トンボの日々

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2016年 04月 27日

滞りなく

若夏の亜熱帯から戻ると、関東の春は一気に進んでいた。

今年の春は早い。例年だとあと3日ほど待つ所なのだが、様子見も兼ねて、千葉の沼を訪れてみた。
現地着時間から逆算すると、とんでもない早起きになるのだが、まあ仕方ない。

眠い眼を擦りながらタクシーを降りると、懐かしい泥水の臭いが鼻をくすぐる。

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水面を見ても目的のトンボの姿はない。当然だ。生殖前期のこの時期は、雄は水面ではなく、周囲の空
き地を飛んで雌を待つのだ。

そのまま池を通り過ぎて、薮に囲まれた草地へ入ると、早速目の前を雄が旋回。そしてその上をふらふ
ら飛ぶのは、、、

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トラフトンボ雌。
腹部はぼってりと重く、複眼は鶯色。既に成熟している。早速周囲を探索すると、あちこちで雌に遭遇。
しかし、まとまって飛ぶ場所が今年も見当たらず、足で歩いて稼ぐ採集となった。
淡い期待を寄せていた他の役者は、はるか上空にアオヤンマ未熟雌が一頭、サラサヤンマは姿を見ずだ
った。ヤンマを見るにはほんの少し早かったのかもしれない。

今日見たトンボは、トラフトンボ以外は前述のアオヤンマ一頭とクロイトトンボ、ウスバキトンボが一
頭のみ。トンボ相が豊かな沼なのだが、毎年この時期はトラフトンボのみが突出しているのが面白い。
熾烈な種間競争を時間差で勝ち抜くための知恵なのだろうか。

何はともあれ、今年も滞りなくトラフトンボに出会えて、ほっとした。
当たり前のトンボが、当たり前のように飛ぶことの有り難さを、近年は特に痛感している。












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by brunneus | 2016-04-27 23:57 | 千葉 | Comments(0)
2016年 04月 24日

ご当地2種

今回の遠征も、基本的には悪天候の中での探索だった。
そうなることを予測して、林道を歩きながら、あるトンボを探した。林道の斜面に流れ込む、名もなき
小さな沢。沢というより、斜面から水が滴り落ちている、という程度の流れ。周囲は深い樹林に覆われ、
流れの上は薄暗く、真昼でも懐中電灯で照らさないと良く見えない。足元に潜むハブやヒメハブの存在
に怯えながら、おそるおそる踏み込む。
何本目かの流れで、ようやく足元に目的のトンボを発見。

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ヤンバルトゲオトンボ雄

ヤンバルトゲオトンボ、で合っていると思うが、自信はない。
探索した谷は、オキナワトゲオトンボとヤンバルトゲオトンボの混生地帯なのだが、採集した地点がヤ
ンバルトゲオの記録地にあたること、雄の翅端の褐色斑が薄いこと、腹端の「刺」が直立気味、という
点を総合して、「ヤンバル」とした。
今回はこの個体以外に見つけることはできなかったが、真っ暗な沢奥深くに踏み込む勇気と体力が無か
った、ということもある。
山原通いを始めて随分経つが、時期を外していたり、真剣に探さなかったりで、実は山原でトゲオトン
ボを手にするのはこれが初めてだ。

二日目。
奇跡的に太陽が顔を出した時間帯に別の谷の林道を歩いていると、後方からすーっと頭上を中型トンボ
が飛んで来て、すぐ先の葉に止まった。真下から慎重にアプローチし、一気に竿を振る。ネットの中に
は懐かしい姿。

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オキナワサナエ雄

こちらは日差しが絶対的に必要なトンボだ。
最後にオキナワサナエを手にしたのは2013年。オキナワミナミヤンマを狙って訪れた谷間の空き地
で、偶然飛来した老熟個体だった。黄色が鮮やかな未熟個体を見たのはさらにその前。もう憶えていな
い。

山原のご当地トンボ2種。それにオキナワコヤマトンボが加わればもう言うことはないのだが、決定的
チャンスを外したきり、出会いがなかった。贅沢は言うな、ということかもしれない。

初夏の日差しを浴びて、亜熱帯の森を探索できただけでも有り難い、と思うことにしよう。









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by brunneus | 2016-04-24 18:27 | 沖縄 | Comments(0)
2016年 04月 22日

出会いの水田

山原の水田地帯では、有名ポイントだけによく同業者に出会う。
そして、その出会いをきっかけに本命のトンボの採集へと繋がることもある。

例えば昨年は、出会った翌日の朝、共に訪れたポイントで同業者の方が見つけたオキナワチョウトンボ
がきっかけになり、オキナワミナミヤンマが飛ぶ場所を発見している。

そして今年。
黄昏の水田地帯でトビイロヤンマの出現を待っていると、暗がりからにゅっと出て来たのは、なんと東
京で知り合った凄腕ハンターKくんだった。なんの示し合わせもしていないのに、亜熱帯の田舎の田ん
ぼでその人懐こい動物的な笑顔を見たときは、狐にでもつままれたような気持ちになった。
そして翌日、共に訪れた場所で奇跡的に晴れ、めでたく二人とも本命採集、となったのである。

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この時期のトビイロヤンマは例年数が少なく苦戦するのだが、今回は最盛期とまではいかないものの、
水田の縁を飛び交う姿を見ることができた。写真左の個体のような老熟個体が採れた、ということは、
少なくとも4月第一週には既に羽化していたのだろう。
ヌマガエルやシロガシラの声がこだます泥臭い水田で、足元を掠める淡白い影を追い回す。亜熱帯での
採集のクライマックスの一つだと思う。

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by brunneus | 2016-04-22 19:52 | 沖縄 | Comments(0)
2016年 04月 20日

7年振り

うりずんの山原。

このフレーズを聞いて思い起こされるのは、空低くたれ込めた雨雲と、霧に霞む山並み。そして焦燥と
絶望。
オキナワサラサヤンマを求めて幾度となく山原を訪れているが、現地で待ち受けているのはいつもこん
な風景。とにかく、うりずん(若夏)と言われる4月の山原は、天候が安定しないのだ。

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そして今年。
幾多のトラブルを乗り越えた結果、7年振りにオキナワサラサヤンマを手にすることができた。

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つかの間の晴天を与えてくれた幸運に感謝。











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by brunneus | 2016-04-20 01:34 | 沖縄 | Comments(2)
2016年 04月 15日

開幕

悪天明けの金曜日。
めずらしく穏やかに晴れ渡り、気温も高い。ムカシトンボ羽化の報があちこちのブログで報告されて
いる。この天気はまたとない条件だ。
仕事前の午前中、眠い眼をこすりつつ、未熟個体の摂食飛翔を狙いに一年振りの場所へ。

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芽吹いたばかりの木々に目を細めつつ、ポイントには10時ちょうどに着。北風が強い予報だったが、
ここは南に面しているからか、ほぼ無風。荷物を置いて、さっそく空間を睨むと、細い棒状の物体が
つー・・・と移動しているのが見えた。一年振りの姿だ。
この個体を皮切りに、次々にムカシトンボが空き地を飛び交い始めた。ガビチョウの声がこだます静
かな日だまりで、竿を手に、細い棒を追い回す至福の時間。

一時間ほどで満足してしまったので、予定を早めてポイントを後にする。
気持ちが穏やかな状態だと、普段見えないものが見えるのだろうか。帰り道、ふと足元の草に違和感
を感じ、覗き込んであっと息を呑んだ。

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このポイントに通い始めてずいぶん経つが、ムカシトンボの羽化を目にするのは初めてだ。この個体
の数メートル脇にも、別の個体が羽化していた。

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手にした個体は羽化して数日、という所か。
この時期ならではの、透明感のある儚さのようなものを感じる。

昨年のムカシトンボは惨敗に終わったが、今年は出来き過ぎだ。南方遠征を前に、ここで運を使い果
たしていなければいいが、、。












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by brunneus | 2016-04-15 13:48 | 東京 | Comments(2)
2016年 04月 06日

横向き

ここ数日は、採集したヤゴの横向き撮影に挑戦しているが、慣れた背面からの撮影に比べ、数倍難しい。

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左上:コオニヤンマ 左下:ダビドサナエ 右上:おそらくアサヒナカワトンボ
右下:おそらくクロイトトンボ

まだまだプロトタイプの段階で改善面は多々あるが、そもそもヤゴというものに興味が持てないので、
横向き写真がどこまで進化できるかは、全くの未知数だ。
自分にとってヤゴとは、他の昆虫で言えばクワガタの雌のような存在なのかもしれない。あくまで成虫
と言う理想型の傍流なのだ。

成虫のシーズンが始まってしまう前に、もう少し頑張ってみよう。










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by brunneus | 2016-04-06 01:16 | つぶやき | Comments(2)
2016年 04月 02日

初物2016

昨日。
仲間からスギカミキリ出現の報を聞きつけ、埼玉の産地へ行ってみた。
ポイントに着くなり、片っ端からスギの皮をめくるが、閑古鳥。いいかげんめくり飽きてきた頃に、待
望の姿が。

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結局、このポイントでのスギカミキリは、この1頭に終わった。


その後は頭を切り替え、もう一つの目的である、川のヤゴ採集へ。

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左:コオニヤンマ 中:おそらくヤマサナエ 右:ダビドサナエ

棲息しているはずのアオサナエ、オナガサナエ、コヤマトンボのヤゴが入らなかったのが残念だが、今
回は図鑑用の代表種の撮影が目的なので、これで充分。

正味三時間弱の採集だったが、今年も無事春の顔に出会えて満足。この時期ならではの、柔らかな日差
しに包まれながら、のんびりとした採集を楽しんだ。

高知ではタベサナエが続々と羽化しているようだ。トンボ前線は、すぐそこまで来ている。















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by brunneus | 2016-04-02 23:35 | 埼玉 | Comments(0)