昨日、職場で手掴みしたオナガサナエ雌。
本種の特徴である、複眼下面の青色は雌も健在。
オナガサナエは、全国的にみれば珍しくはない種類で、
(もちろん、大都市近郊では絶滅に瀕している)
採ろうと思って1日川の中で粘れば、ある程度の成果は期待できる。
ただ、なかなかこの時期にオナガサナエ一本で1日を潰せないのが実情で、
ようやく昨年、産地へ行ってみたが、雄は見られたものの雌には出会えなかった。
前回雌を見たのはいつだろう、、、と記憶を辿ってみると、
1998年の山梨県北部のローカル駅の灯火で見たのを思い出した。
実に12年前の出来事だ。
当時はまだ学生で、トンボどころか、昆虫採集も始めていないくらいの時期。
しかし、昆虫自体には興味を持ち始めていて、とりあえず昆虫で有名な山梨まで
足を伸ばしてみたのだった。
ポイントの情報もないまま、真夏の炎天下の畑のなかの県道を彷徨い、
くたくたになって辿り着いた夜の駅の灯りに、オナガサナエの雌が飛来していたのだった。
しかしその頃はトンボの知識は殆ど無いに等しく、
灯火の下に佇むこの黄色と黒の縞模様のトンボが、何の種類かちっとも見当がつかなかった。
いまなら迷わず持ち帰るが、当時は標本というものにも手をつけていなかったので、写真に撮って逃がした。
オニヤンマを見て、「すげー!!」と叫んでいた時代。
平和な時代だ(笑)
オナガサナエの雌を撮影しながら、平和な時代に思いを馳せる。