幼虫の形態を見ると、なるほど、5種類とも瓜二つだ。

他にもムツアカネとアキアカネが近縁、マダラナニワトンボとナツアカネが近縁、という組み合わせがあり、
大きさも色も全く異なるこれらの種は、外見からはとても近い種類とは思えない。
外見に頼らない、こういった分類法は今まで馴染みがなく、(ある程度は外見でも分類はできると思うが)
少々面食らうが、いっぽうでなかなか興味深い。

図鑑の中では「亜種」の扱いを軽視しているが、「外見重視」である亜種の分類は、DNAの見地から見ると、
矛盾を多く含むのだろう。
もしかしたら「亜種」というのは単なる感覚的なもので、生物学ではあまり意味を成さないのかもしれない。
そう考えると、今まで「ミナミヤンマ」として親しんできた個体が「カラスヤンマ」となる、というのは
ある意味納得できる。

しかしDNAが発見される遥か昔のリンネの時代は、生物の分類は形態によるものと決まっていた。
DNAが発見されてからも、それが生物の分類に利用されるようになったのはつい最近である。
分類学発祥の時からずっと、「分類イコール形態」だったのだ。

例えば、二匹の名前を知らない生物を目にした時、まずは「形や色が似ているか似ていないか」で分類を判断するだろう。
DNAによる類縁関係なんて、外見から判断するのは不可能なのだ。
こういう「感覚的な」分類と、DNAによる「科学的な」分類。この二つの分類の間に横たわるギャップが面白い。
日常的な感覚ではどちらが有効か、ということだ。

考えていくと、これは「認識とは何か」という問題にまで繋がる気がする。
自然を深く理解する、という意味ではDNAによる分類は物語としては大変面白いと思うが、
やはりヒトは視覚の動物なので、外見の形態の差異も大事にしたいと思う。
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by brunneus | 2012-12-15 01:27 | つぶやき | Comments(2)
2012年 12月 05日

とってもとっても

12月になってしまった。

最近、この灯のようなブログの一部が妙に熱くなっているが、
おかげで少し物を考えるようになった。

今までは一般論としての昆虫採集の是非を考えてきたが、
その答えはもう出ている。
今は「希少種、産地が少ない種」についての採集の是非に、思考が移ってきた。

これを考える時に、対象を「昆虫全般」とすることは出来ないと思う。
何故なら、個体数を維持させるための方策は、種ごとの生活史や繁殖方法、
移動力の有無などを丁寧に見極める必要があるからだ。
例えば、ヨナグニマルバネクワガタと、ベッコウトンボを同じ壇上で考えることはできない。

採集圧を考えるとき重要なキーワードのとなるのが、幼虫時代を過ごす環境と、
幼虫の採集のしやすさ、そして成虫の分散性だと思う。
幼虫時代を朽木で過ごし、飛翔力が退化し歩行による移動に頼るヨナグニマルバネクワガタと、
幼虫が泥深い沼地に棲み、成虫の移動力に長けたベッコウトンボの採集の難易度の差は明らかだ。
ベッコウトンボを持ち出したのは、今や超一級の保護対象種であるこの種が、どの本で読んだか忘れたが、
点在する沼地を移動しながら世代を繋いでいる、と書いてあったのを最近思い出したからだ。
仮にアメリカザリガニ、ウシガエルを根絶出来たとしたら、ベッコウトンボを放せば、
現在の都内の水辺環境ならば案外定着するかもしれない。

しかしヨナグニマルバネクワガタにも、個体数を維持する上では利点がある。
それはトンボより遥かに簡単に累代飼育が出来ることだ。その気になれば、
小規模で効率の良い養殖施設も作れるかもしれない。池田清彦さんがどこかで書いていたが、
販売、譲渡を禁止するのでなく、野生個体は保護しつつ、
飼育個体はどんどん販売してブリーダーに飼育させれば、よっぽど効率良く種の保存が出来るのでは、
という意見には激しく賛成する。(植物ではそういう事例があるらしい)

一方、移動力と引き換えに、トンボ類は累代飼育が難しい。狭い飼育ケージの中に雄雌を入れても、
お互いバタバタ暴れて死ぬだけだ。
トンボに関して言えば、今のところ、個体数維持は、環境の維持に頼るしかないように思える。


ところで、移動力のあるトンボは、外見が華奢か逞しいかで判断することはできない。
例えば、吹けば飛ぶようなアオモンイトトンボやアジアイトトンボは長距離を移動しているらしいし、
ホソミイトトンボもじわじわと分布を広げているという。
唯一の答えではないが、個人的には、移動力の強さは、分布域の広さに比例すると思う。

ではかつて広く連続的に分布していたベッコウトンボは?
先にも書いたように、移動力はあるのだ。ただ、全国的に産地が徹底的に潰されてしまったために、
衰退したのだと思う。
(物理的な破壊だけでなく、肉食外来種、植生の変化などの影響もあるかもしれない)

現在、関東一円に分布するトンボの殆どは、広域分布種だ。
この中には、ゴミのように目にする種もいれば、良く探さないと見つけられない種もいる。
ゴミのように沢山いる種をいくら採集したところで減らないのはわかるが、
あまり見かけない種でも、いくら採集しても不思議なことに減らない種もいる。
例えば千葉のネアカヨシヤンマは、
超有名産地で毎年老若男女に大量に採集されているにもかかわらず、一向にいなくならない。
もちろん、年による増減はある。しかし今年はスッカラカンだった、、。という年は2年は続かない。
ネアカヨシだけでなく、ここ十数年の個人的感覚では、関東一円のトンボで、連続的に減少している種は無い。
最初から多くない種は、激増することはないが、激減することもない。

この理由はいったいどこにあるのだろうか?
考えてみよう。

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by brunneus | 2012-12-05 21:10 | つぶやき | Comments(4)