夏も終わり、黄昏時に飛ぶヤンマ類も数が少なくなってきた。
まだ出会っていない種のひとつ、コシボソヤンマ。
丘陵地の清流に棲む大型のヤンマで、褐色の体と大きな複眼は、
薄暗い環境での活動を得意としていることを物語っている。
そして最も特徴的なのは、「腰」。
正確には、「腹部第3節」なのだが、この部分が異様に細くくびれているから「コシボソ」。
コシボソヤンマ雄:体長80mm
なんでこんな形になってしまったのか、見当もつかない。
生きて行く上で必要な形なのだろうが、、。
横から見ると、印象ががらりと変わる。
コシボソヤンマは7月下旬頃から姿を見せる真夏のヤンマ。
出現期も後半にさしかかり、この時期は雌の産卵期のピークを迎えている頃だ。
8月下旬。八王子市のポイントに、雌を狙いに行ってみた。
午後4時前。到着後、すぐに目の前を雄が素早く掠める。
早速靴を脱ぎ、じゃぶじゃぶと川の中に入って対岸の雌ポイントへ。
何度か雄を見送ったあと、流れの朽ち木を怪しげな飛び方をする影を発見。
そしてその影は、朽ち木に止まった。
雌!!
しかし角度が悪い。どうフレームをあてがっても、隙間ができてしまうのだ。
そしてあれこれ思案しているうちに、雌はついっと飛び上がり、薄暗い上流へと姿を消してしまった。
まあいいや。まだまだ来るだろう。
と、この時は高をくくっていたのだが、あとがさっぱり続かない。
そしてその後、3回ほどポイントに通いつめたが、結局雌の姿を見たのは最初の一回だけだった。
「振っときゃよかった、、、」
という好事例。