トンボの日々

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2017年 05月 30日

イメージ

雑木林が萌え、伸びきった葉が鮮やかさを失いつつあるこの時期。アオヤンマも老熟期に差し掛かろう
としている。

アオヤンマは、「全身鮮やかな緑色のヤンマ」と形容されることが多いが、雄に関しては「緑色と水色の
ツートンカラー」と表現したほうが良いかもしれない。

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成熟度で比較してみると、上の黄緑色の未熟、真ん中の半成熟、下の老熟と、成熟が進むにつれて腹部
の青みが増してゆくのがわかる。個人的には、腹部が青い老熟個体が一番美しいと思う。
イメージというのは面白いもので、アオヤンマに対して「全身緑色のヤンマ」というステレオタイプのフ
レーズしか頭に無かった頃は、老熟雄を手にしても腹部の青色が目に入っていなかった。しかし一度気
付いてしまうと、今度は腹部にばかり目が行ってしまう。

難しいことだが、図鑑的なイメージを取り払った後に改めて眺めてみると、自然は新鮮な驚きに満ちて
いるに違いない。







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# by brunneus | 2017-05-30 14:40 | つぶやき | Comments(0)
2017年 05月 25日

ついてない

午後から天気が崩れる、という休日。午前中の短時間だけ、ムカシヤンマの谷津へ。

天候の進行が予報より早く、到着時には既に曇って気温が下がっていたが、ムカシヤンマは今年も姿
を見せてくれた。天候の影響で活性は低く、姿を見せる個体はまばら。これでは雌は望むべくもない
か、、と諦めていたが、静止する雄を撮影しようと近づくとぱっと飛び、なんとすぐ先に静止してい
た雌を捉えて空高く舞い上がっていった。いつのまに雌が、、。

心を落ち着かせるために周辺を歩き回ると、今度は中型のトンボが草むらをゆっくり飛ぶ。サナエ、、
いや、サラサヤンマ雌!慌てて駆けつけると、雌は気配を察知したのか突如飛ぶスピードが上がり、
ネットを振るがあとの祭り。

この時期手にしたかったサラサ雌とムカシヤンマ雌を連続して採り逃がすという失態。
まったくついてない。

気晴らしに近くの池へ行くと、アオヤンマと共に都内で分布拡大中のヨツボシトンボで大賑わい。
ここでも年々増えているようだ。

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書きたくもないので敢えてここでは書いていないが、狙いのトンボを手にする数と同じくらい、あるい
はそれ以上の失敗がある。だらだらと17年もトンボを追っているが、技術的進歩は未だ無し。採集に成
功した時より、大チャンスを逃した時のことの方を鮮明に覚えているのは、性格が後ろ向きだからかも
しれない。

何はともあれ、ここ数年のヨツボシトンボの増加現象。個人的には生息環境が似ているアオヤンマの増
加と関係があると思っているのだが、果たして真相は、、。








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# by brunneus | 2017-05-25 23:30 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 19日

バランス

関東南部では、近年アオヤンマが幅を利かせている。

アオヤンマと言えば、15年前は利根川下流域まではるばる出向いて採っていたものだ。ちなみにかつて
の産地は現在では環境が改変され、アオヤンマは見る影もない。
しかしここ数年、ウェブ上で既存産地以外とおぼしき場所で撮影されたと思われる記事が散見され始め
た。個人でも、3年前に埼玉で自己初確認の産地を見つけている。

アオヤンマは身近なヤンマになりつつあるのだろうか?

「さらに近場」をキーワードに、昨年から暇さえあれば自宅からアクセスしやすい埼玉南部の新産地を求
めて、Googleマップを舐め回していた。
いっぽう、昨年秋から今年にかけて、異なる同好者からアオヤンマに関する興味深い情報を得た。それ
は埼玉とは全く異なる、意表を突いた場所。もしその情報が事実なら是非見てみたい、とシーズンを心
待ちにしていた。


そして昨日。
貴重な一日休みだが、生憎予報は不安定。僅かな晴れ間に期待しつつ、折りたたみ傘をリュックに忍ば
せ家を出た。
ポイントまでのアプローチは、排気ガスにまみれた無味乾燥な建物が延々と続き、とてもその先にアオ
ヤンマが棲む瑞々しい水辺があることが想像できない。

そして到着。  
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いかにも怪しげな雲が頭上に迫るが、環境は素晴らしい。
待つことしばし。雲の合間から強烈な日差しが注いできた。まず姿を現したのは褐色の小さなトンボ。
すぐには脳内で種類を照合できない。近付いて見ると、噂に聞く、あのトンボだ。

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北のトンボの代名詞が、こんな所にいるとは、、。
そして視界を横切る緑色の影、、。

気がつくと、岸辺を沢山のアオヤンマが飛び交う素晴らしい光景が広がっていた。
しかし再び頭上を雲が覆うと、今までの賑わいが嘘のように、視界からトンボの姿が消え去ってしまっ
た。そしてそれを待っていたかのように、雷鳴と土砂降りがいちどにやってきたので退散。

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手にした個体は概ね青緑色に成熟していたが、成熟手前の黄色味を残すものもちらほら。

ここ数年は時期やタイミングを外していたので、アオヤンマが飛び交う光景を見たのは久々だ。
それにしても、コンクリートと排気ガスを飛び越えて一番最初にこの地に棲みついた個体は、一体どこ
からやってきたのだろう。

「トンボが減った」という声があちこちで聞かれるが、その陰でこうして勢力を増しているトンボもいる
わけだ。自然は、絶妙なバランス感覚で移ろっている。









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# by brunneus | 2017-05-19 11:57 | 東京 | Comments(0)
2017年 05月 18日

もやもや

春の清流で、狙いのトンボが現れない間の良き暇つぶしの相手になってくれるのが、カワトンボだ。
しかし手にしたカワトンボを眺めるとき、いつも心に浮かぶのはもやもやとした疑問。

「お前はアサヒナなのか!?ニホンなのか!?」

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これは先日の千葉で得た個体。「ネイチャーガイド 日本のトンボ」の分布図では「ニホンカワト
ンボ」の分布域のものだが、識別点で多く取り上げられている、翅胸高と頭幅の関係は、一見する
とアサヒナカワトンボに近い。採集した場所も薮に覆われた薄暗い細流で、アサヒナ的。しかし縁
紋の形状はニホンカワトンボのものに酷似している、、という具合に、判断に迷う要素が満載なの
だ。

確実なのはDNA鑑定なのだろうが、そんなものは一庶民にはおよそ不可能だ。
何年もカワトンボばかり眺めていれば、感覚的に両者の違いが識別できるようになるのだろうか?

しかし、毎年恒例の このもやもやも、サラサやサナエやムカシヤンマなどにうつつを抜かしてい
る間に、綺麗さっぱり忘れてしまうのだ。

そして一年後に、再び呟く。

「お前は誰だ!?」






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# by brunneus | 2017-05-18 00:13 | 千葉 | Comments(0)
2017年 05月 16日

すっからかん

数日前。

昨年好調だった、千葉の谷津にサラサヤンマを狙いに行った。

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悪天明けの快晴。気温も高く、申し分のないトンボ日和。

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マダラアシゾウムシ。

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ジンガサハムシ。


以上。

何故トンボの写真が無いかと言えば、サラサヤンマが一匹たりとも見られなかったからだ。
関東ではとっくにサラサヤンマは羽化しているはず。そしてこの好条件。まるで狐にでも摘まれている
みたいだ。ホンサナエ、キイロサナエ、クロスジギンヤンマ、カワトンボは見られたが、サラサだけが
いない。
アプローチ往復3時間半の末の空振りは、心と身体に堪える。また出直しだ。


閑話休題。

ここ最近探し求めていた「ネイチャーガイド 日本のトンボ」の第3版を、渋谷のジュンク堂にてよう
やく発見。さっそく中身をチェックしてみると、第2版で未改善だった問題箇所がほぼ全て修正され、
いくつかのページでは標本写真が差し替えられ、さらにはアメリカギンヤンマが生体標本写真に変わっ
ていた。迷うことなく購入。
若干標本画像の色がアンダー気味なものがあることや、分布地図の版ズレが気になる部分があるが、重
版作業ででここまで修正するのは大変な労力だっただろう。
自分の中では、第3版をもってようやく「完成」の域に達したと思う。

大切に使っていこうと思う。






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# by brunneus | 2017-05-16 00:35 | 千葉 | Comments(0)