トンボの日々

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2014年 09月 30日

雌の魅力

この時期、多くのトンボ屋が検索サイトで「マダラヤンマ」と入力し、津々浦々の情報を入手している
ことだろう。
かく言う自分も毎日「マダラヤンマ」を検索しているのだが、出て来る写真はみな雄の飛翔写真のみで、
交尾や雌の産卵の写真は今シーズンでは今の所1、2枚しか発見できていない。
もちろん、バッチリ現場を抑えてもネットに載せない場合もあるのだが、それにしても、雌関連の写真
の少なさは、やはり遭遇率の低さを物語っているのかもしれない。

このヤンマの雄は条件が良いとガマの間を延々とホバリングするので、駆け出しのカメラマンでも簡単
にものにできる所が人気の秘密なのだろう。
もちろん、雄のきらびやかな美しさには異論は無いが、独特の「小太り」フォルムと、色彩の青から黄
色までの微妙な移り変わり(雄型の場合)、そしてガマの間を俊敏に見え隠れする行動など、自分とし
ては雌の方に魅力を感じてしまう。
この雌の魅力に気付いたカメラマンがもっと増えてくれれば、閲覧者としては楽しいのだが、、。
(気付いているけど、遭遇できない、ということもあるだろう)


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そろそろマダラヤンマも終盤戦。もう一度、産地に行く時間はあるのだろうか。
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by brunneus | 2014-09-30 10:21 | 長野 | Comments(0)
2014年 09月 27日

発見

このブログでは幾度となく書いているが、オオルリボシヤンマは、関東南部では出会うのが難しいヤン
マだ。個人的な感覚では、東京周辺では、このヤンマの「多産地」と呼べる場所は皆無なのではないか
と思う。

こんなヤンマなので、自分にとってのオオルリボシヤンマは、「遠征の時についでに採るヤンマ」で、
今まではじっくりと観察したことがなかった。特に雌はチャンスが少なく、たまたま目の前に現れた個
体を運良く採集、という記憶しかない。
しかし先日行った長野の産地では、見たこともないほどの数の雌たちが産卵していた。そして初めて、
産卵する時間帯、行動などをつぶさに観察することができた。オオルリボシヤンマの本場の底力を見た
思いだ。

数が多いので、採集した個体をじっくり観察すると、いろいろ発見がある。たとえば色彩。
このヤンマの雌は東日本では黄色型が優勢、という話を聞いたことがあるが、長野の産地で手にした個
体は、色彩のバリエーションが豊かだった。そのバリエーションは、だいたい以下の3パターンに収ま
っている。

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左:青色型 中:中間型 右:黄色型

発見は、真ん中の中間型とも呼べる個体。側面から見ると、胸部や腹部の斑紋が、「白色型」と呼んで
もいいくらい真っ白なのだ。上面から見ると、翅胸背面と、腹部第三節背面の斑紋は、やや青みを帯び
た緑色。複眼は緑色だが、微妙に青みを感じる部分がある。青と黄色の絶妙なハイブリッドだ。
この「白色型」は珍しいかというとそうでもなく、感触としては、黄色がやや優勢、青色、白色がほぼ
同率で見られた。

「白色型」は世間ではよく知られた型なのかもしれないが、自分にとっては新鮮な発見だった。
失敗のほうが圧倒的に多いトンボ採りだが、ごくたまにこういう出来事に出会うから、止められないの
だと思う。   
 








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by brunneus | 2014-09-27 02:14 | 長野 | Comments(0)
2014年 09月 23日

天国

季節はマダラヤンマシーズン真っ盛りだが、今年はまだ雄の姿さえろくに見ていない。
雌にいたっては、名だたる猛者が毎週のように産地に通っても採れないものが、集中力と忍耐力が人一
倍欠けていると自負する自分が採れるはずがない、とはなから諦めている。昨年の成果は単なるまぐれ
だ。

昨日。
せめて雄だけでも、、ということで、今年は、長野にある目星を付けた場所を訪れてみることにした。
その場所は、先日のオオルリボシヤンマのポイントの少し先にある。マダラヤンマが外れた場合の保険
として、午前中にオオルリボシのポイントに立ち寄ることを前日に思いついた。

天気はようやく悪天のサイクルから脱し、標高1000mのポイントは爽やかな秋風が吹き抜ける。


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アカネの連結態が乱舞する中、さっそくオオルリボシヤンマの雄が池の上をゆったり旋回している。そ
し足元から次々に飛び出す雌たち。
雌を追い回しているうち、視界の隅にちらつく青いシルエットに気付いた。近寄ってみると、なんとそ
れはマダラヤンマ雄だった。実は二年前にもここで姿を見ていて、その時は偶然飛来した個体だと思っ
ていたのだが、これは怪しい。雄を無事確保すると、足元からまた青いシルエットが飛び出した。雄よ
り少し小太りのシルエット。まさか、、、。
全速力で追いかけたが、青い小太りシルエットは、草むらの向こうへ消えてしまった。

あんなものを見てしまったら、もうここを動けない。この時点で予定変更、夕方までこのポイントで粘
ることに決定。

そして最初のニアミスから10分後。
なんとなくネットで揺らした足元の岸辺から、再びふわっと影が飛び出し、対岸の岸辺の草むらの中に
降下するのが見えた。その地点に視線を釘付けにして駆け寄る。飛び立った気配は無い。足元の草むら
を覗き込むと、「カサッ」という翅音と共に、きらりと光る翅が見えた。

深呼吸をしてから、ネットを近づけ、草もろとも一気に振り下ろす。ネットの中で暴れる小太り、、。




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この場所でマダラヤンマの雌が採れることは全く想定していなかった。幸運は、忘れた頃に、ひょいと
目の前に現れるものなのかもしれない。

秋風のなか、標高1000mの池をオオルリボシヤンマの雄雌が乱舞する。そしてマダラヤンマ。この
場所は、まるでトンボの天国のようだ。











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by brunneus | 2014-09-23 02:11 | 長野 | Comments(2)
2014年 09月 20日

見納め

数日前。

この日も午後の時間が空いた。
仕事からの帰り道に、高く晴れ上がった空を眺めていると、褐色の翅のイメージが浮かんだ。

そんなわけで、3週間ぶりにマルタンヤンマの産地へ。晩夏の低温悪天の影響がどの程度あったのかを
確認する意味もあった。

ポイントには15時半に到着。森からは眠たげなツクツクボウシの合唱が響く。天気は良いが、気温は
低い。池の上空を見ると、アカネの群れがふわふわと午後の摂食飛翔をしている。そしてその上空に、
ひときわ大きな褐色の翅が通り過ぎる。

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良かった。まだ生き残っていた。
褐色の翅は、いつもの直線的な飛び方ではなく、ふらふらと寄り道しながら谷間を飛び回っている。ど
うやらアカネ類と同じ、空中を漂う小虫を摂食しているようだ。高さは15mほどだろうか。完全に射
程外なのでぼんやりと眺めていると、飛ぶ高さが次第に低くなってきた。何往復かした後に、池の上低
空を直線的に往復するいつもの縄張り飛翔になった。こうなったらこちらのもの。
池の向こう岸で折り返して直進してくるシルエットを目がけて竿を振る。快音!

その後は追加を待つが、一向に姿を現さない。気温はぐんぐん下がり、上空を漂うアカネの数も減って
きた。

16時47分。もしかしたらさっき採った個体がこの谷の最後の個体かもしれない、、。と思い始めた
頃、出し抜けに3匹の雄が池の上に飛び込んできた。戦闘態勢に入る。3匹のうち2匹は上空をのんび
り飛ぶ摂食パターンだが、1匹は池の上を高速で往復している。まずはこの個体から狙いを付ける。安
定したコースで往復しているので、これは楽勝、と気が抜けたストロークをしてしまう。ネットはヤン
マの手前で空を切る。完全なミスだ。しかし幸運なことにヤンマには刺激を与えていないので、飛び方
に変化はない。向こう岸で折り返したのを確認し、再び構える。今度は慎重に間合いを測り、無事確保。

17時5分。上空を飛ぶ個体がいつの間にか1匹になっている。このまま終息するのだろうか。

17時11分。再び3匹が侵入。今回は打って変わって高速で縦横無尽に谷間を飛び回っている。ぐる
ぐると周囲を飛びまわる影に翻弄され、目が回りそうだ。

17時40分。日没を過ぎると急にあたりが薄暗くなり、あれだけ賑わっていた池が静かになった。草
むらからは寂しく虫の声。

17時52分。あたりはほぼ真っ暗。さすがにこれじゃあ飛ばないか、と帰り支度を始めると、池の上
を高速で往復する黒いシルエットが視界に飛び込んできた。視界が効かないので種類が分からないが、
あの飛び方はギンヤンマではない。飛び方は安定しているが、なにせ暗いので背景に森が入ると、とた
んに見失ってしまう。池の向こうで折り返した所までは確認できたが、森の陰で姿が見えなくなる。
しかし、森から抜けたシルエットが一瞬見えた気がした。それと同時に、見えたあたりに見当をつけて
竿を振ると、「カサッ」と微かな音!ネットの中では、青色がキラッと光った。


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ここの産地のマルタンヤンマは、毎年9月第2週までで没姿する。8月下旬からの天候不順でマルタン
ヤンマの終息がどうなったか気になっていたが、どうやら例年通りに持ちこたえてくれていたようだ。

5月から始まったこの場所でのシーズン。最高の形で締めくくることができ、感謝の気持ちを込めて、
最後に一礼して谷をあとにした。
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by brunneus | 2014-09-20 02:24 | 東京 | Comments(0)
2014年 09月 19日

個性

ルリボシヤンマ属は、他のヤンマ科の種と比べて、色彩の個体差が大きいグループだと思う。
雌の多型はよく知られているが、良く見ると雄も少しずつ、個体により違いがある。中でもオオルリボ
シヤンマは、二つのタイプがあると思う。

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ひとつは画像上の黄色味が強いタイプ。もうひとつは下の青みが強いタイプ。どちらも同じ産地で採集
したものだ。
ぱっと見は同じような感じに見えるが、腹部第1、2節の色を比較すると一番分かりやすい。青味タイ
プは、腹部の青色が胸の黄色帯の後ろにも進出してきている。

同じ産地でもバリエーションが出るので、地域差ということではないようだ。幼虫時代の餌の量、成虫
になるまでの期間の差、親の遺伝、、、なにが原因しているのだろうか。

理由はどうであれ、個人の趣向としては、青味タイプの方が「瑠璃星」のイメージにぴったり合ってい
ると思う。
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by brunneus | 2014-09-19 15:16 | 長野 | Comments(0)
2014年 09月 17日

山の妖精

夏の山の夜といえば、ついつい大型の甲虫に関心が行きがちだが、個人的に興味があるのはササキリモ
ドキの仲間。

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左/ヒメツユムシ雌:体長10mm前後 右/セスジササキリモドキ雄:体長14mm前後

ササキリモドキの仲間は樹上でひっそりと生活する小型の直翅類で、分類的にはササキリモドキ科を形
成している。ここに紹介した2種はその中ではポピュラーな部類だが、翅を持たない種群は地域ごとに
細かく分化していて、近年まで未整理のグループだったという。
このように、いわゆる地味系のムシなので、当然普通の図鑑に掲載されない。自分自身も最近まで知ら
なかったのだが、数年前、夜の山で偶然見つけて以来、その飴細工のように繊細な外見に、じわじわと
惹かれている。
日中は梢から降りてこないので観察は困難だが、夜には灯に引き寄せられて多数が集まる。夜の山の灯
の下で姿を見かけると、山の妖精に出会ったような気持ちになり、嬉しくなる。
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by brunneus | 2014-09-17 23:30 | 東京 | Comments(0)
2014年 09月 15日

金緑色・仕上げ

関東の金緑色系の最後は、いつもタカネトンボで終わる。
今年は晩夏の天候不順で行く機会を失い、結局9月中旬にずれ込んでしまった。

タカネトンボは、ポイントで一日費やすようなトンボではない。なので今回も仕事前、午前中の数時間
を使った採集。
ポイントには午前10時半に到着。
着くなり岸辺をすっと移動する黒い影が目に飛び込んできた。最初の雄を採るとすぐにまた別の雄が舞
い降りてくる。活動が盛んな日に当たったようだ。
しばらくすると雄とは違う動きをする個体が登場。岸辺に向かって振り子運動を始めたのを確認し、ネ
ットを被せる。

首尾よく雌も手に出来たので、正午前には撤収。ルリボシヤンマの産卵に淡い期待を寄せていたのだが、
雄さえ姿を見せなかった。まだ少し時期が早かったようだ。

意識の中は秋のトンボ一色に染まってゆく。

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by brunneus | 2014-09-15 02:38 | 埼玉 | Comments(0)
2014年 09月 11日

オオルリ祭り

公共交通機関と徒歩のみという、環境に優しい採集スタイルを基本としている身には、オオルリボシヤ
ンマは、なかなか手の届かないトンボだ。
それは「駅近」のポイントが無い(知らないだけかもしれない)からで、このヤンマが好む池が山間部
に集中する関東南部では、徒歩での出会いは絶望的だ。
昨年は長野のメガネサナエの帰りに産地に寄ったが、ポイント到着が日没ぎりぎりで、辛うじて雄がひ
とつ採れただけで終わってしまった。

9月上旬。
久々にしっかりと姿を見たくなり、雨続きから晴天に変わった予報を信じて、思い切って長野の産地へ
遠征してみることにした。今回は午前中にポイントに到着する時間設定。

朝、家を出た段階では、見上げた空は低く灰色の雲がたれ込め、北風が吹いている。この時点でモチベ
ーションが下がるが、現地はきっと晴れている!と自分に言い聞かせて電車に乗る。


午前10時、ポイント着。予報は見事に外れ、東京とまったく同じ寒々とした風景が広がっていた。


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ここは標高1000m。風景だけでなく、実際に気温が低い。ため息をつきながら池を眺めていると、
白っぽいヤンマが水面に舞い降りてきた。オオルリボシだ!
気温が低いせいか、飛び方がやけに素早い。普段なら採れる雰囲気のパターンではないので諦めるとこ
ろだが、この個体が今日最初で最後になるかもしれないので、慎重に間合いを測り、なんとか採集成功。
もう来ないだろうな、と諦めて座り込むと、視界に再び白っぽいヤンマ。また来た!
その後は、雄がぽつり、ぽつりとやってきては、忙しなく池を旋回し、時に激しく縄張り争いを演じて
いる。
この寒々とした風景に似合わない池の活況ぶりに、少し戸惑う。

11時すぎ。待望のシルエットが岸の茂みに飛び込むのが見えた。雌だ!
雌を見るのは二年振りだ。高鳴る心臓を抑えつつ、じっとチャンスを待つが、やがて雌はオニヤンマに
追われて池の外へ、、。オニヤンマに憎悪の視線を送る。
そこで足元の茂みから大きな羽音。雌?と思い覗き込んでみると、なんと草に翅を絡め取られて、オオ
ルリボシヤンマの雌がもがいていた。そして取り出して見た姿に仰天。青色型雌!!
この直後から、示し合わせたかのように次々に雌が池に飛び込んできた。竿を手に、岸辺をかけずり回
る。そしてその上を、何匹もの雄が旋回、、。

正午前後まで、どんより曇った高原の池はオオルリボシヤンマのお祭りと化していた。

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上:オオルリボシヤンマ雄 中:同通常型雌 下:同青型雌

そういえば今年は撮影用に青型雌を狙いたい、、とは考えていたが、ポイントは車必須の場所なので諦
めていた。青型雌はもちろん、雌を手にすること自体、二年振りだ。

8月下旬以来の低温悪天に悩まされ続けていたが、ようやくスカッとする採集結果を手にすることがで
き、非常に満足。
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by brunneus | 2014-09-11 00:47 | 長野 | Comments(0)
2014年 09月 07日

赤・青・緑

光の三原色は赤、青、緑で、この3色を均等に混ぜると白になる。
イトトンボ界の三原色はこの3種。そしてこじつけで、コフキヒメイトトンボ雄の胸の白粉。

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左上:アマミルリモントンボ雄 右上:コフキヒメイトトンボ
左下:オオセスジイトトンボ雌  右下:ベニイトトンボ雄

いつも書くが、均翅類の撮影は面倒なので気が進まない。気が進まないので採る気も起きないのだが、
完成した画像で見てみると、やはり均翅類は美しい。
改めて考えてみると、トンボは昆虫の中でもチョウやガなどの鱗翅類に次いで、豊かな色彩の多様性を
持っているのではないだろうか。
豊かな色彩を持つ、ということは、視覚が発達している証でもある。ただ、彼等が人間と同じ色世界を
見ているかどうかは分からない。
一度でいいからトンボの眼になって、風景を見てみたいものだ。

トンボ仲間からはマダラヤンマ不作の報。
どうやら今年のシーズンは、いつにも増して厳しいものになりそうだ。
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by brunneus | 2014-09-07 22:35 | つぶやき | Comments(0)
2014年 09月 05日

不作の夏

異常気象とか、温暖化とかいう言葉を安易に使いたくはないのだが、それにしても今年の夏の後半は雨
が多かった。
当然、採集がさっぱりふるわないので、ブログを書く気にもならない。
今年はヨコヤマヒゲナガカミキリをじっくりと狙おうと思っていたのだが、雨と不作で殆ど成果なし。
ヨコヤマに貴重な晴れ間を費やしたおかげで、他のトンボも採りこぼす、という悪循環の夏だった。
もっとも、ヨコヤマに関しては、出勤前の短時間に回れる範囲を探索する、というお世辞にもしっかり
探したとは言えない方法であったので、成果が出ないのは当たり前かもしれない。やはりヨコヤマを採
るには、汗だくになって、山の中を一日中歩き回らなければならないのだろう。

9月に入り、ヨコヤマは諦め、さあマダラだ、と意気込んでも、大気の状態が不安定で、予報がころこ
ろと日替わりで変わる。用意しておいた休日も次々に雨マークに変わってしまった。

始まったばかりのシーズン終盤戦だが、どうなることやら、、、。

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by brunneus | 2014-09-05 14:15 | つぶやき | Comments(0)