再びハネビロエゾトンボ。
昨年はあちこちで雌の姿を見たが、今年は少なかった。
次々に目の前に飛来する雄を追い払いながら、
雌が産卵しそうな苔むした石の前でじっと雌を待つ。
視界の隅に、雄と違う飛び方をするシルエットが見えると、急行。
腹端をちょんと水面に付ける行動をすれば、それは雌だ。
雌は水面上をせわしなく徘徊し、やがて岸に向かって打水する。
縦横に水面を飛び回る雌に翻弄されながら、
なんとか2つの雌を手にできた。
ハネビロエゾトンボ雌:体長59mm
このトンボの雌の特徴は、なんといっても腹端下方の鋭く突き出た産卵弁。
そして、もうもうひとつの雌。
この雌は腹部に大量の卵を貯蔵しているからか、
上面から見ても、腹部がぼってりと太い。
側面から見ると、腹部の付け根がはち切れんばかりに膨らんでいる。
こんなに膨らんだ雌は初めてだ。
ちょっと気持ち悪いかも、、、。
昨年も書いた気がするが、このポイントは何年間も採集者がかなり入っているはずだが、
一向にハネビロエゾトンボが減る気配がない。
それは、付近に発生地がたくさんあるからだ。
メインのポイントでなくても、ちょっと周囲を歩いて林の中の流れを見てまわれば、
必ずそこにはホバリングする雄の姿がある。
メインポイントでいくら採っても、周囲からすぐに別個体が供給される仕組みなのだ。
だから毎年、ここは期待に応えてくれる。
そして周囲の環境の懐の深さを実感するのだ。