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2016年 05月 30日

土壇場

昨日は、二箇所の川のトンボを見に行っていた。
複数ポイントを巡ることは疲れるので基本的にやらないのだが、今年はフィールドに出る時間があまり
取れないことと、天候と休みのタイミングが合わないので致し方ない。

第一のポイントは都内西部の清流。

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駅からそれほど遠くなく、環境も良い。狙いは未撮影のコオニヤンマ雌や成熟したヤマサナエだが、期
待を胸に河原へ降り立っても、サナエトンボの姿が見当たらない。岸辺を舞うのはたくさんのミヤマカ
ワトンボと、少しのニホンカワトンボ。コヤマトンボすら飛んでいない。天気、気温共に申し分ないの
だが、、。周囲の木立で休息しているのか、と探索してみても、発見できたのはダビドサナエたった一
匹。ここまで何もいないと目の錯覚を疑ってしまうのだが、いないものはいないのだ。仕方なしに、撤
退。

第二のポイントは、本命のアオサナエの産地。黄昏時の雌の産卵狙いなので、夕方からの現地入り。
昨年初めて訪れた場所だが、残念ながらアオサナエの産卵シーンに出会うことはなかった。

16時過ぎにポイント到着。
川に入水してみると、目に入ったのはヘドロ状の藻類に広く覆われた水面。

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川底もヌルヌルとした藻類に覆われ、水も心無しか白濁している。こんなに環境が悪かったっけ、、と
嫌な予感が過りつつも、周囲をくまなく探索するが、アオサナエの姿が無い。本来なら、雄の数が増え
る時間帯だ。いよいよ本格的に外したか、、と諦めかけていた頃に、白濁した水面を滑る姿。

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ようやく雄が現れた。水面を埋める褐色藻をバックに記念撮影。撮影した直後にこの雄は飛び立ったの
だが、開放水面で二度ほど水面をバウンドして水を飲み、三度目に、なんと褐色藻にダイブしてしまっ
た。

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翅や脚に藻が絡み、もがけばもがくほど水没していく。この個体だけでなく、運悪く褐色藻に着地した
まま命を落とすトンボは多いのではないだろうか。

次第にあたりは暗くなり、虚しく一日が終わろうとしていたが、岸辺の一角の狭い範囲に雄が集結して
いる場所を見つけた。雄が集結している、ということは、、。

18時15分。目の前の瀬に、雄ではないトンボがホバリングしているのを発見、即座に竿を振り下ろ
す。土壇場で、ようやくアオサナエ雌を採集。

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雌を手にするのは二年振り。馴染みがないポイントで、雌の産卵ポイントを探すのは自分にとって至難
の技だが、今回は集結していた雄たちに便乗したおかげで雌に出会うことができた。

さて、コオニヤンマ雌はどこで狙おうか、、。







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by brunneus | 2016-05-30 23:39 | 埼玉 | Comments(0)
2016年 05月 27日

雌の日・その2

数日前。仕事前の午前中、都内のムカシヤンマの産地を再訪した。

どうしても早起きができず、現地到着が午前10時過ぎ。天気は薄曇りで、日差しは弱々しい。
さっそく周囲を探索するが、今回もムカシヤンマの姿がない。気温と湿度は高く条件は悪くないはずだ
が、ここまで出会いが無いと、今年は相性が悪かったのか、、と諦めの境地になってくる。

11時15分。もう一巡したら帰ろうと歩き出した時、視界の隅にある物が見え、足が止まる。ムカシ
ヤンマだ。さっき通過した時は何もいなかったはず。ムカシヤンマは、いつも突然姿を現すのだ。近づ
くとぱっと飛び、再び止まる。今日は敏感なパターンのようだ。こういう時は万全を期して、ムカシヤ
ンマだからとむやみに近づかずに、竿を長めに構えてアプローチする。

充分に間合いを取って一振り。ネットの中から威勢のよい羽音。

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取り出してみると、運が良いことに雌だった。翅にクモの糸がたくさん絡み付いた老熟個体。

いつも思うが、このポイントのムカシヤンマは、行動に性差が全く無い。雄も雌も同じように、日当り
のよい地面に静止している。雌が来る時間や場所というものも、ない。ここで生殖活動らしいものを見
たのは、一度だけ、雌に掴み掛かる雄を目撃したのみで、雌が近くにいても雄は無関心なことが多い。
おそらく、このポイントは生殖のためでなく、摂食のための空間だからなのかもしれない。近くに産卵
する場所があり、そこでは雌の捕捉から産卵までの一連の行動が観察できるはずだが、残念ながらまだ
発生源は特定できていない。


毎年、産卵現場を押さえてみよう、と思っているのだが、今年もそれは叶わぬままに、ムカシヤンマの
季節は過ぎ去ってしまいそうだ。








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by brunneus | 2016-05-27 01:39 | 東京 | Comments(0)
2016年 05月 24日

増えてる?

今が旬のヤンマと言えば、アオヤンマ。

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全身を包む爽やかな緑色は、若葉の頃の風景にとてもよく似合う。

そして、成熟した雄の複眼。見る角度によって七変化する魅惑の色彩。

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静止画では、その魅力の十分の一も伝わらないだろう。


ところで、アオヤンマは近年、関東南部で新産地の発見が相次いでいるようだ。
トンボ採りを始めたばかりの頃はアオヤンマは高嶺の花で、はるばる千葉まで遠征しに行かないと採
れないトンボだった。かつては、大河に囲まれた、デルタ地帯の低湿地にしか棲息できないと思い込
んでいたが、近年の生息地を見ると、かなり内陸部に入り込んでいる。それだけでなく、埼玉の産地
には、人々が憩う都市公園のど真ん中を悠々と飛んでいるような場所もある。

絶対数が増加しているのか、単に今まで発見されていなかったのかは分からないが、産地の環境を見
る限りでは、密生した挺水植物のある程度大きな群落と、周辺に樹林があれば、周辺環境にはあまり
拘らないようだ。
マルタンヤンマほどではないにせよ、分散力と適応力を兼ね備えたヤンマなのかもしれない。

原因はともかく、身近でアオヤンマが見られるようになったことは、嬉しい限りだ。








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by brunneus | 2016-05-24 01:23 | つぶやき | Comments(0)
2016年 05月 20日

もう一声!

トラフトンボを採りに行くと、毎回それとなく狙うのが雌の無斑型。狙って採れるものでもないので、
いつも出会いは運任せ。無斑が採れない年も当然あり、昨年と今年は出会いはやってこなかった。

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今年採れた雌で、一番無斑に近付いた個体がこれ。かなり褐色条が薄くはなっているが、もう一声、
結節より先まで無斑部分が広がって欲しかった。

トラフトンボの雌は、何となく飛び方で雌雄の判別がつくのだが、雄かと思って気の抜けたストローク
でネットに入れると雌、、!ということもあり、特に無斑型雌はこのパターンが多い気がする。

目まぐるしい季節の移ろいに、そんなトラフトンボの記憶もだんだん薄れてきた。








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by brunneus | 2016-05-20 23:42 | 千葉 | Comments(0)
2016年 05月 19日

レモンイエロー

先週、少し早いとは思ったが、都内のムカシヤンマのポイントを訪れてみた。

午前中は別のポイントに行っていたので、現地着が午後1時過ぎ。天気は申し分ないが、ポイントの
谷間に注ぐ光は、既に午後の色を帯びている。

いつもは到着してすぐに足元に静止する個体が目に入るのだが、この日は一向に姿が見えない。視界
を飛び回るのはシオヤトンボばかり。
歩き回ったあげく、谷の奥でようやく足元から大きなトンボが飛び上がった。目の前の木の幹に止ま
った所を取り押さえる。

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手にするとまだ軽く、胸部の斑紋のレモンイエローが鮮やか。成熟一歩手前、というところだろう。


その後、追加を求めて歩き回ったが、結局、この1頭の他にムカシヤンマを見ることはなかった。

到着が遅過ぎたのだろうか、それとも湿度が低いからだろうか。人間の五感では感じ取れない変化を、
ムカシヤンマは感じているのだろう。

また近いうちに再訪してみよう。














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by brunneus | 2016-05-19 00:10 | 東京 | Comments(0)
2016年 05月 17日

最初で最後?

前回の記事で「オオキイロコガネ激減」と書いた翌日、仕事帰りの夜の大学通りで発見。

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今までにも潰死体は何匹か見かけているのだが、踏みつぶされる前の個体に出会うのは今年初めてだ。
ふだんの年も潰死体はあるが、生きた個体も見かけることが多い。しかし今年はそれが無かった。
と言うより、潰死体自体が今年は少ないのだ。

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国立のオオキイロコガネのシーズンも末期。透明感のある、このイノセントな独特な雰囲気を味わえる
のは、これが最初で最後かもしれない。









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by brunneus | 2016-05-17 15:43 | 東京 | Comments(0)
2016年 05月 15日

ようやく

連休明けくらいから、いつもの場所でルリカミキリをチェックしていたのだが、さっぱり姿が見えな
い。なにか環境の変化が原因で絶えてしまったのか、と気を揉んでいた。

昨日。夕方訪れてみると、頭上の葉に探し求めていたシルエットをようやく発見。

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すぐ目の前の枝にも。

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往来が気になるので5分程度しか探せなかったが、他にもふわふわと飛翔している個体もあり、順調
に発生しているようだった。ここ数日で発生が始まったのか、今までのチェックした時間が悪かった
のか、、。

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今年はオオキイロコガネが激減している。減った、増えた、という言葉は安易に使いたくないのだが、
毎日通る道での状況なので、減っているのは事実と考えて差し支えないだろう。

そこへ来てルリカミキリまで激減か、、と思っていた矢先なので、久しぶりの姿を見て、一安心。









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by brunneus | 2016-05-15 00:41 | 東京 | Comments(0)
2016年 05月 12日

雌の変化

ムカシトンボのシーズンが終わりを迎えようとしている。

手元の採品を眺めて気付いたことをひとつ。

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2匹のムカシトンボ雌のうち、左の個体は5月1日採集、右の個体は4月15日採集。
4月に雌を採ると、ずいぶん黄色いなあと毎年思うのだが、5月の成熟個体と並べてみると、黄色斑が
ずいぶん目立つ。いっぽう、5月に手にする個体はどれも画像のように黒っぽい。
サラサヤンマ、ヤブヤンマなど、成熟して黒化するトンボは何種類かあるが、ムカシトンボにもその傾
向がある。雄の黒化の比較は以前にも書いたが、改めて雌を見ると、雄よりその差は明瞭なようだ。

成熟した雌を得るには産卵するポイントで待つしかないのだが、最近はなかなか産卵するシーンに恵ま
れない。今年も、もう少しじっくり雌を、、と思っているうちに、シーズンが終わってしまう。

来年は、雌が産卵する新規ポイントを開拓するしかなさそうだ。










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by brunneus | 2016-05-12 17:05 | つぶやき | Comments(0)
2016年 05月 10日

雌の日

先日の日曜日、お馴染み同好Aさんと、千葉の谷津へ行ってきた。

数年前に一度だけ訪れたことはあるが、その時は成果が芳しくなく、足が遠のいていたポイントだ。
同好Aさんは何度か通いポイントに精通しているので、案内して頂く形での採集行となった。

午前10時、電車を乗り過ごすという失態を犯し、予定より30分遅れでポイントに到着。
前日まで吹き荒れた風は収まり、天気は申し分ない。

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上空にはサシバが飛び、林の中からはオオタカの叫び声。自然度の豊かさは数年前と変わっていないよ
うだ。そして着くなり足元からホンサナエの雌が飛び立つ。長靴に履き替え、ここでの第一目標、サラ
サヤンマを求めて探索を開始。
しかし、いくら歩いても日向をホバリングする雄の姿は見当たらない。少し早かったのか、、、。早い
にしても、摂食個体が飛ぶはずだが、その姿もなし。途中で出会った同業のクロクロフネさんらと言葉
を交わしつつも、ひたすら歩き回る。

やがて同好Aさんが、日当りの良い草原に雄の縄張り飛翔を発見。譲っていただき、収納。しばらく木
陰で休んでいると、すぐ頭上をヤンマが忙しなく旋回しはじめた。直前に飛び去ったクロスジギンか?
目で追うと、黄色い。サラサ雌!
サラサヤンマ雌は目まぐるしく飛翔コースを変え、まるで自信が無かったが、あてずっぽうに竿を振る
と、手応えがあった。

この個体を皮切りに、昼過ぎにかけて、交尾態も含めあちこちで旋回するサラサヤンマ雌を見かけた。
一日で、こんなにサラサヤンマ雌を見たのは初めてだ。いっぽう、雄は殆ど見られなかったのが不可
解だ。単純に雄の活性が低い日だったのだろうか。それとも成熟度に関係しているのだろうか。

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サラサ、ホンサナエの他は出始めのキイロサナエが少しと、小流にアサヒナカワトンボ。これからこの
ポイントは賑やかになるのだろう。夏のトンボも面白そうな場所なので、機会があれば訪れてみたい。

同好Aさん、案内して頂きありがとうございました。









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by brunneus | 2016-05-10 15:28 | 千葉 | Comments(4)
2016年 05月 07日

保険

先日の山原遠征。

悪天候の予想に備えて、トンボ以外の保険を設定しておいた。それがこれ。

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上:ツノメガニ雄 中左:ツノメガニ幼体 中右:オキナワハクセンシオマネキ雄
下:フタハカクガニ幼体

今回の最大の目標はシオマネキで、棲息場所はマングローブ、もしくは砂泥干潟の河口。このカニで気
をつけなければいけないのは、潮の満ち干だ。実は昨年も狙っていたのだが、潮汐を考えずにポイント
に行ったので、カニは巣穴もろとも海水の中。今回はその失敗を踏まえて、事前に干潮になる時間を調
べておいたのだ。しかしこれが今回の遠征を難しくした。運悪くトンボの活性が高まる時間と干潮がぶ
つかってしまったので、宿の選定から一日のスケジュールの細部に至まで、いつも以上に綿密に計画を
立てなければならなくなった。
結果的には、首尾よく潮が引いた干潟で、多くのシオマネキたちを見ることができた。他のカニはフタ
ハカクガニしか見当たらなかったのは、微妙な環境のせいか、時間のせいかわからない。

ツノメガニは、保険の保険。2年前の遠征で採集のコツは掴んでいた。昼間砂浜を歩いても、目に付く
のは小さな幼体ばかりで、大型の個体は基本的には穴の中に潜んでいる。大型個体に出会うには、懐中
電灯を抱えて夜間に砂浜に出向く必要がある。真っ黒な海面から潮騒がこだます海岸は不気味だが、恐
怖心をぐっとこらえて懐中電灯で砂浜を照らすと、ぽつぽつと白い点が浮かび上がる。その中の一つに
狙いを定めて、海を背に陸側に追いつめれば、簡単に採集できる。波打ち際に逃げ込んだ個体も、水中
に入ると安心するのか、寄せる波にゆらゆら揺られているだけなので、取り押さえるのは簡単。
ツノメガニを採集した砂浜では、ミナミスナガニが見られなかったが、2種の間で棲み分けが行われて
いるのだろうか。砂浜を走り回る小型から中型の白いカニは、みなミナミスナガニと思い込んでいた頃
が懐かしい。

今回の遠征は天気に負けてトンボに関しては芳しくなかったが、天候に左右されないターゲットがある
と、旅が何倍も充実する。次に行くときは、また新たなカニたちに出会いたいものだ。













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by brunneus | 2016-05-07 18:03 | 沖縄 | Comments(0)