トンボの日々

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2018年 08月 14日

来て良かった

昨日。
「局地的に雷雨」という朝の予報は聞いていたが、マルタンヤンマのために午後を空けておいたので、
リュックに竿を忍ばせて職場へ。

仕事を終えて外に出ると、既に頭上はどす黒い雨雲に覆われている。そして駅に着く頃には大粒の雨が
降り始めていた。まだ午後の早い時間だというのに日没後のような暗さで、行き交う車はライトを点灯
している。
この光景にはすっかり気持ちが萎え、大人しく帰宅して日々の疲れを癒そうと思ったが、「局地的に雷
雨」の「局地的」という言葉に僅かな希望を捨てきれない。自分がいま立っている場所が雷雨でも、ポ
イントは青空が覗いているかもしれないのだ。
帰りたい気持ちと、ポイントを見てみたい気持ちが入り交じる中途半端な気持ちのまま、ずるずると家
とは反対方向へ。

そして最寄り駅に到着。
そこで見たのは、希望を打ち砕く薄暗い風景と、しとしとと降る雨。しかし不思議と引き返そうという
気持ちが湧かない。傘を差して黙々とポイントを目指すというシュールな状況に、なんだか可笑しくな
ってくる。
そしてポイント。ここでもやはり、無情な雨。しかし西の空が少し明るくなっているのと、雨の中、一
匹のマルタンヤンマ雌が摂食するのを見て、少し待ってみようと思った。

雨宿りしていると小降りになってきたので、谷へ入ってみる。
産卵場所を探して飛び回るマルタン雌が二匹。良い兆候だ。

そして10分後。
褐色翅の引き締まった体型のヤンマが、頭上を真っ直ぐに飛び去る。やはり出てきてくれた!

静かに見守ると、後ろからもう一匹。二匹は頭上でもつれ合いながら通過。
前方に飛び去り、一匹が遥か彼方で引き返して真っ直ぐにこちらへ向かってくる。充分に引き寄せて竿
を振る。快音!

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美しく色付いた秋のマルタン雄。雨の中、来て良かった、、。
その後は数匹の雄が頭上を飛び交い、日没後は頭上を多数の雌が旋回する、典型的な「秋モード」の光
景を心行くまで堪能した。

もう一度。
「雨の中、来て良かった!」








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# by brunneus | 2018-08-14 00:14 | 東京 | Comments(0)
2018年 08月 07日

ハネエゾ三昧

少し前のこと。
久しぶりに訪れるハネビロエゾトンボの産地に、カメラを担いで訪れた。
相変わらず狂った暑さの毎日で、アプローチのことを考えただけでゲンナリするが、チャンスはこの日
しかない。曇りがちで日差しが弱いことが唯一の救いだ。

ポイントに到着すると、探すまでもなく、流れの上を往復する雄の姿。

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見ているとひっきりなしに雄がやってくる。個体数が多いことには安心したが、飛び方に落ち着きがな
い。撮影は苦戦しそうだ。

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ホバリングする時間も少なく、ファインダーに捉えた瞬間に他の雄に干渉され、一瞬で姿を消してしま
う。蒸し暑さで集中力も途切れがちだ。この状態では雌の産卵は厳しいか、、。

流れを行き来しながら、雄の密度が薄い場所を重点的に見て回る。そしてついに!

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チャンスはこの一回だった。いつ雄に見つかるかハラハラしながらの撮影だったが、最後には雄に連行
されて終了。

不満は残るが、一応、目的は達成できたのと、暑さでバテてきたので撤収。
帰り際。心当たりの木陰を覗いてみると、、、

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やっぱりいた。
木陰に避暑する雄。眠っているのか、こちらが多少ラフに動いてもびくともしない。
近くの枝にも別の雄の姿を発見したので、視線を移動させると、見えてきた光景に思わず息を呑む。

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狭い範囲に2雄1雌。実際はこの画角のすぐ外側にも雄が止まっている。さらに奥へ歩くと、、。

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雌が2匹。

ハネビロエゾトンボが、これほど高密度に静止している状況を見たことがない。やはり気温の高さに起
因した現象なのだろうか。

汗だくの一日だったが、滅多に見られない光景を目に出来て満足。
こんな日は帰路の長いアプローチも苦にならない。






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# by brunneus | 2018-08-07 17:26 | つぶやき | Comments(2)
2018年 08月 05日

沼の木陰

真夏のある日、馴染みの産地にネアカヨシヤンマを観に行った。
狂気に満ちた日差しから気休めの涼を求めて林の中に入るが、地面からの草いきれで不快指数は変わら
ない。滴る汗に視界を遮られつつ、木立の中を凝視すると、目的のシルエットが西日に浮かび上がった。

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ネアカヨシヤンマ。
既に老熟しているらしく、翅が褐色に煙っている。
さらに目を凝らすと、近くに別の雄。

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今まではあまり林内で休息するネアカヨシを気にかけたことはなかったが、探してみると案外見つかるも
のだ。しかし高湿度の環境で集中力が続くはずもなく、早々に撤収した。

そして日没後。
この日も頭上を縦横に飛び交うネアカヨシたちを堪能できた。この風景を見ないと夏が来たことを実感
できないのだ。

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猛暑の日の黄昏時は、空が燃えるような色に染まる。
夜の鳥が叫び声を上げるなか、静かな田舎道を駅へとのんびり歩く。


昨日、国立駅前で今年初のアオマツムシの声を聞いた。
秋が既に始まっているようだ。






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# by brunneus | 2018-08-05 01:59 | 千葉 | Comments(4)
2018年 07月 28日

ヒゲコガネ2018

ここ数週間ほど、仕事の後に夜な夜な多摩川中流に出かけている。
ターゲットはこの虫。

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ヒゲコガネ。
数年前から、馴染みのポイントでは、おそらく灯のLED化でヒゲコガネが全く採れなくなっていた。以
来この虫からは遠ざかっていたのだが、今年は新たなポイント開拓をすべく、いくつかの場所を巡って
いたのだった。

結果はそれほど数は多くはないものの、広く薄くヒゲコガネが見られた。
印象的だったのは、雄よりも雌が多かったこと。本来ヒゲコガネは灯火に飛来するのは雄が圧倒的に多
く、雌は稀なはずだ。発生後期だからか、時間の関係か、、。

ヒゲコガネはコフキコガネ類の最大種。国産コガネムシ科の中でも、ヤンバルテナガコガネ、カブトム
シ、タイワンカブトムシに次ぐ大きさだ。
そんな大きな虫が歩道に落ちていれば気付きそうなものだが、ポイントには点々と踏みつぶされた死骸
があった。
ポイントの歩道は仕事帰りやジョギングなどで往来が激しい。ヒゲコガネの存在に全く気付かぬ人々に
踏まれる前に発見するには、飛来して歩道に落下したばかりの個体に出会うしかなく、これがなかなか
難しい。
踏みつぶされながらも、まだ動いている個体を何度か見たが、その度に「あと数分前に通っていれば!」
と歯ぎしりする。

街灯のLED化は、こうした無惨な死を防ぐ点で言えば喜ばしいことだとは思うが、虫屋の立場からする
と、ちょっと複雑、、。








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# by brunneus | 2018-07-28 22:28 | 東京 | Comments(0)
2018年 07月 25日

お手軽

連日、熱水の中にいるような猛暑が続いている。こんな日々は、息を吸って吐いて、生きているだけで
精一杯だ。

そんな猛暑がチャンスのトンボを求めて、仕事前に、誰もが知る場所へ。この場所は以前から狙ってい
たのだが、なかなかタイミングが合わず、機会に恵まれなかったのだ。
撮影目的で訪れるのは初めてなので、勝手が分からない。目的のトンボがどこにいるかも分からない。
しかし、あまり心配はしていなかった。

気温が最も高くなる時間に、現地着。
とりあえず適当に歩道を流していると、頭上の木陰でホバリングするスリムなトンボのシルエット。歩
みを止めて注視すると、良い位置の枝に止まった。

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ヤブヤンマ雄。
これは予定外のラッキーな出会い。
しかしヤブヤンマは本命ではない。歩道をさらにふらついていると、早速、高そうなカメラを首から下
げた紳士がやってきてちらっとこちらのカメラを一瞥、そして本命のトンボについてのヒントを丁寧に
教授してくれたのだった。
何の躊躇もなく紳士のヒントを受け入れて、言われた場所を探すことしばし。あっけなく本命を発見。

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マルタンヤンマ雄。ひとしきり撮影すると、ふわっと飛んで、すぐ近くに再び静止。

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良い角度だが、手前のクモの糸が邪魔、、。
なんとか別の角度から、、と少し粘ってみたが、暑さに負けて撤収。

黄昏飛翔性のヤンマは、日中はこのようにして風通しが良い林内に静止して休んでいる。その生態自体
は昔から知っていたのだが、いかんせん根気が無い。蒸し風呂のような森の中を、一匹のトンボを求め
て彷徨うことを想像しただけで目眩がする。
そしてこの場所。
有名なので、森にカメラを向けた人を目印にすれば本命に辿り着けるだろう、と甘い期待をしていたが、
いっぽうでそんなに都合良く本命は現れてはくれないだろうとも思っていた。しかし現実は甘い期待そ
のままだった、、。噂に違わぬお手軽天国。

ヤンマたちがどんな環境で休息しているのかが何となく分かった気がするので、今日の経験を他の場所
でも応用してみよう。








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# by brunneus | 2018-07-25 00:11 | 東京 | Comments(0)