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2015年 07月 31日

不調の中で

このブログの更新が滞り気味な理由。それは書くことが無いからだ。

今年はいつにも増して採集に出向くチャンスが無い。
先日はヤケを起こし、午前中はヨコヤマヒゲナガカミキリ、午後に仕事、夕方多摩南部のマルタンポ
イント、夜はヒゲコガネポイント、という狂気じみたスケジュールをこなしてみたが、結果はこれ。

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手にできたのは、前回とほぼ同じ顔ぶれだ。気象条件が良いにもかかわらず、ヨコヤマ、マルタン雄
は皆無、頼みの綱のヒゲコガネポイントは、沢山いるはずのオオコフキコガネすら飛来していなかっ
た。このポイントは、照明が紫外線を発しないLEDに変えられてしまった可能性がある。だとすると、
このポイントでのヒゲコガネ採集の道は閉ざされてしまったことになる。非常に残念。

そんなわけで、亜熱帯でなけなしの運を使い果たしてしまったかのような日々が続いていたが、朗報
もあった。

四国在住の知り合いの方から、嬉しいものが届いたのだ。

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左:ミナミヤンマ雄 右:ミナミヤンマ雌

徳島での失敗のあと、何とか再訪を画策したが断念。今年は無斑型ミナミヤンマの撮影が大きな目標
だったので諦めきれず、知り合いの方に、「もし採れたら送ってください!」とムシのいいお願いを
していたのだった。
その後四国は悪天が続いたままミナミヤンマシーズン末期を迎え、半ば諦めていた所への採集の一報
は、本当に嬉しかった。
送って頂いた個体は、翅の擦れが無い、美しい完品。シーズン末期で、ただでさえ個体数が減ってい
るのに、その中から擦れていない個体を選んで採るのは、相当の労力を要したことだろう。採集され
た方には、感謝の言葉しかない。

ミナミヤンマの画像を眺めては、不調の傷を癒している。
そうしている間にも、夏前半のマルタン雄採集に黄色信号が灯ってきた。
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by brunneus | 2015-07-31 00:42 | その他 | Comments(0)
2015年 07月 24日

初黄昏

亜熱帯から戻ると、関東は夏らしからぬ低温悪天の日々。トンボ採りには行けないが、標本撮影やデー
タ整理にはかえって都合が良い。

しかし、台風が夏を連れてやってきた。
猛暑と湿気と、強風に喘ぎながら、多摩南部の馴染みの小さな谷津へ向かう。天気は良いが、強風であ
る点はコンディションが悪い。しかし過去にも強風でヤンマは飛んだことはあるので、とにかく待って
みることにする。



・・・・・・・結果は外れ。

今期初のマルタン雄は一度も現れることなく、終了となった。
かわりに採れたのがこれらのトンボ。

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左上:ヤブヤンマ雄 右上:オニヤンマ雌 下:マルタンヤンマ雌

毎年書いているが、オニヤンマ雌はこの時期がいちばん輝いていると思う。ミナミヤンマの雌のよう
に縦に潰れた腹部、レモン色に染まる翅。そして採集欲をかき立てられる飛びっぷり。成熟してしま
うと、これらの魅力が全部消え失せてしまうのだ。

他の外道2種、ヤブヤンマとマルタン雌は既に少しくたびれている。黄昏時に採るヤブヤンマ雄は、
複眼が真っ黒なので、魅力である本来の青色に戻してから撮影。

なんとか夏前半にマルタン雄を手にしたいが、はたして、、、。
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by brunneus | 2015-07-24 08:12 | 神奈川 | Comments(0)
2015年 07月 22日

渓流の精霊

暴力的な日差しから逃れて、涼やかな風が渡る渓流の木陰で、しばし放心する。
木陰の薄暗さに目が慣れてくると、水面を静かに滑る小さな赤い気配、岸辺をちらつく青い気配が視界
に入ってくる。

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左:リュウキュウルリモントンボ雌(雄型) 右:アカナガイトトンボ雄

今まで目に焼き付けてきた派手でダイナミックなトンボに比べ、あまりに希薄な存在感。水面に遊ぶ、
渓流の精霊とも言うべき彼らの姿を見ていると、滝のように流れていた汗がいつの間にか引いているの
に気付く。

精霊たちの魔法のなせる技だろうか。
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by brunneus | 2015-07-22 07:28 | 沖縄 | Comments(0)
2015年 07月 19日

ハネビロ2種とチョウ

遠征先の風景は、いつも変わらない表情で出迎えてくれる。
しかし、じっくり歩き回ってみると、そこで出会う虫たちの様子は、訪れるごとに異なっている。

例えば今回は、渓流の常連、リュウキュウハグロトンボを殆ど見なかった。オキナワオオミズスマシも
見た記憶がない。オオゴマダラはこの時期は毎年見られないが、そもそも発生期ではないのだろうか。
トンボはアメイロトンボを全く見なかった。

逆に良く見たのは、トンボで言うとこの2種。

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左:ハネビロトンボ雌 右:コモンヒメハネビロトンボ雄

ハネビロトンボの雄はあちこちで姿をみかけるが、雌は産卵ポイントに行くか、早朝の海辺の摂食飛翔
で狙うしかない。前回の2013年は雌を全く見なかったが、今回は午前中に路上で摂食している個体
を複数見た。コモンヒメハネビロトンボも、緩やかな川面を往復する個体や、路上を摂食する個体に今
年はよく出会う。

チョウではこの種。

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ツマムラサキマダラ雄

亜熱帯通いを始めた頃はそこらじゅうにいた記憶があるが、いつの間にか見かけなくなっていた。最近
は、全く見ない年と、そこそこ見かける年を繰り返している。個人的には亜熱帯を強く感じさせる色彩
が好みで、擦れた個体でも見かけるとつい手が伸びてしまう。
その他、今年はフタオチョウを多く見た。
チョウに関しては、個体数というより、発生期のタイミングが関係しているのかもしれない。

いくら事前にプランを立ててみても、いざ行ってみると全く状況が変わっている。
良くも悪くも期待を裏切られるところが、遠征にはまってしまう最大の理由だと思う。
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by brunneus | 2015-07-19 01:33 | 沖縄 | Comments(0)
2015年 07月 16日

小物日和

亜熱帯のトンボ採りでいちばん過酷な場所は、真昼の水田地帯だろう。

頭上から容赦なく降り注ぐ狂気に満ちた太陽光に、押しつぶされそうになりながら畦道に佇む。吹き出
る汗で眼は霞み、本能が、命を守るために「日陰に避難しろ!」と叫んでいる。
本能の声に耳を塞ぎ、滴り落ちる汗を拭いながら畦間を覗く。頭上でしらじらしく鳴くセッカの声。遠
くで呟くシロガシラ。
冷房の効いた車が近くにあるわけではない。こんな状態では10分ももたないのだ。

いつもこんな具合で、まともに水田地帯のトンボの観察をしたことがなかった。
しかし今回は涼しい風が吹き渡る曇天のおかげで、じっくりと畦道を歩き回ることができた。



大型トンボに慣れた眼には、初めはなかなか小さなトンボに照準が合わない。見えるのはただの草原だ。

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こんな時は深呼吸でもして、草原の縁にそっとしゃがみこんでみる。草間の小さな世界に眼が慣れてき
た頃に、視界にぽつぽつとトンボの姿が見えてくる。

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コフキヒメイトトンボ雄

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同雌

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コシブトトンボ雄

不思議なもので、最初の一匹が見つかると、次々に視界に飛び込んでくるのだ。


今回手にした小物たちの一部。

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上左:コフキヒメイトトンボ雄 上右:コフキヒメイトトンボ未熟雌
下:リュウキュウベニイトトンボ雄

リュウキュウベニイトトンボは普通種だが、いつか撮影せねば、、と思いつつも後回しになっていた。
ようやく撮影でき、満足。おまけでコフキヒメイトトンボの鮮やかな未熟個体も。


イグサの周辺には兄弟のようなこの2種。

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左:コシブトトンボ雄 右:アオビタイトンボ雄


水路にぽつんと止まるお馴染みの紅色と、この地域では数が少ない灰色。

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左:ホソミシオカラトンボ雄 右:ベニトンボ雄



曇天のおかげで、水田で出会いたかったトンボにはあらかた出会えた。
まさに小物日和!
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by brunneus | 2015-07-16 01:32 | 沖縄 | Comments(0)
2015年 07月 13日

正真正銘

しつこくカラスヤンマ。

撮影した画像を見直して目に付いた個体。

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淡色部が殆ど無く、これ以上ないくらい、翅がべったりと黒く染まっている。今まで手にしたなかでは
最も翅斑が発達した個体だろう。まさに正真正銘「烏ヤンマ」。
これほど完璧なまでに翅が黒くなるトンボは、不均翅類の大型トンボでは世界を見回しても珍しいので
はないだろうか。

そんな特異なトンボが、ちょっと3時間飛行機に乗って行ける島に棲息している、という事実に感謝。
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by brunneus | 2015-07-13 09:30 | 沖縄 | Comments(0)
2015年 07月 09日

ちょっと復活?

もうひとつの亜熱帯の象徴、トビイロヤンマ。

ここ5、6年ほど、ずっと原因不明の低調傾向が続いていたが、今年は久しぶりにまとまった数が見られた。と
言っても、頭上を覆う程の個体が群飛していたかつてのピーク時には遠く及ばないが、、。

手にした個体をいくつか並べてみる。

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画像の個体は全て雄で、左上は未熟、右上は半成熟、左下は成熟、右下は老熟した状態。個体数がある程度いる
ので、このように様々な成熟過程を観察することができた。半成熟過程の雄は今回初めて手にしたが、これで未
熟個体の桜色から灰色、青へと劇的に変化する複眼の様子が分かるようになった。成熟したての個体では鮮やか
な青色だが、老熟すると若干淡い色調になるのもこのヤンマの特徴だ。

個体数が多いと、落ち着いて観察できる。今回は未熟と成熟、雌雄で行動や飛ぶ環境が異なることを改めて確認
できた。

やはり亜熱帯の水田地帯にはトビイロヤンマは無くてはならない存在だと思う。
ちょっとだけ復活したその姿を見て、次に訪れるのが楽しみになった。
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by brunneus | 2015-07-09 22:31 | 沖縄 | Comments(2)
2015年 07月 08日

今年の傾向

初夏の亜熱帯の象徴とも言えるトンボ、カラスヤンマ。

今年は前回の2013年より見かけた数は少なかった。以前にも書いたが、この増減は個体数の増減と
いうより、出現する場所の相違だと思っている。
この時期の何よりの愉しみは、早朝、まだ人気のない海辺の静かな街中を音もなく舞う真っ黒い影を追
い回すことだが、今年は街には殆ど現れなかった。おそらく天候や風などが影響しているのだろう。
行く先々でぽつり、ぽつりと出会う、というのが今回のカラスヤンマの印象だ。


そして手にした個体。

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翅斑の変異は概ね画像のパターンだったが、今年は中段以下の翅斑が発達した個体が多く、上段の縮小
型はむしろ少なかった。
べったりと翅全体が黒く染まった個体を最後に見たのは2011年。2013年はあれほど沢山目撃し
たのに、翅斑発達型は殆ど見ていない。

手にした個体を見て、カラスヤンマの斑紋の出現パターンは年や地域によって偏りがあるのではないか、
というかねてからの妄想が、現実味を帯びてきた。
きちんと調査したわけではないので、妄想の輪郭がはっきりしてきた、と言うべきか。

カラスヤンマは、姿形やその行動、さらに斑紋の多様性など、虫好きにとっては堪らない魅力をいくつ
も兼ね備えた、素晴らしいトンボだと思う。
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by brunneus | 2015-07-08 01:03 | 沖縄 | Comments(0)
2015年 07月 06日

幸運

亜熱帯の季節。

今年は何となく八重山かな、と思っていた。しかし日々が過ぎるなかで、日程や様々な面での余裕が無
くなってゆく。身体は南方の空気を求めている。せめて沖縄本島だけでも、、、。
気付くと、航空券購入のボタンをクリックしていた。航空会社の予約サイトは、夢の世界に開かれた窓
だ、といつも思う。

今年の沖縄地方は梅雨明けが例年になく早い。こうなると気になるのが台風だが、幸運なことに滞在す
る期間は大丈夫そうだ。
しかし現地に到着すると、こんな空が待ち受けていた。

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次々に山に押し寄せる灰色の雲。時おり吹く湿った強風。徳島の記憶が思い出される。しかし今回は違
った。

二日目の朝。
前日のポイントでお会いしたKさんの車に便乗させて頂き、強風曇天の中を探索。全く気配が無いので
早々に諦めて車に戻ろうとすると、草地の一角を凝視するKさんが目に入った。
「何かいますか?」
「あそこで群れてるキナナワチョウの向こうに何かいる、、」
確かに草地に片隅にオキナワチョウトンボが数匹群れ飛んでいる。確かめようと草地に踏み込み、気配
を感じて見上げて息を呑む。
目の前の斜面上にカラスヤンマ雄雌と、翅が透明な怪しいトンボが何匹も舞っていたのだった。
翅が透明なトンボがひらりと身を翻した瞬間、太い腹部の側面がきらりと光った。「あれは、、、」


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左:オキナワミナミヤンマ雌 右:オキナワミナミヤンマ雄

もし自分だけの単独の状況だったら絶対に気付かなかっただろう。
これを皮切りに、この日はオキナワミナミヤンマをあちこちで見ることができた。

オキナワミナミヤンマをこんなに見たのは、14年の遠征歴の中でも初めてだ。天気は最悪の一歩手前
で、普通なら成果が期待できない状況。しかしKさんと行動して眼が4つに増えたこと、悪天時にトン
ボが集まるポイントを偶然見つけられたこと、という二つの幸運が重なって不利な状況を覆すことがで
きた。

遠征は、何が起こるか分からないから面白い。
徳島で溜め込んだ運が爆発したようだ。

最高!!
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by brunneus | 2015-07-06 01:13 | 沖縄 | Comments(4)
2015年 07月 01日

わからない

前回の投稿の答え

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結果は画像の通りだが、図鑑によると、概ね次のようなことが書いてある。
(アサヒナカワトンボを基準として書く)

•頭部の横幅の長さが、翅胸高より大きい。
•縁紋が翅の先端よりにあり、太短い。
•翅脈が粗い。
その他、腹部基部背面の突起が云々、、という記述もある。

自分の頭が悪いからかもしれないが、これらの記述を読んでも、はっきり言ってよく分からない。
その差異が微妙すぎるのと、沢山のサンプルを実際に見比べたわけではないので、個体差なのか、種
としての差異なのかの境界線を実感できていないからだ。

2種ともに東京では普通種に入る身近なトンボだが、こんなに見分け方の難易度が高い種が他にある
だろうか?
自分はと言えば、それなりに綺麗なトンボだとは思うのだが、100%の同定ができるまで訓練を重
ねるほどに愛着があるわけではない。所詮アマチュアなのだ。

今年も、カワトンボに対してはもやもやとした気持ちを抱えたまま、カワトンボシーズンを終えよう
としている(この一文は昨年も書いた気が、、、)
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by brunneus | 2015-07-01 23:54 | つぶやき | Comments(0)