ミナミトンボを採ったあと、追加を求めて彷徨っているうちに、
いつしかあたりは夕闇に包まれていた。
この時間に飛ぶトンボといえばあれだ。
さっそく薄暗い貯水槽を見にいくと、いたいた。
オオメトンボ雄:体長50mm
オオメトンボ雌:体長49mm
真っ黒な水面をせかせかと移動する褐色の気配。
最盛期にはいくつもの影があちこちで飛ぶのが見られるが、
この日は2匹ほどがささっと現れて、気がつくと消えてしまっていた。
オオメトンボが消えると、風景は一気に蒼味を帯びる。
対岸の斜面からはセレベスコノハズクの「コホッ、コホッ」という声。
その夜の声に追い立てられるように、ポイントを後にした。