トンボの日々

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2017年 09月 10日

里山のルリボシ

昨年出会った方から教えて頂いた、都内のルリボシヤンマポイント。
ここはルリボシ雌の産卵が毎回見られる貴重な場所で、ルリボシ以外にもタカネトンボの個体数が多く、
訪れる度に雌の産卵を見ている。そしてここが個人的に最重要なのだが、ルリボシヤンマに付き物の苦
しいアクセスが無く、さほど汗をかかず、その後の仕事にも影響が少ないので大変重宝している。

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周囲は里山の雰囲気が色濃く残る場所で、まだテレビが無かった時代、こうした風景の中のあちこちに
小池があり、ルリボシヤンマたちも沢山飛び交っていたのだろう。
この場所は典型的なルリボシヤンマの環境なのだが、一度だけ、オオルリボシヤンマの雌を手にした。
雄は一度も見たことが無いのだが、この雌はどこからやってきたのだろうか。


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左:ルリボシヤンマ雌 右:オオルリボシヤンマ雌

実は都内でオオルリボシの雌を採ったのは初めてだ。放浪癖があるこのヤンマの、都内での安定した産
地をまだ知らない。細切れの情報を手にそれらしきポイントを訪れても、いつも空振り。要は相性が合
わないのだ。

足元の草からパッと飛び出してきてホバリングする雌を凝視しながら、間合いを計る。
静かな秋の風景の中の一瞬の緊張を味わいたくて、つい足が向いてしまう。







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# by brunneus | 2017-09-10 11:45 | 東京 | Comments(0)
2017年 09月 05日

願望

ルリボシヤンマの雌は、関東甲信では同属他種と比べ、いわゆる青色型が出現する割合が極端に低い。
しかし、若さを残す個体の中には、斑紋がほんのり青みを帯びて見える個体がある。

先日の山梨で得た雌。  

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この雌も客観的に見れば明らかな通常型だ。しかし不思議なことに、凝視せずに視線を逸らし気味に見
たり、縮小して眺めると、腹部側面の斑紋が青色味を帯びて見えてしまう。
斑紋の彩度が高いことや、周囲の色との組み合わせでそうなるのかも知れないが、「青色型であってほ
しい」という願望も、一役買っているのかも知れない。

青色型が出現する頻度は寒冷地で高いらしいが、関西の低山でも目撃されているので、関東でもチャン
スはあるのだろうか?

完全なる青色を纏った雌に、一度でいいから出会ってみたい。








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# by brunneus | 2017-09-05 22:08 | 山梨 | Comments(0)
2017年 09月 01日

府中のコモンヒメハネビロトンボ

今日。
用事のついでにふらりと訪れた都内、府中市の公園。群れ飛ぶウスバキトンボの中に、妙に黒っぽい個
体が混じっているのに気付いた。
眺めていると、そのトンボはふわりと上昇し、頭上の枝に水平に静止。ウスバキトンボは斜め懸垂で静
止するはずだ。この時点で怪しさ百倍。急いで持ち歩いているコンデジを取り出して撮影。


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シルエットはハネビロトンボ系だが、特徴である後翅の褐色斑が見当たらない。
しかし、よく目を凝らしてみると、後翅の付け根に僅かに斑紋があるのが確認できた。

トンボ採りに来ているわけではないので、当然ネットなど持っていない。
せめて証拠写真でも、、と苦労して色彩が分かる角度に移動。


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これで確定。
国内では沖縄諸島以内に分布する、コモンヒメハネビロトンボだ。
腹部が橙色に見えたのと、膨らんだ腹端の形から、雌だと思われる。見られたのはこんな環境。


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典型的な都市公園の人工池だが、ハネビロトンボ類が好みそうな藻類が繁茂している。
もっと良い位置で、、とやきもきしながら見ていると、コモンヒメハネビロはついっと上昇し、ケヤキ
の梢に消えてしまった。

小笠原付近をうろうろしている台風の南風が運び込んだのだろうか。それにしても、ネットを持ってい
なかったのが悔やまれる。
カメラを持っていただけ良かった、と思うことにしよう。







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# by brunneus | 2017-09-01 23:59 | 東京 | Comments(0)
2017年 08月 30日

幻日

先日、用事があって山梨に出かけた。
ただ用事を済ませて帰ってくるのもつまらないので、スケジュールにトンボ採りもねじ込む。おかげで
苦手な早起きをしなければいけなくなってしまった。

このポイントは、トンボを始めた頃にルリボシヤンマを狙ってまず訪れた場所。当時は情報に乏しく、
北方系のルリボシヤンマは関東平野では採れないと勝手に思い込んでいたのだ。幼い頃から慣れ親しん
だ地域でもあるので、沢山の思い出が詰まっている。

この日は好天予報にも関わらず、現地に着くとどんよりとした曇り。まあ山なので仕方ない。ルリボシ
ヤンマの活動には影響ないだろう。
カラマツの梢を渡る風の音。時々森の中から聴こえるヒガラの呟き。曇っているので、いつも森から響
いているコエゾゼミの声がなく、静かだ。テレピンの香りを微かに含んだ、冷たい空気を思い切り吸い
込む。

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見た所、空間を飛ぶヤンマの姿はない。
試しに竿で湿地の草を揺らしてみると、「かさっ」という乾いた音と共に黄土色のヤンマが飛び出して
きた。いかにも驚いて周囲の様子を確認している、という様のホバリング。すかさずネットを振る。
よく見ると、すぐ脇にも同じようにホバリングする黄土色、、。
しばらくすると、ルリボシヤンマ雄と思われるヤンマが忙しなく湿地を徘徊し始めた。

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このポイントには正味1時間と少ししか滞在できなかったが、目的のトンボが無事確保できて満足。

そしてこの日の帰り。
中央本線の車窓から何気なく東側を眺めていると、奥秩父の盟主たる素晴らしい山容の金峰山の左に、
虹色が。

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これは太陽アークの一種「幻日」というものだろうか。
曇りがちの日にも関わらず、思わぬ光景が見られた。「この先なにか良いことが起こりそう」などと都
合のいい期待をしてしまうのであった。









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# by brunneus | 2017-08-30 11:20 | その他 | Comments(0)
2017年 08月 26日

初秋

8月に入ってから続いていた低温傾向からやっと抜け出した。
埼玉の慣れ親しんだタカネトンボのポイントが芳しくないという噂を聞いたので、その近くの別ポイン
トに行ってみた。

到着早々、雄が足元を通過。ためしに雄を排除してみると、すぐにまた別の雄が。どうやら個体数は多
いようだ。そして怪しい動きをする個体を発見。水面を不規則に飛びながら、足元の岸辺に近づいてく
る。そして独特のリズムを付けた産卵が始まった。そっとネットを被せる。
雌の産卵はその後も複数目撃。どうやらタカネトンボのポイントとしては合格のようだ。

タカネトンボを眺めていると、視界に灰色の大型ヤンマが侵入してきた。上下に揺れながら池を徘徊し、
時々一点でホバリングする。なかなか射程に入らないが、一瞬の隙を突いてストローク。
タカネトンボとセットのルリボシヤンマだ。
ルリボシは少ないが、間欠的に雄が入ってくる。敏感すぎて採集はならなかったが、雌の産卵も見た。
ルリボシヤンマのポイントとしても有望、と憶えておこう。

その後、初めて行くマルタンのポイントへ。狙いは所謂「秋モード」だ。
ポイントに到着早々、頭上を褐色の翅が通過。よく見るとその上にも3匹がもつれ合って飛んでいる。
慌てて竿を出して臨戦態勢。

背後からまるで攻撃態勢に入った戦闘機のように、茶色いヤンマが一直線に抜ける。遥か前方で消えて
しばらく経つと、再び点となって姿を現し、ぐんぐん近づいてくる。竿を前方に突き出し、射程に入っ
た瞬間に振り抜く。「かさっ」。この音が堪らない。
この日は大当たりだったようで、他のポイント含め、経験した中で最高に雄が飛んだ。個体数が多いか
らか、直進射程に入る寸前で他の雄の干渉を受けてコースが急変することも多く、イメージ通りになる
ことはそれほど多くない。

まだ雄が飛んでいたが、充分に満足したので早めに撤収。飛んでいるマルタン雄を背にポイントを後に
するとは、なんたる贅沢。
この日は、いつもマルタンを妨害するギンヤンマがいなかったことも、良い結果に繋がったのかもしれ
ない。

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一日を通して天気は芳しくなかったが、久しぶりに初秋のトンボを思い切り楽しんだ。
季節は終盤に向けて一気に加速してゆく。







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# by brunneus | 2017-08-26 15:00 | 埼玉 | Comments(0)