トンボの日々

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2017年 07月 07日

パイヌシマ2017・その2

南方遠征の難しい所は、まず第一に相手は自然なので、前回と同じ時期に行っても同じトンボに出会
えるとは限らないということ。さらに高温多湿な環境の中で、如何に採集したトンボの鮮度を保つか、
という点にも苦労する。

自宅に戻ると疲れた身体に鞭打って撮影に取りかかるわけだが、どうしても重要度の高い種から、、
となるので、その間に後回しにしたトンボの鮮度が落ちてしまうこともある。

今回の遠征でも、巡り合わせが悪く出会いがなかったものや、良い状態で撮影できなかったものを頭
に浮かべながら行動していた。

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上左:アメイロトンボ雄 上右:ヒメホソサナエ雌 
下左:オオハラビロトンボ雄 下右:ホソミシオカラトンボ雌 


ここに挙げたのは、そんなトンボたちの一部。

アメイロトンボは、山原の行きつけの水田では最近姿を見なくなった。昨年は八重山の既知の湿地で
複数飛んだが、成熟した雄はひとつ手にできただけで、あとは皆未熟個体だった。どうやら発生初期
にぶつかってしまったらしい。
今回は、なんと八重山の昨年訪れた湿地ではひとつも出ず。これにはがっかりしたが、渡った島で目
をつけていた海沿いの水路で複数の雄が飛び交っていた。
アメイロトンボは、痛みが早い。死後すぐに腹部の脂が表面に染みだしてきてしまい、今まで失敗を
重ねてきた。今回は最優先で撮影し、ようやく美しい飴色を写し止めることができた。

オオハラビロトンボも、山原ではちょっと山がかった場所ではどこにでも見られたが、最近は見かけ
なくなった。
昨年の八重山では雌は見たものの、雄は見ず。今回は数は少ないものの、ジャングルの中の小径でひ
っそりと枝に止まる姿をいくつか見た。久々の鮮やかな赤色が目に染みる。

ヒメホソサナエは八重山限定のサナエだが、行く場所が悪いのか、時間のせいか、まとまった数を見
たことがない。林道脇の草にぽつんと佇んでいるのをひとつ見る程度で、このサナエも痛みが早いの
か、腹部の黄斑がくすんでしまうことが多かった。今回は単発ながらあちこちで姿を見かけたので、
新鮮な状態で撮影できて満足。

ホソミシオカラトンボ雌。ホソミシオカラは山原では希で、当然ながら雄しか得たことがない。八重
山では雄はそこそこ見かけるが、雌は巡り合わせが悪く、7年前に偶然未熟個体を手にしただけ。今
回も偶然の産物だが、やっと成熟した雌をしっかり撮影できた。

その他では、オオメトンボはまたしても不作。アメイロが飛ぶ水路には必ず出る、と踏んでいただけ
に、大きな肩透かしを食らった。ミナミトンボも、夕方になるとあちこちで姿を見かけたが、タイミ
ングが悪く採集できず。

本命のトンボは今年も外してしまったわけだが、こうした小さな前進を実感できたので、それだけで
充分に満足なのだ。








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# by brunneus | 2017-07-07 11:29 | 沖縄 | Comments(0)
2017年 07月 02日

パイヌシマ2017・その1

このカミキリが棲息する島に行ってきた。

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ヤエヤマムネマダラトラカミキリ

この格調高いカミキリを手にできたのは、全くの偶然。本土のムネマダラトラカミキリですら憧れの存
在なのだが、まさか想像もしていない場所で出会うとは思ってもみなかった。今回は、他にも嬉しい偶
然があった。
自分の場合、遠征というものは、予測を立ててある程度の確実性を担保できた段階で決行を決めている。
しかし大抵の場合その担保はあっけなく崩される(単に予想が甘いのだが)のだが、その裏には想像す
らしなかった偶然の産物が用意されているものだ。
それが、遠征をより豊かなものにしてくれる。

何故、毎年熱病のように南方遠征に取り憑かれているのか。例えば近所のコンビニでカップ麺を買う感
覚で遠征に行く人間もいるのだろう。しかし、自分にとって沖縄は特別な場所だ。北海道でも東北でも
なく、沖縄に行くという行為そのものが大切なのだと思う。
言ってしまえば、別に目的のトンボが採れなくても良いのだ。クマゼミの叫び声に意識を朦朧とさせな
がら亜熱帯の熱い空気を存分に肺に吸い込み、ホオグロヤモリの控えめな声を聴きながら微睡むことが、
自分にとって大切なことなのだ。

亜熱帯には「トンボ採り」に行くのではない。だから成功も失敗もない。
ただ、あの場所に居られれば、雨でも晴れでも関係ない。
毎年、そう思って南へ向かう。







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# by brunneus | 2017-07-02 22:47 | 沖縄 | Comments(0)
2017年 06月 25日

パール

春から初夏にかけては白い花が目立つ季節だが、そんな花をよく見ると小さな甲虫が集っている。
その甲虫が白っぽければ迷わず手に取り、裏返してみる。

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久々に登場のアシナガコガネ。
どこにでもいる普通種のようだが、なぜか自宅近くでは目にしたことがない。
なんと言ってもこの小さなコガネムシの魅力は、腹側。真珠色の光沢を帯びた鱗粉をまとい、なんとも
美しい。

トンボの不調が続くなか、例年になく雑多な昆虫に目を向ける機会が多くなった。その中には新しい発
見もあるので、トンボ不調もまんざらでもないな、と前向きに捉えるようにしている。


さて南方遠征。
ここで一気に不調を吹き飛ばせるのか、あるいはさらなる不調が待ち構えているのか、、。







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# by brunneus | 2017-06-25 12:56 | つぶやき | Comments(0)
2017年 06月 15日

新旧

ようやく休日に晴れ間が出たので、サナエの川へ行った。

そこで得た2種。

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右:アオサナエ 左:オナガサナエ

6月中旬に訪れたことがないので、アオサナエとオナガサナエが同時に手に出来るとは思っていなかっ
た。オナガサナエは夏のトンボというイメージがあるので、縄張りを張っている姿に面食らった。
アオサナエは翅が淡く色付いて老熟し、オナガサナエは翅の根元が黄色く、成熟したて。新旧のサナエ
が同居する時期、ということなのだろう。

肝心のアオサナエ雌は、チャンスが3回もありながらことごとく空振り。相変わらずの絶不調だ。そし
て近くのサラサヤンマのポイントは、今日も雄すら皆無。どうやら樹木を切られたことによる乾燥化が
原因で、サラサヤンマポイントとしては機能しなくなってしまったようだ。

このポイントは、2001年に偶然発見した思い出の場所。
個体数が多く、ほぼ確実に雌が産卵に訪れる貴重なポイントだったが、木が伐採され周囲が明るくなっ
てからは激減。昨年までは細々と姿は確認できたが、今年になってついにゼロに。

またひとつ、大切な場所が失われてしまった。来年からサラサはどこでやろうか、、、。







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# by brunneus | 2017-06-15 23:52 | 埼玉 | Comments(0)
2017年 06月 12日

準備不足

この2週間に採ったトンボ。

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先月下旬に近場で手にしたサラサヤンマ雄、一匹のみ。
土曜日には仕事前に既知のサナエとサラサヤンマポイントに行ったのたが、サラサヤンマは気配もない。
アオサナエはいるにはいたが、バーベキュー客でごった返すエリアに集中していて、手も足も出ない。
どう考えても、RV車から引っ張り出してきたパラソルの下のデッキチェアに寝そべり、岸辺に戯れる子
供たちに目を細めるお父さんの目の前で口径60㎝のネットを振り回す状況ではない。
アオサナエも、何も人間で混雑して、落ち着いて縄張りも張れない場所に集まらなくても、、と思うの
だが、彼らには彼らなりの理由があるのだろう。
待っていれば雌も入りそうな雰囲気だったが、気持ちが萎えてしまったのでそそくさと撤収。

今年の春は、千葉の谷津で坊主を食らったあたりから、歯車が狂い始めた。いま思い返すと、休日の貴
重な青天2日をアオヤンマに捧げてしまったことが悔やまれる。
今年は「アオヤンマの春」だった、ということになりそうだ。

夜になると、植え込みからクチナシの芳香が漂うようになった。
マルタンヤンマもそろそろ羽化する時期だろう。このまま南方遠征を迎えるのは、不安が募る。その不
安は、例えば準備をしないまま大事な試合に出場しなければならないスポーツ選手の気持ちに似ている。

しかし、そんな気持ちとは裏腹に、季節は淡々と過ぎて行く。







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# by brunneus | 2017-06-12 09:41 | Comments(0)