トンボは、羽化して間もない未熟期と、摂食活動を経た成熟期では体色が変わる昆虫として知られている。
しかし注意深く見ると、成熟した個体は、体型も変わっていることに気付く。
特に雌は成熟すると腹部に卵が形成され、卵の格納容器としての役目を果たすようになる。
体皮が厚い種はそれが分かりにくいが、トラフトンボなど体表が柔らかい種は、
腹部を見ただけで成熟度が一目で分かる。
トラフトンボ雌:未熟個体
トラフトンボ雌:成熟個体
成熟した雌の腹部は大量の卵を収納してぼってりと太くなっている。
採集時には、手に持つと重さでもはっきりと違いが分かる。
いかにも軽くて軟弱な未熟個体に比べ、成熟した個体では、ずっしりとその重みが手に伝わるのだ。
飛んでいる本人?も、これはさぞかし重いだろうなあ、、などと想像してしまう。
こんなことを考えながらトラフトンボを眺められるのは、一年のうちでほんの短期間。
そろそろこのトンボのシーズンは終わり、初夏のヤンマたちの季節が始まる。