気温が上がり、キトンボの活動が下火になったころ
どこからともなく、赤い大きめのトンボが水面に滑り込んできた。
鮮やかな赤色、ネキトンボだ。
ネキトンボ雄:体長46mm
ネキトンボはアカネ類のなかでは早めに活動する種で、
お盆の頃には既に真っ赤に成熟した雄が水面を占有している。
例年、キトンボのシーズンには没姿するのが常だが、今年の秋は暖かかったからか、
まだ生き残っている個体がいたようだ。
しかし手にした個体はどれも色褪せて翅はボロボロ。
あと一回の寒波を乗り越えられるかどうか、というところだろう。
北方種が多いアカトンボの中で、ネキトンボは関東北陸以南の暖かい地方に分布する。
そう考えると、ネキトンボの赤もどこか南を感じさせる情熱的な雰囲気を感じる。
最盛期にもっと綺麗な個体を採りたかったが、今年はそのチャンスを逃してしまった。