トンボの日々

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2016年 11月 24日

ハネビロ系

その名の通り、翅が幅広く細長いハネビロトンボ。

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上左:ヒメハネビロトンボ雄 上右:コモンヒメハネビロトンボ雄 下:ハネビロトンボ雄

翅が大きく発達するということは、長距離移動に適している証拠。実際に、ハネビロトンボ類は本来の
生息地から遥か遠く離れた場所で採集されることが多々ある。数年前に立川に飛来したことは記憶に新
しい。

この仲間の本拠地と言えるのは熱帯から亜熱帯の地域で、国内では南西諸島がそれにあたる。
しかし面白いことに、この3種のハネビロには勢力圏があり、ハネビロトンボは沖縄本島以北に多く、
八重山では見たことがない。逆にヒメハネビロトンボは八重山諸島限定だ。コモンヒメハネビロトンボ
はどこでも少ないが、どちかかというと沖縄諸島以北で多く見かける。

ヒメハネビロトンボとコモンヒメハネビロトンボは亜種関係にあるらしいが、ヒメハネビロは八重山以
外には殆ど出ず、逆にコモンヒメハネビロはむしろ遠方での記録が目立つのが不可解だ。同じ種の中で
移動志向とそうでない集団がいるのは何故か?ハネビロトンボを含めた棲息環境をめぐる優劣の関係は?

ハネビロトンボ類は、面白いテーマが沢山詰まったグループなのだ。






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by brunneus | 2016-11-24 11:03 | つぶやき | Comments(0)
2016年 11月 16日

北と南

国内のトンボを網羅した図鑑はいくつかあるが、持ち歩くとなるとどれも分厚く、非実用的だ。
そこで、温暖域に分布する種をごっそり省き、北方系と南方系の種に絞って掲載した、シーズンオフ恒
例の自己満足の小さな冊子を制作している。その中での副産物。

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おおざっぱに上半分が北方系、その下が南方系なのだが、こうしてみると北と南とでは独特の雰囲気の
ギャップがある。
養老孟司氏は、「虫には大陸の顔がある」とどこかに書いていたが、トンボにも「顔」のようなものがある
と思う。このことは以前に記事で「アジアの顔」という言葉で書いた気がする。  

やはり北のトンボは、なんとなく彩度が低いというか寒々しい配色で、南のトンボは色から感じる温度
が高い種が目を引く。同じ褐色でも、例えばマダラヤンマの褐色と、トビイロヤンマの褐色は暖かみの
成分が違うように見える。
思うに、このような南北での配色の傾向は、トンボに限らず生き物全般に共通するように感じる。例え
ば周囲に極彩色が溢れていれば、そこに棲む種は仲間を見分けるために必然的に鮮やかな色彩へと、一
種の相乗効果のようなものが働くのではないだろうか。

オフシーズンは、採ったトンボを眺めながら、こういった根拠のない自家製学説をでっち上げるのが楽
しい。








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効果のようなものが働いているのではないだろうか。
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by brunneus | 2016-11-16 08:51 | つぶやき | Comments(0)
2016年 11月 08日

晩秋の公園

先日、仕事で多摩地域の公園を訪れる機会があった。

天気は快晴。日差しはぽかぽか暖かい。園内の地図を見ると、どうやら湿地らしきものがあるようだ。
仕事をするふりをして、しれっと湿地へ。

地図を頼りに斜面を降りると、そこにあったのは猫の額ほどの小さな湿地だった。

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小さなガマが、秋の日差しを浴びて黄金色に輝く。

そして脇の木道に目を落とすと、まず飛び込んで来たのは真っ赤なアカトンボ。

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ヒメアカネ。良く見ると、小さな湿地を沢山の雄が出入りしている。
ここは住宅地に囲まれた緑地だ。その宅地の庭のすぐ先に、ヒメアカネが群れている。ヒメアカネはひ
とけのない谷津にひっそりと暮らすアカネだと思っていたのだが、これはちょっとシュールな光景。
時間帯が悪いのか、交尾や産卵は見られなかったが、没姿にはまだまだ時間がかかりそうだ。

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日だまりの葉に佇む、シーズンは終わりかけのツユムシ雌を摘んで帰途についた。
晩秋の時期になると、トンボが活動するのは正午前後の短時間のみ。トンボの季節は風前の灯火だ。そ
の灯火に、僅かに触れることができた一日。







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by brunneus | 2016-11-08 00:43 | 東京 | Comments(0)
2016年 11月 02日

撮り直し

今シーズンに撮り直したトンボのうち、未掲載分の一部。

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上段左から:クロイワカワトンボ雄、コナカハグロトンボ雄、同雌
中段左から:クロイトトンボ雌、ヒメホソサナエ雄、ヨツボシトンボ雌
下段左から:コフキショウジョウトンボ雌、同雄、コフキトンボオビ型雌(東北地方産)

南方を含め、今年はここ数年撮影できていない種を重点的に採集した。南方では楽勝と思っていたクロ
イワカワトンボやヒメホソサナエ、アメイロトンボ、オオメトンボが不作で、思わぬ苦戦を強いられた
が、内地ではオゼイトトンボやエゾイトトンボ、ヨツボシトンボ雌、ヤマサナエ雌、オナガサナエ雌な
ど狙ったものはだいたいクリアできたと思う。

改めて考えてみると、個体数が少ないトンボよりも、普通種だが知見がないトンボを採る方が難しいと
思う。貴重な休日を、それほど関心がないトンボを探索するために潰す勇気がなかなか出ないのだ。

来年はどれだけ撮影種を増やすことができるだろうか。それは来年の自分の勇気にかかっている。




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by brunneus | 2016-11-02 00:52 | つぶやき | Comments(4)