トンボの日々

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2017年 09月 01日

府中のコモンヒメハネビロトンボ

今日。
用事のついでにふらりと訪れた都内、府中市の公園。群れ飛ぶウスバキトンボの中に、妙に黒っぽい個
体が混じっているのに気付いた。
眺めていると、そのトンボはふわりと上昇し、頭上の枝に水平に静止。ウスバキトンボは斜め懸垂で静
止するはずだ。この時点で怪しさ百倍。急いで持ち歩いているコンデジを取り出して撮影。


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シルエットはハネビロトンボ系だが、特徴である後翅の褐色斑が見当たらない。
しかし、よく目を凝らしてみると、後翅の付け根に僅かに斑紋があるのが確認できた。

トンボ採りに来ているわけではないので、当然ネットなど持っていない。
せめて証拠写真でも、、と苦労して色彩が分かる角度に移動。


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これで確定。
国内では沖縄諸島以内に分布する、コモンヒメハネビロトンボだ。
腹部が橙色に見えたのと、膨らんだ腹端の形から、雌だと思われる。見られたのはこんな環境。


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典型的な都市公園の人工池だが、ハネビロトンボ類が好みそうな藻類が繁茂している。
もっと良い位置で、、とやきもきしながら見ていると、コモンヒメハネビロはついっと上昇し、ケヤキ
の梢に消えてしまった。

小笠原付近をうろうろしている台風の南風が運び込んだのだろうか。それにしても、ネットを持ってい
なかったのが悔やまれる。
カメラを持っていただけ良かった、と思うことにしよう。







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# by brunneus | 2017-09-01 23:59 | 東京 | Comments(0)
2017年 08月 30日

幻日

先日、用事があって山梨に出かけた。
ただ用事を済ませて帰ってくるのもつまらないので、スケジュールにトンボ採りもねじ込む。おかげで
苦手な早起きをしなければいけなくなってしまった。

このポイントは、トンボを始めた頃にルリボシヤンマを狙ってまず訪れた場所。当時は情報に乏しく、
北方系のルリボシヤンマは関東平野では採れないと勝手に思い込んでいたのだ。幼い頃から慣れ親しん
だ地域でもあるので、沢山の思い出が詰まっている。

この日は好天予報にも関わらず、現地に着くとどんよりとした曇り。まあ山なので仕方ない。ルリボシ
ヤンマの活動には影響ないだろう。
カラマツの梢を渡る風の音。時々森の中から聴こえるヒガラの呟き。曇っているので、いつも森から響
いているコエゾゼミの声がなく、静かだ。テレピンの香りを微かに含んだ、冷たい空気を思い切り吸い
込む。

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見た所、空間を飛ぶヤンマの姿はない。
試しに竿で湿地の草を揺らしてみると、「かさっ」という乾いた音と共に黄土色のヤンマが飛び出して
きた。いかにも驚いて周囲の様子を確認している、という様のホバリング。すかさずネットを振る。
よく見ると、すぐ脇にも同じようにホバリングする黄土色、、。
しばらくすると、ルリボシヤンマ雄と思われるヤンマが忙しなく湿地を徘徊し始めた。

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このポイントには正味1時間と少ししか滞在できなかったが、目的のトンボが無事確保できて満足。

そしてこの日の帰り。
中央本線の車窓から何気なく東側を眺めていると、奥秩父の盟主たる素晴らしい山容の金峰山の左に、
虹色が。

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これは太陽アークの一種「幻日」というものだろうか。
曇りがちの日にも関わらず、思わぬ光景が見られた。「この先なにか良いことが起こりそう」などと都
合のいい期待をしてしまうのであった。









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# by brunneus | 2017-08-30 11:20 | その他 | Comments(0)
2017年 08月 26日

初秋

8月に入ってから続いていた低温傾向からやっと抜け出した。
埼玉の慣れ親しんだタカネトンボのポイントが芳しくないという噂を聞いたので、その近くの別ポイン
トに行ってみた。

到着早々、雄が足元を通過。ためしに雄を排除してみると、すぐにまた別の雄が。どうやら個体数は多
いようだ。そして怪しい動きをする個体を発見。水面を不規則に飛びながら、足元の岸辺に近づいてく
る。そして独特のリズムを付けた産卵が始まった。そっとネットを被せる。
雌の産卵はその後も複数目撃。どうやらタカネトンボのポイントとしては合格のようだ。

タカネトンボを眺めていると、視界に灰色の大型ヤンマが侵入してきた。上下に揺れながら池を徘徊し、
時々一点でホバリングする。なかなか射程に入らないが、一瞬の隙を突いてストローク。
タカネトンボとセットのルリボシヤンマだ。
ルリボシは少ないが、間欠的に雄が入ってくる。敏感すぎて採集はならなかったが、雌の産卵も見た。
ルリボシヤンマのポイントとしても有望、と憶えておこう。

その後、初めて行くマルタンのポイントへ。狙いは所謂「秋モード」だ。
ポイントに到着早々、頭上を褐色の翅が通過。よく見るとその上にも3匹がもつれ合って飛んでいる。
慌てて竿を出して臨戦態勢。

背後からまるで攻撃態勢に入った戦闘機のように、茶色いヤンマが一直線に抜ける。遥か前方で消えて
しばらく経つと、再び点となって姿を現し、ぐんぐん近づいてくる。竿を前方に突き出し、射程に入っ
た瞬間に振り抜く。「かさっ」。この音が堪らない。
この日は大当たりだったようで、他のポイント含め、経験した中で最高に雄が飛んだ。個体数が多いか
らか、直進射程に入る寸前で他の雄の干渉を受けてコースが急変することも多く、イメージ通りになる
ことはそれほど多くない。

まだ雄が飛んでいたが、充分に満足したので早めに撤収。飛んでいるマルタン雄を背にポイントを後に
するとは、なんたる贅沢。
この日は、いつもマルタンを妨害するギンヤンマがいなかったことも、良い結果に繋がったのかもしれ
ない。

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一日を通して天気は芳しくなかったが、久しぶりに初秋のトンボを思い切り楽しんだ。
季節は終盤に向けて一気に加速してゆく。







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# by brunneus | 2017-08-26 15:00 | 埼玉 | Comments(0)
2017年 08月 22日

混棲

先日のホソミモリの湿地。

炎天下の探索に疲れ果て、木陰の石にへたりこんでいた。
ふと気配を感じて石を見ると、すぐ横に草の中に埋もれた小さな水溜まりがあり、その中で黒っぽいト
ンボが上下運動している。疲れは一瞬にして吹き飛び、慌ててネットを被せる。水面は60㎝のフレー
ムの中にすっぽりと収まってしまう。やがて水面からトンボがネットの中を上がってきた。間違いなく
エゾトンボ系の雌だ。頭の中はホソミモリトンボのことで一杯だったので、ネットの中の雌もそれと信
じて疑わなかった。
しかし取り出してみると、手の中にあったのはエゾトンボ雌。
考えてみれば、辺りを飛び交っているのは全てエゾトンボ雄なので、雌が来ても不思議ではないのだ。
しかし、3年振りのエゾトンボ雌。それだけでも嬉しいので、石に座って追加を待つことにした。

十数分後。
待望の雌が飛び込んできた。間髪入れずにネットを被せる。少し小さい気がしたが、今度はエゾトンボ
であることを疑わずに出してみると、なんとホソミモリトンボ雌!
待ち伏せに気合いが入る。

また十数分後。
追加のホソミモリ雌!、、、しかしネットから出てきたのは、今度はタカネトンボ雌。


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上:ホソミモリトンボ雌 中:タカネトンボ雌 下:エゾトンボ雌

この地域に棲息するエゾトンボ科3種が、同じ水溜まりに産卵しにきたわけだ。

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水溜まりは、すぐ側まで行かないと水面は見えず、湿地を何となく歩いただけでは絶対に見過ごしてしま
うであろう小ささ。雌一匹が産卵するのがやっと、という状態で、よくもまあ、雌は飛びながらこんな場
所を見つけるものだ。
他に気持ちよく?産卵できそうな環境はいくらでもあるのに、なぜわざわざ3種揃って狭苦しい場所で産
卵するのだろう。それに種が違うということは、産卵環境も異なるはずだ。あるいは広い空間を雄が闊歩
しているので(他種だとしても)、それを避けているのかもしれない。

産卵場所を選ぶ理由。それぞれの雌たちに聞いてみたい。










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# by brunneus | 2017-08-22 22:51 | 長野 | Comments(0)
2017年 08月 19日

三度目の正直

毛嫌いしているわけではないが、なんとなく避けてきたトンボがいくつかある。そのひとつがホソミモ
リトンボ。

金緑色に輝くエゾトンボの一種だが、このグループの中では最も好寒性が強く、本州では亜高山帯下部
の高層湿原まで行かなければ姿を見ることができない。その気になればすぐに出会えるエゾトンボ、ハ
ネビロエゾトンボ、タカネトンボとはわけが違うのだ。しかも生態その他の情報が少ない。自他ともに
認める面倒くさがりとしては、ホソミモリだけに多大な労力を払いたくない、、などと色々理由を付け
て、今までは避けて通ってきた。
しかし、こういうトンボは、気持ちが乗った時に一気に片付けるしかない!と一念発起して3年。気合
いが足りないのか、採集センスがないのか、未だにその姿すら拝めていない状態が続いていた。

そして今年。
正直、ホソミモリに対する気持ちが切れかけていたのだが、お馴染み同好A氏に背中を押されて、産地
を訪れる決心をした。
天候不順で延期すること2回。大苦戦の末、三度目の正直で、ようやく手にすることができた。

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ホソミモリトンボ雌

手にした時の第一印象は「小さい!」。
きちんと計測したわけではないが、感覚的にはカラカネトンボの雌のような感じ。そしてタカネとも、
エゾとも、ハネビロエゾとも違う、独特のスリムな体型。やはり図鑑の写真だけでは伝わらないことが
あるのだ。

残念ながらこの日は雄は姿が見られなかったが、一応の成果を得て、やっと肩の荷が下りた。
こうなると欲が出てきて、雄も、、となりがちだが、いやいや、やめておこう。

炎天下のポイントを一日中歩き回ったうえに、往復の超長時間の運転もこなす同好A氏の強靭な体力に
舌を巻いた一日だった。同好Aさん、ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。








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# by brunneus | 2017-08-19 02:17 | 長野 | Comments(0)