2017年 04月 06日

巡礼

舌の根も乾かぬうちに、突発的に埼玉のスギカミキリ定番ポイントへ。

最高気温は21度。歩くうちにうっすらと汗が滲む。道中の路上には、暖かさに誘われたツチイナゴが
出迎えてくれた。

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ポイントの杉林に到着。はやる気持ちを抑えつつ、丁寧に幹の皮を捲っていくが、虫影は見当たらない。
時にはこんな住人と目が合ったり。

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片っ端から幹を確認するが、いっこうにスギカミキリを探し当てられない採集センスの無さを、この日
も嫌と言うほど思い知らされる。そして投げやりな気持ちで一枚の皮をめくると、ようやく待望の姿が。

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他に用事もあったので、この日はこれで満足。春爛漫の、白く霞んだ眠たげな風景の中を、駅までのん
びり戻った。

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採集したのは、腹部がでっぷりと膨れた大きな雌。

スギカミキリは、シーズンの始めに無くてはならない存在だが、ここ数年はそれほど熱心に追いかけよ
うという気持ちにはならない。複数採れればそれはそれで良いのだが、一匹でも充分満足してしまう自
分がいる。採集方法が自分に不向きということもあるが、スギカミキリ採集は春一番の自然巡礼、とい
う意味合いが強くなってきているのかもしれない。姿を確認できれば、それで良いのだ。

季節の歯車が、かちりとひとつ進んだ。さて、次はムカシトンボだ。





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# by brunneus | 2017-04-06 23:37 | 埼玉 | Comments(0)
2017年 04月 05日

渋色と首切•2017

昨年国立界隈で採集したシブイロカヤキリとクビキリギスを標本に。

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やはり褐色系の直翅は、雑な処理でもリアルな色が残るので楽だ。
数日前までの、季節を逆行したような寒い日々からやっと抜け出せたが、それが原因かは分からないが、
まだ今年はクビキリギスの声を聞いていない。
昨年はシブイロカヤキリの声もあちこちで聞かれたが、はたして今年はどうだろうか。

3月中旬に四国でタベサナエが羽化したという。関東のムカシトンボも来週には飛び出すだろう。いや、
今年は桜が遅れているので、その次の週か、、。
今年はスギカミキリを手にしないまま、トンボシーズンに突入するかもしれない。





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# by brunneus | 2017-04-05 01:06 | つぶやき | Comments(0)
2017年 03月 30日

マルタンのヤゴ

昨年の晩夏に採卵したマルタンヤンマのヤゴが、終令になった。

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根気がない人間にとっては、ヤゴ採集は苦痛だ。クロスジギンヤンマなど限られた狭い水域に棲む種は
まだ良いのだが、マルタンヤンマ、ネアカヨシヤンマなど込み入った抽水植物の根際に潜むタイプは、
いつ終わるとも知れないマラソンを延々と続けるようで、想像しただけでも息切れがしてくる。

マルタンヤンマの雄は成熟度で色彩が大きく変わるので是非未熟個体を手にしたいところだが、目下の
ところではヤゴを羽化させて得るしかない。 
運よく終令まで成長してくれたこの個体。ものすごい食欲で栄養を蓄積中だが、このまま無事に羽化し
てくれることを祈るばかりだ。(しかし性別判定は雌の可能性大、、、)









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# by brunneus | 2017-03-30 19:02 | つぶやき | Comments(0)
2017年 03月 27日

夢の渚

メガネサナエ属の珍種、オオサカサナエ。

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確か2009年頃に、たまたま関西へ出かけた際に無理矢理時間を作って手にしたものだ。メガネサナ
エは沢山いたが、オオサカサナエはこの個体たった1匹しか見かけず。

撮影方法を変えてからはオオサカサナエの時期に関西に行けずじまいなのだが、オオサカサナエだけの
ために行くにはかなり勇気がいる、、などと思っているうちに、月日が過ぎてしまった。

ぼんやりとどこまでも霞む白い岸辺に、ぽつんと佇むアオサギ。黒々とした松林。波打ち際にきらきら
輝く稚鮎の群れ。そして足元を掠めるトンボの気配。
オオサカサナエが飛ぶ岸辺は、夢の中ような風景だった。

夢の渚を、今年は訪れてみたい。







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# by brunneus | 2017-03-27 23:47 | つぶやき | Comments(0)
2017年 03月 12日

天の邪鬼

ずいぶん前、初夏の山原でのこと。
朝からスコールに降られてトンボは壊滅状態。することもないので、たまたま目に付いた路傍の朽ち木
を引っくり返してみると、小さなクワガタの雌が出てきた。なんだコクワガタか、、と捨てようとした
が、あまりに成果が無い日だったので、一応持ち帰ることにした。

それ以来、このクワガタのことは忘却の彼方へ消え去っていたのだが、つい先日、雑虫が入ったケース
をほじくり返していて再会した。
山原で採れたからリュウキュウコクワガタということになるのか、、と一応調べてみると、これが面白
い。

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まず、「コクワガタ」と名前が付くが内地の普通種コクワガタとは全く別種。むしろヒメオオクワガタに
近縁、ということらしい。言われてみれば、スリムな胴体と長い脚はヒメオオクワガタ的に見えなくも
ない。
そして奄美以南に3亜種分布していて、どの亜種も採集難易度がそこそこ高く、なかでも八重山亜種は、
国内産クワガタの最難関種であるという。

コクワガタと言えば、森で見つけても触りもしない空気のような存在のクワガタで、リュウキュウコク
ワガタもその一派、という認識だっただけに、この事実は軽い衝撃だ。

リュウキュウコクワガタは、コクワガタではない。

コクワガタを含む所謂ドルクス属は、絢爛豪華なオオクワガタやヒラタクワガタを含むが、調べてみる
と、ヤマトサビクワガタなどの小型のグループが面白い。雄の大顎の発達が悪く、一見すると雄雌区別
がつかない種はなおのこと面白い。他の属ではルリクワガタ、チビクワガタ、マダラクワガタ、マメク
ワガタなど、「クワガタなのにクワガタらしくない」という天の邪鬼的な要素に惹かれるのかもしれない。

次回はリュウキュウコクワガタの、クワガタらしくない雄と対面してみたい。





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# by brunneus | 2017-03-12 12:49 | つぶやき | Comments(0)