ときどき、日常生活の中で時空を越えたエアポケットのようなものを感じる時がある。
たとえば、昆虫の図鑑で見つけた、何となく気になる虫。
しかし生態も環境も分からず、まあまず出会えないだろうな、と諦めていると、
ある日突然目の前に現れたりする。
昨年の八王子の職場でのルリボシカミキリや、ムネアカセンチコガネがそれだ。
そしてつい最近もそれが起きた。
5月3日の午後。
日比谷の野音のライブに行こうと家を出て30秒後、
すぐ先のファミリーマートの脇を通り過ぎようとしたとき、
足元で黄色い虫がもがいているのが目に入った。
瞬間的にコガネムシであることは分かったが、手を伸ばすと、
それはオオキイロコガネだった。
オオキイロコガネ
淡い黄色に包まれた細長い胴体。そしてコガネムシとしては異色の6本の長い脚。
図鑑でその姿を見た時、ありそうでないような、ひそかに個性を主張したフォルムに惹かれていた。
しかし、この虫についての情報の持ち合わせは無く、
インターネットで調べても、どうやら数が少なく、つかみどころのないコガネムシである、
ということしか分からなかった。
それが近所のコンビニの前に、、。
なぜこんな場所にいるのか全く理解できない。
そして翌日。
駅前で飲んだあと、深夜の帰り道の国立大学通りで再び足元に、、。
それ以来、道端に落ちたオオキイロコガネを拾うのが、
通勤、家宅時のささやかな楽しみとなっている。
昨日は狭い範囲で3匹も拾った。
どうやら通りの桜並木が発生源となっているらしいが、具体的にどの樹種なのかは分からない。
時間があれば、もう少し詳しく調べてみたい。