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2016年 06月 30日

6月のネアカ

梅雨の晴れ間に、ネアカヨシヤンマの産地に行ってきた。
例年はもっと遅い時期に行くのだが、今回はネアカヨシヤンマの若い個体の摂食飛翔を見るのが目的。
若いネアカは、日中に空き地などの上をゆるやかに旋回しながら摂食するという。
黄昏時の、薄暗い湿地の上を縦横に飛び交う姿しか見たことがないので、日中に飛ぶネアカというのが
どんなものなのか、興味があったのだ。

ポイントには昼過ぎに到着。
枝という枝、至る所に止まっているチョウトンボを横目に、ネアカを探す。

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草いきれにむせびながら、あちこち探索するが、いくら待ってもネアカらしき姿は見えない。
集中力が切れたので、ターゲットを変更。

岸辺の草の間を覗き込み、目的のトンボを探すが、こちらも姿が見えない。ここで深呼吸。
視点を変えるために、思い切って岸辺から入水し、息を整えてあたりを見回すと、そのトンボはすぐ目
の前の草にひっそりと止まっていた。

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オオモノサシトンボ。
今の所、産地が非常に限られる種とされているが、流行りのDNA解析の結果、モノサシトンボと同種に
されてしまいそうな立場のトンボだ。さらに見回すと、すぐ足元にも。

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未熟個体独特の、赤みがかった体色が魅力。

その後も探索すると、あちこちでかなりの数のオオモノサシトンボを見ることができた。もう一種のご
当地トンボであるオオセスジイトトンボは、雌を2個体みただけに終わった。たぶん探しかたが悪いの
だろう。

日も傾いてきたので、黄昏飛翔が見られる湿地へ移動。森の中に入ると、あちこちに鮮やかな赤色が。

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ベニイトトンボ。ここでは年々増えているらしい。

そして黄昏。
時々飛来するアオヤンマに付き合いながらネアカが飛ぶのを待つが、この日は活性が鈍いのか、不発。



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かろうじてネットに入れたネアカを手に取ると、既に翅が褐色に煙った老熟個体だった。6月でこの状
態のものがいるとは、予想外。
数が多かったアオヤンマは、まだ鮮度を保った状態だ。

オオモノサシトンボを近年姿を見ないと思ったら、どうやら時間帯が悪かったようだ。
通い慣れた場所でも、普段行かない時期、行かない時間帯に訪れると、いろいろな発見があって刺激に
なる。次は南方からの帰宅後に訪れてみよう。








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by brunneus | 2016-06-30 01:11 | 千葉 | Comments(0)
2016年 06月 28日

時代は変わる

北のトンボ2種。

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左:オオトラフトンボ雌 右:カラカネトンボ雌

どちらのトンボも、かつては自分にとっては遠い存在だった。
文字通り産地までが遠いこともあるが、特にオオトラフトンボは個体数が少なく、失敗するリスクを冒
してまで、わざわざ大変な労力を払って遥々出掛ける気持ちにならないのだ。
カラカネトンボは産地での個体数は多いが、常にオオトラフトンボとセットなので、縁が無いことに変
わりはない。

当時、この2種のトンボは、関東周辺では山岳地帯の湿原や池塘に生息するらしいことは分かっていた
が、既知の産地は北関東の山の中の池しかなかった。仕方がないので幾度となく足を運んだが、結果は
芳しくなかった。朝から岸辺に立ちっぱなしで頑張っても、雄を一匹手に出来れば良いほうで、雌はは
なから期待はしていない。目の前を通りすぎるカラカネトンボと戯れて一日が終わる、というパターン
が殆んどだ。

欲求不満が募り、なんとか行動圏内の多産地を見つけるべく地図を隈無く眺め回したりしたが、そのう
ち情熱は醒めてしまった。

ところが数年前、若いトンボ仲間から新産地の情報がもたらされた。彼等はスマホのGoogleマップを片
手に、持ち前の体力と情熱でネットから情報を集め、縦横無尽にタグ付けされたポイントを巡り、未知
の生息地を暴いてゆく。
そしてその産地を見てみると、何のことはない、そこは幼い頃から慣れ親しんだ地域だった。

産地に立ってみると、初夏の陽射しを浴びて、褐色のオオトラフトンボが幾匹も岸辺を飛び交っている。
雄ひとつ採るのに苦労した記憶を持つ者としては、いとも簡単に個体数が多いポイントにアクセスでき
てしまう時代の変わりように驚く。
オオトラフトンボがこれらの地域に以前からいたのか、最近増えたのかは分からない。しかし、こう
いった新知見は、そのトンボの新たな側面(オオトラフトンボで言えば、生息環境の幅が意外に広い)を
垣間見た気がして、嬉しくなる。

インフォメーション・テクノロジーの恩恵を受けて、昆虫採集にまつわる環境は激変している。
良い部分も悪い部分もあるとは思うが、決して止まらないこの流れは、どこまで行くのだろうか。      






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by brunneus | 2016-06-28 16:11 | つぶやき | Comments(0)
2016年 06月 25日

真紅

ここ数日、この零細ブログに謎のアクセス急増現象が起きている。
内容に噛み合わないアクセス数なので、ブログのシステム不具合か、新手のDoS攻撃の一種、というこ
とにしておこう。

昨日。
今にも雨が降りそうな空模様だったが、こんなときにしか行けない場所へ。
狙いはオオイトトンボ。昨年に続き2回目の挑戦で、昨年はオオイトトンボと思って持ち帰ったイトト
ンボが、ムスジイトトンボに化ける、という失態を犯している。
14時半。ポイントに着くと、オオイトトンボどころかイトトンボ自体全く見つからない。ウチワヤンマ
すら姿が見られず、岸辺にはコフキトンボばかりが目立つ。
仕方がないのでターゲットをコフキトンボのオビ型雌に切り替えて探索。

雌はこういう場合、雄で賑わう岸辺で待つよりも、岸から離れた草むら、雄が寄り付かない薄暗い池な
どを探す方が効率が良い。
心当たりを探すと、鮮やかな紅色の翅が目に飛び込んできた。

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この個体を皮切りに、あちこちでオビ型を見つけることができた。
関東南部では、オビ型には殆んど出会ったことがない(真面目に探していないのもある)が、この日はや
けにオビ型が目に付いた。

艶やかな真紅の翅脈がとても美しく、是非とも撮影したかったトンボだ。

いっぽうのオオイトトンボ。
イトトンボはいつでも活動していると思っていたが、曇天の夕方は不活性なようだ。
また天気の良い日に出直すことになるだろう。






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by brunneus | 2016-06-25 11:35 | 東京 | Comments(0)
2016年 06月 24日

相似

この2匹のイトトンボの雌。

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一瞬で種名を当てられる人がいれば、その人は尊敬に値する。もちろん自分はこの画像を見ただけでは
さっぱり分からない。恐らくクロイトトンボ属の種のどれかだろう、、、という所で思考停止。


正解は、
左がエゾイトトンボ雌、右がクロイトトンボ雌だ。
ちなみにエゾイトトンボはエゾイトトンボ属(Coenagrion)、クロイトトンボはクロイトトンボ属
Paracercion)で、属が異なる。

関東では分布が非常に限られるエゾイトトンボ雌を見たあとに、近所の人工池でクロイトトンボ雌を見
ると、あまりの相似具合に目眩がする。不思議なことに、雄は両種とも一目で分かるほどの差異がある。
雄からしてみれば、生息域がほぼ被らず、雌を取り違える可能性が少ないので、雌が相似であることに
不都合はないのだろう。

すっきりしない天気の日々は、こういう小さなトンボの観察にうってつけだと思う。







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by brunneus | 2016-06-24 00:03 | つぶやき | Comments(0)
2016年 06月 22日

キラキラ

久々にギラギラとした太陽が街に降り注いだ日。
駅へと向かう歩道に、キラキラと輝く小さな粒を見つけた。つまみ上げると、それは出会いたかった虫
だった。

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アカガネサルハムシ  

昆虫図鑑をめくれば必ず登場する煌びやかなハムシで、一度手にしてみたいと思っていたが、何故か今
まで出会いに恵まれてこなかった。
ブドウの葉を害すると図鑑に書かれているが、見れば確かに赤ワインと白ワイン色。

米粒ほどの小さな虫だが、もう少し大きければ、ヤマトタマムシを凌ぐメジャーな虫になっていたに違
いない。

キラキラした粒がブドウの葉に群れる姿を、一度見てみたいものだ。







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by brunneus | 2016-06-22 08:43 | 東京 | Comments(0)
2016年 06月 19日

今までの経験上、採集に際して運が強く作用すると感じているトンボがふたつある。
ひとつがマダラヤンマの雌、そしてもうひとつがオオトラフトンボの雌。

どちらも広々とした環境に棲息し、雌が訪れる産卵基質があちこちに散在する、という共通点がある。
こういう状態だと、ここぞという産卵ポイントが絞れないので、結果として運良く雌が射程範囲に来て
くれるのをひたすら待つしかない。しかし普段の行いが悪いので運は無し、そして根気が人一倍欠如し
ている人間としては、最も向いていない採集法なのである。

昨日。
今年二回目のオオトラフトンボの採集行として、中部地方の水域を訪れた。昨年訪れた池が芳しくない、
という情報を聞き、以前何度か通ったことがある大きな水域へ。
天気は快晴、気温も高く、ポイントでは複数の雄が縄張りを張っている。この場所も、オオトラフトン
ボの産卵基質である水草が広範囲に見られ、雌が飛来するポイントを絞りにくい。

炎天下、雌を求めてひたすら岸辺を往復する間、飛来した雌が雄に連れ去られる場面を遠くで二度目撃。
あの場所に立っていれば、、。運の無さをこの日も痛感する。

13時27分。
暑さにうんざりして木陰で休憩していると、足元の岸辺に突如雌が現れた。慌てて竿を掴み駆け下りる
が、近くにいた雄に即座に追いかけられる。ああ、、また不運だ、、と全速力で飛び去る雌を目で追う
と、あろうことか、すぐ後ろの木に静止するのが見えた。
雌が止まったあたりに目を釘付けにして近づくと、具合が悪いことに枝が入り組んでいる。どうストロ
ークしようか考えているうちに、雌が風に煽られふわっと浮いた。しまった!!
とっさにネットを振ると、その中には木の葉と共にトンボの影が、、。

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オオトラフトンボ 左:雄 右:雌

雌を手にしたのは何年振りだろう、と調べてみると、2008年の北関東だった。しばらくオオトラフ
から離れた時期があり、再び挑戦を始めたのが2012年なので、苦節4年、というところか。

広大なポイントで、しかも自分のすぐ近くの木に雌が止まるというのは、幸運以外のなにものでもない。
オオトラフトンボの運は、これで使い果たしてしまったかもしれない。







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by brunneus | 2016-06-19 01:25 | その他 | Comments(0)
2016年 06月 17日

北国のモートン

先日の北国の湿原で、ハッチョウトンボを探しているときに視界にちらちらと入ってきたイトトンボ。
見慣れたアジアイトトンボやアオモンイトトンボとは一見して異なる雰囲気に、思わず手が延びる。

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モートンイトトンボ(左:雄 右:雌)

雄の蛍光を帯びた鮮やかな眼後紋と、オレンジ色の腹部のコントラストが美しい。
良く見ると、ハッチョウトンボと同じくらい、いやそれ以上に、草間を群れ飛んでいた。
モートンイトトンボとの接触は、ずっと以前、埼玉のどこかの場所で、同行していたA氏に未熟な個体を
貰ったという、たった一度きりだ。
都内にも産地はあるらしく、巡回しているポイントの中にも生息していそうな場所はあるのだが、頭上
を飛ぶずっと大きなトンボばかり追いかけているので、モートンイトトンボを探したためしがない。

東京のトンボ図鑑を作るに際して、モートンイトトンボの画像は外せないと思ってはいたが、具体的な
産地の情報もなく、後回しにしていた。
今回は、ハッチョウトンボという草間を飛ぶ極小トンボを探したからこそ、発見できたのかも知れない。

何はともあれ、未撮影のトンボがまたひとつ減った、という事実は、気分が良いものだ。
そしてコオニヤンマ雌はいずこへ、、、







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by brunneus | 2016-06-17 09:05 | 群馬 | Comments(0)
2016年 06月 13日

北の香り

春のトンボのシーズンが過ぎると頭の中はすっかり亜熱帯一色となるのだが、ほんの一瞬、北国の爽や
かな風景が脳裏を掠める時期がある。それがちょうどこの時期だ。

梅雨時の貴重な晴れ間をどこで過ごすかはこの時期の重要な要素だが、昨日は同好Aさんと協議の末、
いくつかの候補地の中から群馬の湿原を選んだ。

現地には午前8時に到着。ここは以前はオオトラフトンボを採りに通ったポイントだが、数年前から芳
しくない状況になっていたので、足が遠のいていた。エゾハルゼミのコーラスの中、期待を胸に岸辺に
立つが、飛んでいるのはヨツボシトンボばかりで、オオトラフどころか、沢山いたはずのカラカネトン
ボさえもいない。早々に諦めて、第二ポイントへ。

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最初に訪れたポイントより環境が良い。ここにはいるだろう、と岸辺を巡るも、ヨツボシトンボ、時々
飛び去るクロスジギンヤンマしか見あたらない。しまった、外したか、、、。
仕方がないので、足元に目を落とし、サブターゲットの小物を摘む。

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エゾイトトンボ雄

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オゼイトトンボ雄

日当りの良い岸辺の草地にわんさかと群れていた。これらのトンボは以前と変わらずに発生しているよ
うだ。

イトトンボと遊ぶのにも飽きたので、Aさんと協議の結果、ここで待っていても埒があかないので移動
することに。車の脇で、足首に違和感を感じて裾を捲って見ると、招かれざる客が。

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幸いなことに口器を皮膚に突き刺す前だったので、出血は無し。同好Aさんは靴下の中にまで入られて
いた。

車で30分ほど移動した第3ポイントは、もう随分訪れていない。確かハッチョウトンボがいる湿地が
あったはず、、と踏み込むとすぐに同好Aさんが「いた!」と声を上げる。湿地の草を凝視すると、可
憐な姿。

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目に入る個体が雌ばかりで、雄が一向に見つからないが、暫く探索すると目が慣れてくるのか、雄が次
々に目に入ってきた。

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昔訪れた時は、疲れていたからか、ハッチョウトンボは未熟な雄を1匹摘んだ以外は見つけることがで
きなかったが、この日は歩く度に足元から赤や黄色の小さなトンボが飛び出し、数の多さに面食らう。

ハッチョウと戯れていると、湿地の向こうから同好Aさんが呼んでいる。
行ってみると、木陰の岸辺を素早く飛び去る黒っぽいトンボ。やっとカラカネトンボに出会えた、、。
カラカネトンボは数が多く、産卵も複数回見られた。ポイントを変えると、これほどまでに状況が異な
るとは思ってもみなかった。

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どのトンボも撮影し直したい、と思っていたものばかりなので、オオトラフトンボは採れなかったが、
これで良しとしよう。
蒸し暑い東京から遠く離れた爽やかな北国の香りを充分に吸い込んだ1日。よい気分転換になった。
いつもながら、長時間の運転をしてくださる同好Aさんに感謝!







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by brunneus | 2016-06-13 00:39 | 群馬 | Comments(2)
2016年 06月 09日

羽化

4月の山原から持ち帰ったコシブトトンボと、3月に多摩西部の行きつけのポイントで採集したネキト
ンボが羽化。ずぼらな飼育で、よく羽化までこぎ着けられたものだ。

しかしコシブトトンボの方は、幼虫の撮影をする間もなく羽化してしまった。残念。

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数日前に関東が梅雨入り。いよいよフィールドに出る機会が限られてきた、、。







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by brunneus | 2016-06-09 00:12 | つぶやき | Comments(0)
2016年 06月 05日

思い通りにはいかない

トンボに限らず、普通種であるにも関わらず、「探すといない」というものがある。

自分の場合は、それに当たるのがコオニヤンマ雌とヤマサナエ雌だ。
両種とも、生息地に行けば雄に出会うのは容易いが、雌にはなかなか出会わない。二年前から他のトン
ボのついでにそれとなく探しているのだが、結局姿を見ることはなかった。

そして昨日。
ついにこの2種の雌を探すためだけに、神奈川の馴染みのポイントを訪れた。夕方から仕事があるので、
午前中のみの探索。

結果は、ヤマサナエ雌はあちこちで姿を見かけたが、コオニヤンマは殆ど姿を見なかった。
ヤマサナエ雌は、都合良く産卵する個体に出会えるはずもなく、あても無く歩きまわるばかりだったが、
日当りの良い林縁に雌が集まるポイントを発見。これに味をしめて、同じような場所を巡ってみると、
行く先々で雌に出会うことができた。太陽が隠れると、今度は路上に次々に出て来て止まる、という行
動も目撃。
なんとなくヤマサナエ雌の習性が掴めた気もするが、これはこの日の気象条件下の、このポイントでの
パターンなので、全ての産地に通用するわけではないだろう。実際、他のポイントでも同じように、
雌が潜んでいそうな林縁を探索したが、姿は無しだった。

コオニヤンマが見られなかったのは謎だ。とっくに発生はしていると思うのだが、、。

苦戦予想のヤマサナエ雌はあっけなく採れ、確実と予想したコオニヤンマは外れ。
自然は思い通りには行かないのは分かっているつもりだが、この日は特にそれを痛感した。

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by brunneus | 2016-06-05 14:39 | 神奈川 | Comments(0)